昨日はびわ湖ホールで沼尻竜典芸術監督指揮・京都市交響楽団のマーラー交響曲第4番の演奏を聴いてきました。

 

 

 

このコンサートは以前、ブログでも触れた()ように当初予定のマーラー 交響曲 第1番「巨人」&第10番より「アダージョ」≫から変更されたものです。変更理由は当日受け取ったプログラムにも、今回演奏された交響曲第4番がマーラーの全交響曲中でオケの規模が最も小さく、舞台上の密を避けるためとのこと。

「巨人」はもちろんいいけど、今まで、生では2017年のRCO()の来日公演でしか聴いたことがなかった4番への変更に、僕は全く不満はありませんでした。

また、沼尻さんと京響の組み合わせによるマーラーの交響曲の演奏は、2018年9月、びわ湖ホールの開館20周年記念の特別公演を大型台風の来襲に伴い、1日前出しで緊急で開催し、大きな感動を与えてもらった第8番「千人の交響曲」()以来で、楽しみにしていました。

 

下のモニターの写真のように、マーラーの交響曲の中では最も規模が小さいとは言え、弦楽器は12-12-8-6-6、管楽器はホルン・フルートが4管、トランペット・オーボエ・クラリネット・ファゴットが3管、打楽器5名にハープという70名編成のため、オペラの時にピットで使う部分にも舞台が張り出すなど前後に大きく拡げての公演となりました。

 

[出演]

 指揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)

メゾソプラノ:福原寿美枝
管弦楽:京都市交響楽団


[プログラム] 

前半:ベートーヴェン/マーラー編:弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調「セリオーソ」(弦楽合奏版)

後半:マーラー:交響曲 第4番 ト長調 「大いなる喜びへの讃歌」

 

プログラムの前半は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲「セリオーソ」のマーラーによる弦楽合奏版。

弦楽器だけでの演奏がとても心地よく美しく響きました。

やっぱり生の音はいい、しかも弦が美しい京響なだけになおさらいいと実感!

 

休憩20分を挟んで、後半はマーラーの4番。

沼尻さんの指揮は軽快で、第1楽章では、時にダンスをしているかのように思える動きも。

前半の弦だけの演奏も良かったけど、やっぱり管楽器も加わった交響曲は素晴らしい。

今回、コンマスは客演で名フィルの日比浩一さんという方が務められたけど、ソロの部分ではヴァイオリンを持ち替えたりしながら美しい音色を聴かせてもらえました。

第4楽章では、メゾソプラノの福原寿美枝さんが2階下手側バルコニー席の先端に登場。

正に天国の楽しさを歌うにふさわしく素晴らしい歌声。

福原さんは第九やレクイエムで何度か()素晴らしい歌声を聴かせてもらっているけど、今回も安定の良さでした。

2017年のRCOの時は、ソリストはオケの後方から唄っていたように思いますが、今回の2階バルコニーは客席にも近く、より鮮明に聴きとることが出来ました。

 

第4楽章の最後、静かなエンディングで、沼尻さんは10秒くらいは手を降ろしませんでした。

もっと、長く感じたけど、その間、客席からは禁止されているブラボーはもちろん、拍手もない静寂で余韻を充分に味わうことができました。

その後、ゆっくり手を降ろし客席に向かって一礼される沼尻さんとオケに、会場から大きな拍手が送られました。

コロナによって全くブラボーがないのは寂しいけど、静かに終わる曲でアホみたいなフライングブラボーが出来なくなったのは、不幸中の幸いのように思います。

 

その後、福原さんも2階バルコニーから降りて来られて、3~4回のカーテンコール。

沼尻さんは、握手やハグが出来ないので、福原さんや日比さんと肘タッチで健闘を称えあい、終演となりました。
14時開演、休憩20分を挟み、終演は16時少し前。
とてもいいコンサートでした。
 
おまけに、大ホール・ホワイエから臨む、琵琶湖の写真を2枚貼っておきます。