昨日は、ズービン・メータ指揮バイエルン放送交響楽団コンサートで兵庫芸文に行ってきました。

 

東京での公演について、既にブロ友さんも記事を書かれていますが、当初の予定は、マリス・ヤンソンスが指揮するはずでしたが、健康上の理由によって、ヤンソンスのアジアツアーが中止となり、代役をなんと、メータが務めることになったものです。

それに伴い、プログラムも、マーラーの交響曲第7番「夜の歌」から、モーツァルトの「ジュピター」とマーラーの「巨人」に変更されています。

 

メータも今年の春、イスラエルフィルとの来日が健康上の理由で中止になっていただけに本当に大丈夫なんやろか?と思っていました。

オケのチューニングが終わり、メータが杖を突き、介助を受けながら登場。2016年にウィーンフィルと来日された時も「歩みは遅いなぁ、やっぱり歳をとられたんやな」と思ってましたが、今回の登場の仕方は想像以上に悪い状態でした。

 

指揮台には、事前に設置されたスロープを使ってゆっくりと上がり、壇上には椅子が置かれ、フットレストのようなものもありました。

 

指揮なんて出来るのか?と正直思いましたが、ジュピターが始まってすぐにその不安は消えました。

もちろん、全身を使った指揮ではないし、回転椅子に座ったままですが、椅子の向きを細目に変えて、的確に指示をだすメータの姿は、やっぱり流石!オケもその指示にきっちり応じて、とても綺麗な音色でした、ジュピターでは、特に木管の響きが美しかったように思います。

 

20分の休憩後、後半の「巨人」は圧巻。素晴らしい演奏で、弦も美しく金管は突き抜けてました。

そして、今回の演奏では、僕はCDでも聴いたことがなかった第2楽章「花の章」を演奏してくれました。初めて聴きましたが、その美しさに感動!

 

今のメータの脚では、とてもカーテンコールはできないけれど、その場でアンコールもやってくれました。

 

介助を受けながら、メータが退場、オケのメンバーも順次退場する中、もう一度、メータが車椅子にのって登場。会場の喝采に応えてくれました。

 

この春から8か月に及ぶ悪性腫瘍の化学療法に取り組み完治はしたものの、82歳の高齢だけになかなか前のようになるのは厳しいかもしれませんが、まだまだ、元気でタクトを振る姿を観せてもらいたいものです。

そして来日できなかったヤンソンスも元気になって、また、このオケと来日してほしいです。

 

プログラム

モーツァルト:交響曲 第41番「ジュピター」

 第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ

 第2楽章:アンダンテ・カンタービレ

 第3楽章:メヌエット、アレグレット

 第4楽章:モルト・アレグロ

 

休憩

マーラー:交響曲 第1番「巨人」

 第1楽章:

 ゆっくり引きずって―常にとても快適に

 第2楽章:

 「花の章」アンダンテ・コン・モート

 第3楽章:力強い動きで、しかし早すぎずに

 第4楽章:厳粛かつ荘重に、ひきずらずに

 第5楽章:嵐のように動いて

 

アンコール

ドヴォルザーク:スラブ舞曲 第8番