昨日は、マーラー・シリーズ 沼尻竜典×京都市交響楽団を聴きに、びわ湖ホールに行ってきました。

びわ湖ホール芸術監督の沼尻竜典さんが京都市交響楽団を招き、マーラーの交響曲のタクトを振るシリーズの第3弾。

第1弾は、2018年9月、びわ湖ホール開館20周年を記念する演奏会で、演目は、「千人の交響曲」。大型台風の到来で公演予定日に公共交通機関が計画運休となり1日前出しで開催されるアクシデントがありました()。

第2弾は昨年8月、当初は、今回の演目が予定されていましたが、1度目の緊急事態宣言解除後、コンサート活動が手探りで再開されていた状況だったので、マーラーの全交響曲中でオケの規模が最も小さく舞台上の密を避けることを狙いに、交響曲 第4番「大いなる喜びへの讃歌」に変更となって開催されました()。

そして今回は、前回予定されていたプログラムでの開催でしたが、またも台風が到来。

このシリーズ、なにかとアクシデントが伴いましたが、今回は無事、予定通りの開催となりました。

プログラムは、交響曲 第10番~アダージョと交響曲 第1番「巨人」です。

 

びわ湖ホールがデザインされたプログラム冊子表紙

【出演】

指揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)

管弦楽:京都市交響楽団

コンサートマスター:泉原隆志

 

【プログラム】

前半

マーラー:交響曲 第10番~アダージョ

後半

マーラー:交響曲 第1番「巨人」

 第1楽章 ゆっくりと-のんびりとしたテンポで
 第2楽章 力強い動きをもって、しかし速すぎずに
 第3楽章 壮重に威厳をもって、しかし緩慢にならず

 第4楽章 嵐のような動きをもって

 

前半の第10番は「未完で遺されたため演奏機会は少ないものの、マーラー自身が完成させた第1楽章アダージョはまさに巨匠の晩年の円熟を感じさせる傑作です。」とホールHPに記載されていました。

僕は音源でも聴いたことがなかったので初見になりました。最初のヴィオラだけが奏でるところ、カチッと揃ってないように思われ、ん?という感じでした。
その後、段々、弦もパート毎にまとまってきたように思いましたが、馴染みのない暗めの曲でもあり、正直、あまり感動には至らずでしたが、演奏が終わり、沼尻さんが少し遅めに手を降ろすまで客席からフライングの拍手はおこらず、それなりに余韻を感じることは出来ました。
 
後半は、交響曲 第1番「巨人」。おそらく、マーラーの交響曲の中で、最も演奏機会が高い作品だと思います。
僕も数回聴いたことがありますし、演奏自体はかなり忘れましたが2018年11月にズービン・メータがマリス・ヤンソンスの代役として指揮をしたバイエルン放送交響楽団の公演で、病み上がりで椅子に腰かけながらも見事な演奏をしてくれたことが今も記憶に残っています()。
最も最近聴いたのは、2020年2月のヤマカズ指揮による読響大阪定期演奏会()なので、1年半ぶりになります。

 

 

「巨人」はとても良かったです!

オケの編成は、前後半とも弦5部は14-12-10-8-7。

第1楽章のトランペットのバンダの演奏が舞台袖から聴こえたりするのがやっぱり楽しかったし、沼尻さんはいつもにも増して、大きくダイナミックな指揮でオケを煽り、特に第4楽章はすごく盛り上がりました。弦も「巨人」ではビシッと揃って厚みのある演奏になりました。

そして、やっぱり金管・打楽器が派手に鳴らされる曲は楽しいなぁと実感。

第4楽章クライマックスのホルン・トロンボーン・トランペットの立奏で迫力もマシマシになりました!
 
カーテンコールで汗だくの沼尻さんが真っ先に立たせたのは、コントラバス首席の黒川さんで、その後、各パート丁寧に称えてお開きに。
 
沼尻さんは今週、N響でも「巨人」を振られると、ブロ友さんからお聞きしました。
熱い指揮でいい演奏になることを期待します。
 
会場には、音楽評論でお馴染みの京都大学・岡田暁生先生も来られていました。
この公演は、緊急事態宣言中のため、定員の50%到達で売り止めとされていましたが、直前まで販売していたので、おそらく50%弱の入りだったと思います。
おまけですが、この公演のに来られていたお客様の分散退場のマナーがすごく良かったです。
フェスティバルホールなどは、ホールの指示に従う人の方が少ないほど密になって退場されていますが、昨日のびわ湖は席に座って順番を待つ人が多くて驚きました。
 
以下、びわ湖ホールのHPに昨日の公演の様子がアップされたので、写真をお借りして貼っておきます。
 
沼尻芸術監督の渾身の指揮
「巨人」第4楽章クライマックスのホルン・トロンボーン・トランペットの立奏
やり切った感満載のカーテンコール