【がけっぷち脱出物語】第3部1話 おばあちゃんは天然のマーケッター | 【相談業の集客119番】集客の困った!をなんとかするブログ

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Facebookで連載配信していた

【がけっぷち脱出物語】


フェイスブックをやっていないから読めない!

ブログでも転載してくださいという声がありましたので、

こちらにも掲載しておきます。


がけっぷち脱出物語 第一部 1話~4話はこちら


がけっぷち脱出物語 第二部 1話~5話はこちら



がけっぷち恋愛&人生相談室-青山華子


畑の手伝いをすれば、食物を枯らしてしまう。
家畜の世話をすれば、家畜を逃がしてしまう。
はた織をすれば、織り機を怪力で壊してしまう。

もちろん私には狩猟はできないし、
どの食物が食べられるかもわからない・・・。

洞窟住居生活では役立たずな私。
できることといえば、水汲みと洗濯くらい。

そんな私に、ロサ(おばあちゃん)が
命じたのは「花売り」

モノを作ったり育てたりするのが向いてないなら
モノを売ってこい!

というわけで、急に私は花売りとして
デビューすることになったのだった。

◇◇◇

まず、ロサは私に花を摘みに行くように命じた。

ジプシーの「神の丘」と呼ばれる場所に咲いている
カーネーションに少し似た赤い花(正式名称知らず)を
摘みに行くことが、最初の仕事だった。

朝、早く行くともう先客がいて、他のジプシーのおばさま達が
我先にと鮮度の良さそうな花を物色していた。

そう、もうここから勝負は始まっていたのだ。

ぼやぼやしていると、いい花はみんな持っていかれてしまう。
私は慌てて自分の分を確保した。


天然の花(仕入れ値=無料)を摘んできて、きれいにして、
小さく束ねてリボンで結んだだけの、ほぼ原価0円の花は、
日本円で約300円から500円もする。

この花は「幸せになれる花」だという。

本当かどうかわからないけれども、ジプシーの間では
そんな伝説があって、昔から彼女たちはこの花を観光客に
売って、外貨(つまり現金)を稼いできたのだという。

こんな舞台 にもなるくらい、
ジプシーの花売りはある意味、ここの名物。

中には、強引に花を売りつける子供もいたりして
ガイドブックなどには「要注意」と書かれている
ものもある。

はっきり言ってあまり評判はよくないのであるが、
ロサは花売りの名人で、1日で何と500組も
売ったことがあるツワモノなのだった。

ロサが言うには、販売の極意はこうだ。

「強引に売ろうとしても花は売れない。
欲しいと思う場所、欲しいと思うタイミング。
欲しそうな人を見つけること」

これが全てなのだ、と。


私は唸った。確かにその通りだ。

まさか、こんなところで営業や販売について
実地で学ぶことになるとは思ってもみなかったが、
ロサはそれ以上のことは一切教えてくれなかった。

「まずやってみなさい」と言っただけで

さっさと自分の家に帰っていくのだった。

ぽつんとその場に取り残された私。

周りには、ベテランのジプシーのおばさま達。
慣れた手つきの子供が、さっさと販売準備をしている。

ふと、お土産売り場の前を見ると、
そこのお店のショーウインドウのガラスに
自分の姿がうつっているのが見えた。

その時、私は突然、致命的なことに気がついた!

どこからどう見ても、私は日本人にしか見えない!

周りは全部ジプシーたちなのに、
こんなんで大丈夫なのか!?


私の悪い予感は当たった。

初日、私は1つも花を売ることはできなかった・・・。


~続く~






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