連携小説「さやか編」
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第8話「HR」

もっと、田中君と話したかったのに…

なんて意地悪なチャイムなんだろう。


4時間目が始まってるけどそっちのけで休み時間の事を考えていた。


でも、携帯の番号とメアドを聞けただけでもラッキーだよね。

今すぐメールしたいけど・・

授業中だしやっぱり迷惑だよね。


早く放課後にならないかな?

でも、HR後職員室に行かなきゃなんないんだ。


最悪…


1分1秒でも早く田中君にメールしたかったのに。

なんで、こんなにタイミング悪いの?


でも、今日はいい事の方が多いし気にしない、気にしない。


そんな、他愛もないことを考えてると…


キーン・コーン・カーン・コーン


授業の終わりを伝えるチャイムが鳴った。


授業、終わるの早いっ…

今日あった授業で1番終わるの早いよ。

結局はどの授業もちゃんと受けてなかったなぁ。


まぁ、いいかっ。

まだ始まったばっかりだもんね。


教室の中は休み時間と同じくらい騒がしい。

入学2日目でこんなに賑やかでいいのかな?

田代先生や学級委員もこのクラスをまとめるの大変だろうなぁ~。


ちょっと、待って…

今からHRで学級委員決まるんだよね?


もし、本当に私が選ばれたら…

このクラスをまとめる事になるんだよね?

大丈夫なのかな、私。。

自信なくなってきちゃったよ。


ガラガラガラ~。


教室のドアが開くと同時に田代先生が教室へ入ってきた。


出席番号1番男子「起立、礼、着席。」


田代先生「学級委員は決まったかぁ?

このクラスの代表だからちゃんとクラスをまとめられる代表を選んでくれよ。」


教室の中は騒がしい位、

話し声はするけど誰も田代先生の質問に答えようとしない。

それを見かねた田代先生は…


田代先生「日直、学級委員は決まったのか?」


先生もクラス全員に聞くんじゃなく、

1人に聞くのが1番いいって解ってるんだ。

じゃ、最初からそうしたらよかったんじゃん。


出席番号1番男子「いえ、誰も立候補がなかったので決まってません。」


誰も立候補がない?!

その前に普通、誰もやりたがらないでしょ?!


そんなんじゃ決まるわけないじゃん。

休み時間にもそんな話し出さなかったし…


田中先生「よし!!じゃぁ、今朝のHRで言ったように、

学級委員は男子は瀬尾・女子は水野でいいな?」


これで私が学級委員やる事に決まったんだよね。

高校の大変そうだけど、クラスの代表として頑張らないと。


田代先生「じゃ、瀬尾と水野。これから学級委員としてクラスをまとめてくれ。」


ひろき&さやか「はいっ。はいっ。)」


他にもまだ何かあるのかな?

出来れば早く帰りたいんだけどなぁ…


田代先生「じゃ、今日のHRはここまで。」


これで、やっと帰れるよ。

田中君にメールしなきゃぁ!!


あっ…

ちょっと待って。

確か、学級委員になったら放課後職員室に行かなきゃ駄目なんだよね…


こういう時に限って何で呼び出しがあるの?

さっさと用件聞いて帰ろうっ。


ちょっとぉ…

瀬戸君まだ自分の席にいるよね?

もし、忘れて時間かかっちゃったら嫌だから声かけていこう。


さやか「今から職員室行かなきゃ駄目なんだよね?


ひろき「お、おぅ。


良かった、ちゃんと覚えてたんだ。

瀬尾君が忘れてたら職員室で待たされる羽目になるもんね。

そんなの絶対、嫌だよ。

もう、このまま職員室まで一緒に行けばいっかぁ。


さやか「じゃ、行こっか?


学級委員同士で職員室に行くんだから、

別に変な目で見られることもないよね。


ひろき「あっ、うん。


あれ…

瀬尾君って意外と口数少ないんだ。

何か、色々話しそうな人だと思ったんだけど。

違ってたのかな?

とにかく、今は職員室に行って用件聞こう。


職員室に着くと、瀬尾君がドアを開けてくれた。


ひろき&さやか「失礼します。失礼します。)」

長引かなきゃいいんだけど、何の話か解らないしね…

でも、用件聞いてさっさと帰りたいよ。


ひろき「田代先生。


瀬尾君が田代先生に話しかけてくれた。

やっぱり休み時間に何か聞いてたのかな?


田代先生「おっ。学級委員、来たか。」


来たか。って、先生が呼び出したんでしょ。

しかもクラスで決めたんじゃなく、

先生が私と瀬尾君を学級委員に選んだんだし。


田代先生「これから、学級委員として2人で協力し合ってクラスをまとめてくれ。」


先生、それHRの時にも言ってたよ。

その為だけに呼ばれたんじゃ、納得いかないんだけど…


ひろき&さやか「はい。はいっ。)」


田代先生「二人とも、息がぴったりだな。」


そんな事、どうでもいいから用件は?

私は田代先生や瀬尾君と雑談するために来たんじゃないよ…


田代先生「それでな、来週中に学級委員会があるからそのつもりでいてくれ。」


そんな事なの?

じゃ、HR中に言ってくれればいい話じゃん。

本当、拍子抜けするなぁ…


田代先生「それから、来週のLHRは

学級委員会に任せようと思ってるから何をするのか2人で決めててくれ。」


そんな事、言われても困るんだけど…

LHRって何をしたらいいの?


もう、わけ解らないよ。


ひろき「先生、LHRって何をすればいいんですか?


瀬尾君、偉い!!

ちゃんと聞いてておかないと困るよね。


田代先生「まぁ、LHRの前に学級委員会があるから

学級委員会での内容をやってくれればいい。」


じゃ、それを言ってくれたらいいじゃん。

もしかして、田代先生は自分がLHRやるの嫌だから?

そんな訳ないよねぇ~。


さやか「解りました。それから田代先生?


一応、呼ばれたついでにクラブの事も聞いておこう。


田代先生「ん、なんだ?水野。」


さやか「学級委員会って、頻繁にあるんですか?


これ、重要でしょ?

委員会が頻繁にあれば田中君と話す機会が多いって事だし。

でも、逆に言えばクラブに入ってもあんまり練習できないって事だよね…


田代先生「そうだな、行事が近いとやはり頻繁に行われるな。」

やっぱり…

じゃ、クラブは諦めた方が良さそうだよね。


さやか「そうですよね、ありがとうございます。


田代先生「他に聞いておきたいことはないか?」


ひろき「はい、大丈夫です。


瀬尾君、やっぱり口数少ないなぁ。

こんな人なのかな?


さやか「はぃ、私も大丈夫です。


これで、用件は済んだはず?!

もう、帰っていいよね?


教師A「田代先生、そろそろ職員会議が始まりますよ。」


あの先生、何てタイミングがいいの!!

名前知らないけど…

でも感謝、感謝。


田代先生「あっ、はい。すぐ行きます。」


田代先生…

新任なんだから遅れちゃ駄目だよ。


田代先生「そう言うことだから、また来週な!!」


そう言うと先生は足早に職員室を後にした。


やっと、これで帰れるよ!!

何だかほんの少しの時間なのに凄く長かった気がする…


でも、やっと解放されたんだよね。

さぁ~て、帰るとするかぁ。


ひろき&さやか「失礼しました。失礼しました。)」


私と瀬尾君は職員室を出るときに挨拶をし、

何故か2人で下駄箱に向かった。

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