流し読みできるほど語学力がないので自分が読むために翻訳してます。

誤訳誤字脱字多々あると思いますがご容赦ください。

約40年前の小説で翻訳本がないのでやってるだけで

あくまで趣味なので著作権とかは勘弁してください。

 

映画(小説版)「オーメン3」「オーメン4」の続きです。

 

ちなみにオーメン4の翻訳「こまぶう的オーメン4」はこのブログでいちおう完結してます

(・・・とかいって実は15章が途中だったということに今日気が付きました・・・汗  

そのうち補足する予定です)

 

 

こまぶう的オーメンⅣはこちら

 

オーメンⅣ 18章つづきはこちら

 

オーメンⅣ 19章(最終章)はこちら

 

 

オーメンV 序章はこちら

 

 

オーメンⅤ 第一部 第1章はこちら

 

オーメンⅤ 第一部 第2章はこちら

 

オーメンⅤ 第一部 第3章はこちら

 

 

オーメンⅤ 第一部 第4章はこちら

 

 

どうせこれ読む物好きな人じゃはほとんどいないと思うので

以下リンクはめんどくさいから略・・・テーマからさがしてちょ。

 

 

 

   こまぶう的オーメンV

                        

第二部  第5章

 

 

 最初の日々はいつも最悪だ。脳がスイスのチーズのように疑いで包まれ、アイデアがまったくよくないという恐れや、たとえそれが大丈夫でも、自分には書く才能がないとか才能に恵まれていたのに枯渇してしまったとパニックになる。しかし、少なくともこのアイデアはフィクションではない。 フィクションでは、常に自分が人々を統制しているという認識を持っていた。 とはいえ、50歳の空想に誰が興味を持つというのか。 

 否。メイソンは思った。これはいいネタだ。唯一の問題はそれを手に入れることだった。

 3時間、彼は新聞の切り抜きの山をくまなく調べていた。初期のものは黄色で手の中で砕けた。最新のものは彼の指をインクで汚すのに十分なほど新しいものだったが、それらはすべて同じ話を語っていた。ソーン家は不吉だった。病院の窓から転落して亡くなったダミアンの母親であるキャシー・ソーンから、32歳の心臓病の犠牲者であるダミアン自身まで、ベッドで安らかに死んだり、割り当てられた寿命を全うした者はいなかった。

 メイソンは欠伸をして机の上で丸めた背中の凝りを伸ばした。そして再びその切り抜きを見下ろすと、フィリップ・ブレナンの話が山の天辺にあった。
 彼はそれを3回読んだ。森の中にあった身体の謎とひどい傷。検視官によるとその傷は長さ6インチで三角形に成形された特定の不潔な刃物によって起こされたためどの傷も決して治らないようになっていたという。

 ブレナンの傷は治癒する可能性があったわけではなく、頸静脈の6インチの傷がなくても、少なくとも短時間で死に至っただろうからそれが何らかの慰めであったかもしれないという。メイソンは確信が持てなかった。その裏に何があるのか分からなければ確信できない。永遠に苦しんでいたとしたら?絶え間なく苦しむ魂?だからなんだ?いまだかつて戻って語った者はいない。

 それから片手に印があり、肩に大きい犬の歯形があった。調査ではロットワイラー種の特徴的なあごとあった。メイソンは瞬きした。彼は犬の違いが分からなかった。ロットワイラーとはいったい何なのか。そしてその犬がバークシャーの田舎のどこかにあるセントジェームスの中庭で米国大使を攻撃したのはなぜか?

 それから、ロンドンでのブレナンの火葬で、炎に包まれた棺に彼の妻マーガレットが自分の身を投げた時の話の恐ろしい続編があった。

 その物語は多くの疑問が湧いたが、メイソンが最も興味を持ったのは、アメリカ大使館のブレナンの秘書からの声明で、ブレナンはその夜、ポール・ブーハーと夕食をとるためにソーンの田舎の家に行く途中だったということだ。みながアーマゲドンと呼んでいるあの夜にだ。

 メイソンは何か奇妙な匂いがした。一見すると、ブレナンがブーハーと食事をすることに何の問題もなかったが、ソーン社の歴史は汚職の可能性がある話だった。 シカゴから中国、ワシントンから北京、東京からモスクワまで権力と影響力のある立場に彼らの部下がいたことはよく知られており、その事実は表面上かなり受け入れられていた。 
  しかし、メイソンは若いころに多くの汚職のネタに取り組んだ。 彼はかつて会った古いイギリスのジャーナリストのように、政治家に対処する唯一の方法は彼が嘘をついていると仮定することだと信じていた。

 メイソンはプロの皮肉屋だった。政治とビジネスの関心は収賄という材料を追加せずには混じり合わなかった。ソーン社は地球上で最大かつ最もパワフルなビジネスマシンで、彼らの幹部が政治家を呼びに行ったときは、確かにそれは単に居心地の良いゴルフのためではなかった。

 フィリップ・ブレナンはエルサレムに爆弾が落ちた夜にはロンドンにいるはずだった。彼は極度の危機の瞬間にほかの大使と同様にダウニング街に呼ばれていた。彼は田舎の溝で犬畜生と格闘する権利はなかったのだ。

 メイソンはその切り抜きを壁にピンで留めそれらを見つめるために後ろに下がった時、ソーン家の本の大部分をロンドンで調査しなくてはならないことに気が付いた。そのためには助けが必要で、そして彼はその仕事に最適な女性を知っていた。

 

 アンナ・ブロンプトンはニューヨークからの電話の後にすべてを保留にした。取組中の小さなプロジェクトが3つあったが、延期できなかったり、他の誰かに解雇されたりはない。ジャック・メイソンが電話したときは、即座に誘いに飛びつくものだ。
 彼が試みていたものは一見すると、そして二度見してさえ不可能だったが、彼女は不安を簡単に止めることができた。それは彼の責任だし、もし彼ができると思ってたら誰が自分と議論するのか?彼女は彼と一緒に働くことが特権であると考えた、そして、その上その仕事は彼女の銀行のマネージャーにとって少なからぬ慰めになるだろう。

  アンナは思い返した。出会ってから3年たったに違いない。そして彼女は自分が入った眠たげな出版業界の人々のようでなく、常に5分前に話すあの荒々しいスタッカートの声でいかに自分が興奮するかを忘れていた。

 翌朝、切り抜きの束と長い状況説明の手紙の束が速達で届き、彼女はその話に没頭しまったく時間を無駄にしなかった。フィリップ・ブレンナンの観点は、真っ先にそして一直線に自分が幸運になるために行くべきものになるように思われた。
 

 ドナ・エロッドは今セミリタイアしてケントに住んでいて喜んで話すと言った。アンナはアメリカ大使館の報道部門の友人から彼女の番号を取得していたが、電話をかけたとき不安だった。プライベートの秘書は、定義上、忠実な生き物であり、上司の業務に対処するときはもちろん上司が亡くなった後でも、秘密主義で口が堅かった。しかし、ドナ・エロッドは喜んで話すと言ったのだ。
 その朝アンナは車を降り、昼までにはドナのコテージで2本目のワインを飲んでいた。すぐに親密な関係になった。アンナはその女性が好きだった。ドナは50歳くらいに見え、暗いヘナで髪を染めていた。彼女の会話はマンハッタン型で、まるでフィリップ・ブレナンについておしゃべりすることによって喪失の痛みを和らげているかのように、話すことに熱心だった。
「彼はしまいには狂ったように振る舞っていたわ」と彼女は言った。

「何らかの理由でローマに出かけるようで、神は理由を知ってるって。」
「彼はどこって言ってたの?」
ドナは頷いた。

「どこかの修道院。彼は神父に会うつもりだったの。デ・カルロ、そうだったと思うわ。そんな感じ。」
アンナはメモした。
「彼は奇妙な男だったわ。彼が死ぬ直前に、私たちは彼が奥さんと休日を過ごすことができる場所をを考えていたの。彼は良心のある人が行くことができる場所はもはやどこにもないって言ったわ。世界の半分は人権を冗談として扱ってるって。」

彼女は微笑んだ。

「彼がアラブ人について話したことを思い出したわ。彼らはともに原理的もしくはその逆をやってきてるって

「はあ?」

「それは私が言ったことよ。中世に戻るか、すべての反射眼鏡と自動拳銃を使い果たすか。」
彼女は再び笑い、アンナが加わった。
「それでね」彼女は続けた。

「私はスペインを提案したんだけど、彼らは再びファシストになったので彼は拒絶したわ。カリブ海は島々が暴徒または中途半端な独裁者のいずれかに運営されていたために、不向き。インド洋は共産主義になった。それで私はスウェーデンを提案したのを覚えてるわ。『スウェーデンか』と彼は言ったわ。『スウェーデンでは装甲トラックが必要だ。』って。子供たちが、あまりにも右翼であるとしてノルウェー大使を撃ったのよ。」
彼女の笑顔は薄れ、首を横に振った。
「世界はめちゃくちゃ。そう思わない?」
アンナは同意して頷き、それから彼女を別の方向に向けようとし、彼が殺害された理由が何かあるかどうかを彼女に尋ねた。
ドナは首を横に振った。

「警察が分からないなら、どうして私が分かるの?」
「ええ、そうね...」
「あんなひどい死に方で」ドナはそっと言った。

「誰があんな三角の刃ようなもの思いつくことができるのかしら?」
彼女の声が割れ、唇が震えた。

「人間の心は堕落してるわよね。そう思わない?」

彼女は支持を求め見上げ、アンナは再び同意して頷いた。

「虫に世界を捧げる時がきたわ。彼らにチャンスを与えるの。」

アンナは雰囲気を変えようとした。

「子供の時ニュースマガジンで読んだのを思い出したんだけど昆虫が世界を乗っ取る可能性についての特集だったの。そしたら次の号ではある男性からの手紙が載っててね。もしハエがとても賢いならどうしてハエは窓ガラスが分からないのですか?だって。」

 しかし、ドナは笑わなかった。

「放射線はハエに影響しないわ。」ドナは言った。

「考えてみて。すべての体に乗ってハエがどんなに肥えるかを」

 そろそろ帰る時間だった。

ロンドンに戻る途中、アンナは会話のテープを再生した。あまり得るものはなかった。一つのよい情報源を除いて。それはドナが古典的な間違いを犯し、上司に恋をしたことは明白だということ。そして今報いを受けているのだった。

 

  その招待状は出版社の10周年記念のパーティで、ドリンクとカナッペの洗練されたソーホーのレストランでだった。アンナは数時間休むことにした。 彼女はもう3日間もソーンの調査に深く関わっていたが、成功には至らず落ち込んでいた。彼女はもしかしたらこれはジャック・メイソンの長いキャリアの中で犯した一番最初の間違いではないかと考え始めていた。
 彼女はこのような出版パーティーを楽しむことをたいして期待していたわけではなく、立って歓談し、最高の白ワインで胸やけして、著作権使用料の代わりに貪欲に飲む作家を見たり、小さな浮気を観察したり、マネージングディレクターがエージェントと取引しているふりをしてるのがすべてだった。

 けしてそれらを楽しむつもりはなかったが、どういうわけか彼女はいつも好きな人と話をしていて、そしてそれからどこかで食事してベッドの後、翌朝酢のような頭とおそらくいくつかの記憶がとんでいるのだった..

 アンナは鏡で自分をチェックした。髪は大丈夫、少し鼠色だけどたぶんうまくカットされていて流行と同じくらい短かい。彼女はネックラインの低いドレスを選ぶことにした。胸は彼女の最高の特徴だった。誰もがそう言った。男性は幸せそうに、女性は意地悪く。大丈夫、たぶん少し太りすぎだがあざ笑うのは女性だけで自分はそれと生きていける。

 自分でも知ってる彼女の最悪の特徴は鋭すぎる舌だった。でもそれは10代で完成させたえくぼのある笑顔で守られていたため攻撃を受けることはほとんどなく、そういう人を気にするには値しなかった。それは彼女の成人期を通しての経験則でありそれが彼女に有利になっていた。

 アンナは故意に遅れた。彼女はこのような宴会の最初の一人になるのが嫌だった。遅くなればそれだけ話し相手を見つけるチャンスが増えるのだ。

 「ダーリン・・・」

彼女は思い出すことができなかった誰かに歓迎された。彼女は飲み物を手に取り、歓談し始めた。彼女の笑顔はきちんとして素敵で、頬をつつきながら知り合いを探しまわった。いつもはこのような宴会でのエクササイズのポイントは仕事を得ることだったが、今はジャック・メイソンの後ろ盾があったのでしばらくの間不安もなく、楽しく自己満足していた。

「プロンプトさん?」

その声は手近で深くかなりアクセントがあった。イタリア人だと彼女は思い、振り向いて若い茶色の顔を見上げた。ハンサムだけどそんなにハンサムじゃない。若いけどたぶんあまりにも若すぎる。彼女が丁寧にこんばんはと言うと彼が自分をフランシスと自己紹介した。

「フランシス、誰?」

彼は質問に気付かないふりをして肩をすくめた。彼女が気が付いたのは彼はこの部屋で唯一手にグラスを持ってないことだった。

「あなたがブロンプトさんですか?」

彼女は頷き興味をそそられた。彼については非公表にしている何かがあった。流行遅れの、そして何か・・・ー彼女は言葉を探したー・・・世俗的ではなかった。そしてなぜ自分が選ばれたのか?部屋にはずっと若くてきれいな女性たちがいたのに。

「そしてあなたはソーン家についての本に取り組んでいる」

アンナは瞬きしてグラスに吹き出した。どうやって知ったの?

「あなたについて新聞で読んだんです。スタンダードで。」

「ああ」

ネタをかぎつけてあの日2段落書いたあの日記だ。

「それで僕はあなたのところに電話しました。留守電があなたはここにいると言いました。」

 今や彼女は好奇心旺盛で、彼が誰でどこから来たのかと尋ねた。
「そのための言葉があります」
彼は真剣に言った
「フェンスのクラッシュや何かについて」
 彼女は彼に微笑んだ。 もし彼がそのように感じるならゲートクラッシュが出版パーティだって問題ではなかった。しかし、なぜ? それに応えて彼は上着を撫でて、彼女に少しの間静かな場所に移動するように頼んだ。
「それはあなたが言う生死の問題です。」

アンナのの想像力は2倍になり、イタリア人が自分のジャケットを撫でたことが彼女を迷いに導いた。映画の殺し屋たちは大抵ハンサムだと。しかし、彼らが群衆から離れた窓際の場所に到達すると、彼はただポケットから封筒を引っ張り出しただけだった。

「僕の話をあなたが信じることは期待してません。」と彼は言った。

「成果なしの前にそれを話そうと思って」

 アンナは話をさえぎろうと口を開いたが、彼が沈黙のために手を挙げた。彼女は再び彼に瞬きした。ますます興味津々だ。

「あなたが知りたいことのすべては僕が全人生をソーンの人々と関わってきたことです。一人の部外者としてあなたは理解している。過去に僕は人々に警告しようとしましたが、僕が会った人はみな信じませんでした。結局は信じますが、それまでに彼らは運命づけられます。」

アンナは笑った。それはそんなばかげた言葉だった。確かに「運命」だ。しかし、たとえ彼女が望んだとしても今や彼を止めるものは何もはなかった。

「もし僕が自分の知っていることを話しても、あなたは僕を信じないでしょう。あなたは僕を・・・」

彼はそのフレーズを考えて間を置き、それから初めて微笑んだ。

「あなたは僕があなたの知性を侮辱していると言うでしょう。」

「それ私がもらえるのね。」

と、アンナはおどけようとしたが、彼は彼女の発言に眉をひそめた。

「あなたがこれを読むことが僕のお願いの全てです。」

彼は封筒をなでて真剣に言った。
「中には、ソーン家に関与した人々のリストがあります。 自分が知ってたり、またはちょっと会った人にマークを付けました。共通の関連があります。」
アンナは貪欲にそれをつかみ、親指の爪でそれを切り開き、中身を引き出した。 いくつかの名前は見覚えがあり、他の名前はまったく聞いたことがない。それは長いリストだった。それぞれの名前には説明文があった。彼がその関連を話したとき彼女はまだほとんど読み始めていなかった。

「これら全員の人々がひどい死に方をしたり、失踪したりしました。」

 アンナは見上げなかった。

「でもこれは素晴らしいわ」

フランシスは瞬きした。それは彼が期待していたリアクションとは程遠かった。

 彼女の眼はリストの一番上まで動き、それから彼女はページをめくってその苗字を見た。チェッサと呼ばれる人からポール・ブーハーまで。そして彼女が見上げた時、彼女の眼は興奮で輝いた。

「これ、持ってていいかしら?」

「もちろん、それが要点です。」

 アンナはつま先立ちして彼の頬にキスして彼がたじろぐのを見た。

「誰だか知らないフランシス君、私の子羊、どこから来たのかも知らないけど、とても感謝してるわ。 それで、私の提案は一緒に夕食を食べに行くということ。そうしたらあなたはこの人々についてもっと詳しく話せるでしょ。」

彼女は自分のノートを持ってきたかどうか疑問に思って自分のハンドバッグをひっかきまわし、それから腕に指をきつく握る彼の手を感じた。今度は彼女がたじろぐ番だった。抗議するために見上げると彼が彼女をにらみつけて頭を振っているのが見えた。

「いいですか。これらの人々はソーンという病いの犠牲者なんです。このリストは警告です。だから囚われてはいけないとあなたに話しています。ソーンのフェンスを壊すのは不可能なのです。」

 彼女は笑おうとした。魅惑的で馬鹿じゃない魅力的な笑顔で。だがうまくいかなかった。フランシスは彼女を揺さぶり、彼女にワインをこぼさせた。人々が彼らの方を見ていた。

「お願いです。」彼は言った。

「僕はメロドラマ的な人間ではありません。もしあなたが関わったらあなたはリストに加わるでしょう。もし、あなたが僕が狂っていると思ったら、ちょっと調べて数学的オッズを計算してみてください。なぜ各々がひどい死に方をしなけらばならないのか。それから自分に問いかけてください。『私はそうならないのか?』と」

 そうして彼は去った。彼らへの口ごもった抗議に気づかずに群衆の中を押しのけて。
しばらくの間、彼女は彼が行くのを見て、それから紙切れを見下ろした。

「ジーザス(あらまあ)」

彼女は柔らかく言った。

「なんて幸運なの」

彼女は、いろいろなグループによる夕食の申し込みを断り、礼儀正しくしてできるだけ早くそのパーティを後にした。イタリア人と一緒の彼女を見た人は標準的ないやらしいコメントをした。彼女の後ろで低俗な噂話が続いている。彼女はそれを知っても気にしなかった。確かにこの背が高くて黒い見知らぬ男と一緒に姿を消したら逢引きだと思われるだろう。彼女がシェパーズフィッシュにあるBBCのマイクロフィルムライブラリーに行くと言っても彼らは信じなかっただろうし、彼女もそれを気にしなかった。

 

 彼女は時間が過ぎるのも気づかず夜通し働いてリストの名前をニュース記事と照合していた。3歳のダミアン・ソーンの若い乳母であるチェッサは、首にロープをかけて最上階の窓から身を投げた。判定は自殺で動機は不明。それからソーン家。キャシーとロバート、それから写真家、司祭、イタリアの修道士、友人、親戚、見知らぬ人、すべてが謎のグループ。シカゴからロンドンまで死と破壊。そしてけして説明はない。男が言ったように、それは病いだった。ペストかそれ以上の。ある種のウィルスだった。

 

 外に出たのは朝で、赤い目をしてメモの束を運びながら疲労にもかかわらず爽快だった。帰り道のタクシーの中でアンナは自分の腕時計をチェックした。ニューヨークは真夜中だったがその情報を伝えるのを待つことができなかった。たとえそれが昼食の時間まで起き続けることを意味したとしても彼女は家からテレックスしただろう。

 部屋につくまで、フランシスの言葉を覚えていた。「私はそうならないのか?」最初の心配の身震いが彼女襲い、その後、恐らく二度と彼を見つけられないだろうというパニックが続いた。

 封筒を見て、アンナは安堵のため息をついた。彼は自分の名前と電話番号を裏に書いていた。それは単なるきちんとしたものではなく、ちょっとした芸術作品で、昔ながらの銅板のようなものだった。それはまるで羽ペンで書かれたかのように見え、2001年に自分の電話番号をきれいにみせようと気にするのはどのような男かアンナは疑問に思った。

 

 

 悪魔のダミアンと天使というか天然のフランシスは腐女子的にはいい対比ですな・・・っつーこっとでww

 

第2部  第6章につづく

 

 

 

新型コロナのおかげでまた翻訳する時間ができますた・・・

さてこの騒ぎと自分の気力がいつまで続くのか・・・