金木犀 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

街中を歩いておりますと金木犀の香りが漂っている事に気付く季節になりました。金木犀は独特の香りがしますので、すぐに分かるものであります。
 
かつて我が應援團の本部がありましたのは甲南大学の学友会館という建物であります。そこから一本道を南下しますと、体育館の裏口に辿り着くのですが、その道中に金木犀が咲き乱れていた事を思い出しました。
 
應援團が存在していた頃、秋になりますと、11月に「乱舞の集い」という一大イベントを控え、上級生から下級生まで團務に奔走する事になります。練習も通常の昼の練習に加え、夕方4時頃から毎日、行われる様になりますので、夕方になりますと下級生はこの道を團旗や太鼓などの練習器材を担いで体育館に向かう訳であります。そんな経験がありますので、金木犀の香りがすると、この時の練習前の絶望的な気分が昨日の事の様に思い出される訳であります。
 
練習を終え、疲労困憊の中、再び器材を担いで團室に戻りますが、神戸特有の地形で北へ向かう道は緩やかな上り坂になっており、普段はどうとも感じる事がない程度の傾斜が、練習後の身体にはこたえたりするのであります。
また練習が終わった解放感がある一方で「今日はまだ水曜日か…」とか「團室に戻ったら仕事が結構、残ってたなあ…」とか手放しでこの解放感を楽しめない複雑な心境も同時に思い返されるのですから、不思議なものです。
 
匂いと記憶は密接な関係があるそうでありますが、金木犀の香りは何十年か前の光景をありありと思い出させてくれる事だけは間違いありません。
 
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会