第7話「雰囲気」
3時間目が始まったが、先生は中々来ない為クラス中は結構にぎやか。
もう、クラスの中でグループが出来ている。
この様子だと学級委員も逃れれるんじゃないかな?
なんて期待もするけど、やっぱり学級委員やりたい。
って気持ちも無いとは言い切れないしなぁ。
ガラガラガラ…
教室のドアが開いた。
出席番号1番男子「起立、礼!」
号令に合わせて礼をすると…
先生が自己紹介を始めた。
何を、しだすのかと思えば自己紹介なんだぁ・・
この様子だと、授業もなく終わるのかな?
そうだったら、いいのに・・
初日から授業で宿題出されても、やる気でないし・・
ここの先生はその辺は解ってるんだぁ。
でも、土曜日に学校あるっていうのは辛いなっ…
中学時代の友達は、バイトやデートしてるんだろうなぁ。
私も2連休ほしいよぉ。
2連休だったら…
友達と買い物行ったり、夜更かししたり…
他に何するだろ?
あっ!!
中学の時とは違ってバイト出来るしバイトもありだなぁ。
後は…
やっぱり、彼氏作ってデートしたいな。
映画やショッピング、公園デートも憧れるぅ。
なのに、現実は・・
土曜なのに私は学校。
やっぱり、全部が夢のまた夢なのかな…
麻美「さやか、何ボーっとしてるの?」
さやか「えっ…?!」
麻美「もしかして…」
麻美ってば、また変な事言い出すんだろうなぁ…
なんか、麻美が言う事なんとなく解ちゃうんだよねぇ。
また、休み時間の事を言われそう。
麻美「やっぱり、学級委員いやなんじゃないの?
無理にやらなくていいと思うよ。何か押し付けられてるみたいじゃん?」
えっ?!予想はずれ…
麻美も気にしてくれてるんだぁ。
何か、意外だけど嬉しいな。
夏樹「さやかには、悪いけど私もそう思う…
クラスのみんな誰一人、学級委員の話持ち出さないじゃん?」
そう言えば、そうだね。
別に嫌じゃなかったからそんな事を気にしてなかったなぁ。
でも、今となったら複雑な気持ち…
私は本当にどうするべきなんだろう??
さやか「う~ん…。」
何て、答えたらいいんだろう…
自分の気持ちが曖昧だから言葉に出来ないよ。
でも、まだ決まった訳じゃないんだから断れるよね?
もし、断るならクラブ入るから無理って言ったら断る理由にもなるし…
あー…
本当、今になって後悔。
夏樹「放課後まで、もう時間ないから、
断るなら次の休み時間に職員室に行かないとだめだよ。」
そっかぁ。
もう、次の休み時間が終わったら今日は休み時間無いんだね。
そんな事を言われたら余計焦っちゃうじゃん…
でも、夏樹は私の為を思っていってくれてるんだよね?
さやか「うん、ありがとう。」
教室の中は騒がしいけど、みんな学級委員の事なんか頭にないんだろうなっ。
中学の時も学級委員はやってたけど、本当に複雑…
昨日の出来事がなかったら絶対断ってたよ。
もしかして、先生に仕組まれたとか?!
そんな訳ないよね…。
私が田中君のことを気になってるって、
誰も知らないんだし。
この事は、あんまり考えないようにしよう…
気がつけば、先生が職員室に帰る準備をしている。
もうそんな時間なの?
初日だから、普通の授業はないのかな?
それよりも私ってば、まともに授業受けれて無いじゃん…
こんなんじゃ、本格的に授業始まったら付いていけないかもしれないよ。
次の授業だけでも、ちゃんと受けなきゃ。
キーン・コーン・カーン・コーン
授業終わっちゃったよ…
よく考えたら、この休み時間が終わって4時間目が終われば、HRなんだよね。
学級委員を断るなら今の間なんだよね…
どうしたらいいんだろう??
ちょっと、冷静になって考えなきゃ。
麻美「ちょっと、さやか!!」
もう、こんな時に次は何??
また、変な事言い出すんじゃないよね?
さやか「えっ、何??」
麻美が教室の前のドアの方を指さしていた。
そこには…
夏樹「誰?知り合い?」
入学式の時、何してたの?夏樹…
私と一緒に総代やった田中君だよ。
麻美「知り合い程度じゃない、ない。朝、一緒に登校するような仲だよね?」
麻美ってば、また変な事を言ってるよ。
そりゃぁ、今朝は一緒に登校したけど…
夏樹「そうなの?もしかして…」
そう!!
その、もしかして昨日一緒に総代やった人なの!!
ただそれだけの関係だから。
あー、こんな事を考えると何か、寂しくなっちゃうな…
夏樹「さやかの彼氏?!」
そっちなの?!
そうだったらいいんだけど、
きっと、田中君は私の事なんか眼中に無いよ…
さやか「何でそうなるのかな…?昨日総代一緒にやった人だよ。」
そう、本当にそれだけの関係…
でも、田中君が私に何の用なんだろう?
田中君「ごめんね、教室までおしかけて。」
全然、気にしないで!!
と言うよりも願ってもないことが起きてるよ!!
さやか「全然、それよりどうしたの?」
教室まで来るって事はそれなりの用事があるって事だよね?
じゃ、なきゃ普通は教室まで来たりしないだろうし…
田中君「水野さんのクラスの担任の田代先生から聞いたんだけど…」
田代先生が何を言ったんだろう?
さやか「田代先生から何か聞いたの?」
変な事は言ってないと思うけど…
田中君「水野さんも学級委員やるんだよね??」
えっ…
田代先生、まだ決まってないのに、
他のクラスの子にまでそんな事を言ってるの?!
ちょっと待ってよ…
さやか「う~ん、まだ決まった訳じゃないよ。」
今、“水野さんも”って言ったよね?
やっぱり、A組は田中君に決まったんだ??
田中君「そうなんだ。俺、学級委員やることになったんだ。」
知ってるよ。
昨日、職員室で先生と話してるの聞いたから。
私は田中君が学級委員やるからOKしたんだよ。
でも、断りに行かなくて正解だったなぁ。
田中君、なんてタイミングいいんだろう・・
これで学級委員に選ばれなかったらみんな恨んでやる!!
さやか「そっかぁ。じゃぁもし私が学級委員になったらおたがい頑張らなくっちゃね。」
田中君「あっ、うん。それと…」
まだ、何かあるのかな?
ポケットからメモ用紙みたいなのを取り出したけど…
田中君「これ、俺の携帯番号とメールアドレスかいてるから。
その…水野さんが嫌じゃなかったら暇なときでもメールくれると嬉しいな。」
マジ??
何で今日はこんないい事が続くの?
さやか「あっ、ありがとう。放課後にメールするね。」
本当は今すぐしたいんだけど迷惑だろうな…
田中君「本当に、気が向いたらでいいから。」
何で、こんな時に限って放課後呼び出しなの?
嫌になっちゃうよ…
でも学級委員やらなきゃこんな事にはなってなかったんだし、
神様、仏様、そして、先生ありがとう。
私は本気で感謝してます。
キーン・コーン・カーン・コーン
なんてチャイムはタイミングいいんだろいう。
田中君「チャイム鳴ったから教室戻るわ。」
もっと、田中君と話したかったのに…