再投稿シリーズ。人類滅亡
西暦201X年、人類は滅亡寸前であった。
荒廃した世界。
「なあ、もう地球にはおれ達以外人間がいないみたいだな」
『ああ』
「このコンビニの食糧も底を尽いたみたいだ。どうする?」
『どうもこうも…案外、今いるこっちの世界が地獄でよ、あの世じゃみんなハッピーに暮らしてたりな』
「はは、違いねえ」
『あの世じゃみんな楽しげで、難しい顔なんてしなくていいんだよ。苦虫噛みつぶしたような顔なんてしてなくて、みんなエンドレスにハッピーエンドの毎日を送ってるに違いねえ』
「ハッピーなあ」
『ハッピーだよ…………』
「お前今一番したいことってなんだよ」
『なんだよ藪から棒に、そんなこと口に出したってむなしくなるだけだろ』
「いいだろ。どうせもうすぐ死ぬんだ。最後ぐらいしたいことのひとつもしてみようじゃねえか」
『そうか…死に花を咲かすのも悪くねえな』
「なあ、何がしたい?」
『そうだなあ、一度でいいからテレフォンショッキングに出たいなあ』
「出れねえよ!、タモさんの最期を知らないわけじゃないだろ!、もう二度と出れねえよ!」
『お前が今一番したいことって言うからだろ!』
「それ今一番したいことって言うよりやってみたかったことだろ!、もっとよ、現実味のある範囲で言ってくれよ!」
『そうか、タモさんももういないしな』
「そうだよ。タモさんありきのテレフォンショッキングだろ。例えばタモさんがあんなことにならずいいとも!を引退していたとして、司会を受け継いだのがアブドーラ・ザ・ブッチャーだったとしてもテレフォンショッキングに出たいのかよ?」
『アブドーラ・ザ・ブッチャーアワーか、真っ昼間から大惨事だな』
「ゲストにフォークをぶっさす司会者なんて前代未聞だぜ」
『まあ、ブッチャーももういないしな』
「ていうかたぶんブッチャーはタモさんより年上だから司会交代の意味がなかったな、はは」
『タモさんもブッチャーももういないしな』
「タモさん引退して、ブッチャー来たと思ったらあまりの激務にすぐ辞めちゃいそうだよ。毎回タモリンピック、いやブチャリンピックで額のでろでろから流血しそうだしな」
『もういないのか』
「なんかすごいのほほんとした、漢字クイズみたいな種目でも流血しちゃうからね。ていうか、ブッチャーの衣装がリングコスチュームだしね。上半身裸だから。司会者なのに上半身裸だし、日本語あやふやだし」
『もう誰もいない、だけどお前がいる!』
「もう日増しに、日増しに曜日レギュラーの額がでろでろに…え?なに?」
『お前がいるじゃないか!』
「は!?」
『お前がおれをテレフォンショッキングに導いてくれ!』
「おれが!?、テレフォンショッキングに!?」
『後生だよ、死ぬ前にさ、どうしても一度出てみたいんだ』
「でも」
『出てみたいんだ!』
「………わかったよ。カメラもオーディエンスもいねえが、それはまあいいとして、お前はおれでいいのか?」
『構いやしないさ。そんなことよりお前はゲストがおれでいいのか?』
「歓迎するぜ」
『へへ』
「へへ」
『じゃあ頼んだぜ』
「おう。………えー本日のゲストは高橋君でーす」
『おい!』
「久しぶりだねえ」
『おい!』
「髪切った?」
『おい!とめろとめろ!』
「ああなんだよ、とめろの合図かよ。おいおい言ってるからおかしいなと思ったけど、てっきりいいとも!初出演に緊張して舞い上がってたのかと思ったよ」
『そんなアニマル浜口を彷彿とさせる舞い上がり方するわけないだろ!、なんだよ!』
「へ?」
『おれはどうしてここにいるんだ!?』
「はあ、それはお前がテレフォンショッキングに一度出てみたいと」
『違うよ!、おれはどうしてここに来たんだ!?、誰から紹介されたんだ!?』
「ああ、そうか。前回のゲストから友達の輪で来てるはずだもんな。悪かったよ。システムをすっかり忘れてた」
『だろ。頼むよ』
「うん、じゃあもう一回、えー本日のゲストは前回の………っておれ世界がこんなんになる前のお前の友達知らないから必然的におれからの紹介になっちゃうけどいいのか?」
『それはよくないな』
「よくないのかよ、さっきかなりいい感じの友情を感じていたもんだけども」
『だってよ、お前から紹介されたってことは、おれより先にお前がゲストに来てたってことだぜ?』
「そう、なるな」
『いいのかそれでお前、言うなればせっかくテレフォンショッキングに出演したのに、略されてんだぞ?、ダイジェストもいいとこだ。いいのかそんな扱いされて。もうしばらく出れないぞ』
「なるほど、そんな風に考えていてくれたのか」
『だろ?』
「となるとおれはお前の次の日に」
『ああ皆まで言うな皆まで、ただし、スケジュールはあけとけよ。へへ』
「へへ。よし、じゃあお前は誰から紹介されたことにするんだ?」
『…仲間由紀恵、かな』
「…こいつぅ」
『へへ』
「よし、では………えー本日のゲストは昨日の仲間由紀恵ちゃんからの紹介、高橋君でーす」
『うーん』
「髪切った?」
『とめろとめろ!』
「またですか」
『いきなりさあ、テレフォンショッキングでいきなりゲスト呼び込まないだろ。ほら、オーディエンスとの掛け合いがさ』
「ああ、わかった」
『頼むよ。オーディエンスはしょうがない。おれがやるよ』
「おう………えー、今日は暑いですね」
『そうですね』
「昨日は雨だったけど」
『そうですね』
「明日も晴れるそうで」
『そうですね』
「明後日も晴れるそうで」
『そうですね』
「これから一年ずっと晴れるみたいよ」
『そうですね』
「んなわきゃない。えー本日のゲスト」
『とめろとめろバカヤロー!』
「バカヤロー…」
『なんか、なんか違うんだよな』
「完璧だったろ?」
『大体、お前タモさんじゃないしな』
「おい!それを言っちゃおしまいだろ!」
『うーん、そうだ。いっそタモさんは無しで』
「タモさん無しにしちゃうの?タモさんありきのテレフォンショッキングって言ってなかった?」
『二代目いいとも司会者の方でやってみようか』
「二代目ってまさか、ブッチャー?」
『うん』
「ブッチャーでテレフォンショッキングするの!?、本気か!?」
『できないの?、後生だよ、おれ一度テレフォンショッキングに出てみたいんだよ』
「お前がそれでいいなら協力するが」
『じゃあはじめからで、よろしく』
「うーん………シュシュ(空手ポーズ)」
『そうですね』
「なにがそうなんだよ!いやブッチャーは空手ポーズで正解って意味ならちょっと嬉しいけど!」
『ちゃんとなりきれよ』
「…………シュシュシュ」
『そうですね』
「シュシュシュシュシュシュ」
『そうですね』
「シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュキェー(地獄突き)!!」
『そうですね』
「……ンナワッキャナイ」
『はははは』
「いいのかこれで…えー…トゥデイゲスト、イェスタデェイなかまゆきえ、ミスター高橋クンデース」
『どうも、はは』
「キェー(地獄突き)」
『痛い痛い。相変わらずですねブッチャーさんは』
「ハタリハタマタハタリハタマタ(ブッチャーじゃなくてシンの真似になってるけど)」
『はははは、ああ、これ今度舞台やるんですよポスター』
「ブターイ?、ヘイいいともガール!」
『あ、どうも』
「キェー!!」
『うわ問答無用で襲っちゃったよ。相変わらずですね』
「シュシュシュシュシュシュキェー!!」
『はははは、もうそのぐらいで、死んじゃいますから』
「キェー!!」
『はは、どりゃあ!!(傍らのビール瓶を手に取りブッチャーを殴る)』
「(ブッチャー流血)………ニヤリ」
『貼る人退場しちゃいましたが、ポスターお願いしますよ』
「OK(額の血を使ってポスターを貼る)」
『いやあ、ブッチャーさんの流血は便利ですねえ』
「バーバ、バーバ、イノキ、バーバ!」
『ははは』
「………………」
『………………』
「………………」
『………………とめろとめろクソヤロー!!』
「………」
『なんか話をゲストにふれよ!』
「無理だよ!」
『ああ!?』
「無理だよ!、無理なんだよ!どだい無理な話だったんだよ!、大体おれブッチャーのことあんまり知らねえし!」
「お前、だったらそれを先に言えよ!」
『ごめんね!、なんとなく言い出せなかったんだよごめんね!』
「いいよもう、おれはいいよもう。でも次の日に呼ばれる予定だった奴はどうすんだよ!」
「おれのことなら」
『次の日のゲストの宮崎あおいちゃんはどうすんだよ!!』
「おれじゃなかったのかよ!、なんだよ!」
『宮崎あおいちゃんと電話したかったのに!』
「なんだよひとりで美女に挟まれやがってよ!、それに宮崎あおいちゃんがブッチャーアワーに来て血だるまにされちゃったらどうすんだよ!!」
『もういいよ、テレフォンショッキング出演なんて所詮妄想なんだよ!』
「なんなんだよ」
『…………』
「…………」
『…お前さ、どうして世界がこんなんになったのか覚えてるか?』
「……忘れるわけないだろ。まさか、テレフォンショッキングのゲストに来たブッシュ前アメリカ大統領の友達の輪でビンラディンを紹介しちゃうとはな。あれをきっかけにアメリカの内戦が始まり、そして核戦争突入だよ」
『ああ、まさかだよな』
「まさかだよ」
『まさかスザンヌがブッシュを紹介するとはな』
「一個前に戻る必要ねえだろ!、まさかだったけど!、まさかのスザンヌからブッシュ流れだったけど!、そのあとが大変だったんだから!」
『…………』
「…………」
『…おれの次の日宮崎あおいだって言ったろ?』
「あれもまさかの裏切りだったよ」
『あれはな、お前がおれから紹介されるよりも、宮崎あおいから紹介された方が嬉しいんじゃないかって』
「え!、お前…」
『へへ、おっと、だけどお前がテレフォンショッキングに出るのは週明けの月曜日だぜ』
「待ち遠しい…おれこんなに月曜日を待ち遠しく思ったことなんて今までなかったぜ」
『月曜日まで、生き延びようぜ』
「月曜日には宮崎あおいから紹介されたおれがいるわけだな、へへ」
『へへ』
「…………なあ、おれ達に明日は来てくれるかな?」
『来てくれるとも』
人類が絶滅する四時間前の話であった。
終わり。うーん………。ブッシュが呼ばれビンラディンを紹介するって部分が、なんか、なんかおれをイライラさせる。いや、唯一よくできてる部分なんだけど、なんかなあ…鼻につくよね。電報と花の流れは端折った。
テレフォンショッキングの話になったけどこれはB案で、A案はセックスがしたいって話だった。
以上、再投稿。
前回と同じくなぜか携帯のデータフォルダに残ってた。少なくとも、おもしろくしようと努力した形跡があるな。いまのおれにはそれさえ不可能で、すぐに自虐を始めては笑えやしない。あれはやめた方がいいな。
荒廃した世界。
「なあ、もう地球にはおれ達以外人間がいないみたいだな」
『ああ』
「このコンビニの食糧も底を尽いたみたいだ。どうする?」
『どうもこうも…案外、今いるこっちの世界が地獄でよ、あの世じゃみんなハッピーに暮らしてたりな』
「はは、違いねえ」
『あの世じゃみんな楽しげで、難しい顔なんてしなくていいんだよ。苦虫噛みつぶしたような顔なんてしてなくて、みんなエンドレスにハッピーエンドの毎日を送ってるに違いねえ』
「ハッピーなあ」
『ハッピーだよ…………』
「お前今一番したいことってなんだよ」
『なんだよ藪から棒に、そんなこと口に出したってむなしくなるだけだろ』
「いいだろ。どうせもうすぐ死ぬんだ。最後ぐらいしたいことのひとつもしてみようじゃねえか」
『そうか…死に花を咲かすのも悪くねえな』
「なあ、何がしたい?」
『そうだなあ、一度でいいからテレフォンショッキングに出たいなあ』
「出れねえよ!、タモさんの最期を知らないわけじゃないだろ!、もう二度と出れねえよ!」
『お前が今一番したいことって言うからだろ!』
「それ今一番したいことって言うよりやってみたかったことだろ!、もっとよ、現実味のある範囲で言ってくれよ!」
『そうか、タモさんももういないしな』
「そうだよ。タモさんありきのテレフォンショッキングだろ。例えばタモさんがあんなことにならずいいとも!を引退していたとして、司会を受け継いだのがアブドーラ・ザ・ブッチャーだったとしてもテレフォンショッキングに出たいのかよ?」
『アブドーラ・ザ・ブッチャーアワーか、真っ昼間から大惨事だな』
「ゲストにフォークをぶっさす司会者なんて前代未聞だぜ」
『まあ、ブッチャーももういないしな』
「ていうかたぶんブッチャーはタモさんより年上だから司会交代の意味がなかったな、はは」
『タモさんもブッチャーももういないしな』
「タモさん引退して、ブッチャー来たと思ったらあまりの激務にすぐ辞めちゃいそうだよ。毎回タモリンピック、いやブチャリンピックで額のでろでろから流血しそうだしな」
『もういないのか』
「なんかすごいのほほんとした、漢字クイズみたいな種目でも流血しちゃうからね。ていうか、ブッチャーの衣装がリングコスチュームだしね。上半身裸だから。司会者なのに上半身裸だし、日本語あやふやだし」
『もう誰もいない、だけどお前がいる!』
「もう日増しに、日増しに曜日レギュラーの額がでろでろに…え?なに?」
『お前がいるじゃないか!』
「は!?」
『お前がおれをテレフォンショッキングに導いてくれ!』
「おれが!?、テレフォンショッキングに!?」
『後生だよ、死ぬ前にさ、どうしても一度出てみたいんだ』
「でも」
『出てみたいんだ!』
「………わかったよ。カメラもオーディエンスもいねえが、それはまあいいとして、お前はおれでいいのか?」
『構いやしないさ。そんなことよりお前はゲストがおれでいいのか?』
「歓迎するぜ」
『へへ』
「へへ」
『じゃあ頼んだぜ』
「おう。………えー本日のゲストは高橋君でーす」
『おい!』
「久しぶりだねえ」
『おい!』
「髪切った?」
『おい!とめろとめろ!』
「ああなんだよ、とめろの合図かよ。おいおい言ってるからおかしいなと思ったけど、てっきりいいとも!初出演に緊張して舞い上がってたのかと思ったよ」
『そんなアニマル浜口を彷彿とさせる舞い上がり方するわけないだろ!、なんだよ!』
「へ?」
『おれはどうしてここにいるんだ!?』
「はあ、それはお前がテレフォンショッキングに一度出てみたいと」
『違うよ!、おれはどうしてここに来たんだ!?、誰から紹介されたんだ!?』
「ああ、そうか。前回のゲストから友達の輪で来てるはずだもんな。悪かったよ。システムをすっかり忘れてた」
『だろ。頼むよ』
「うん、じゃあもう一回、えー本日のゲストは前回の………っておれ世界がこんなんになる前のお前の友達知らないから必然的におれからの紹介になっちゃうけどいいのか?」
『それはよくないな』
「よくないのかよ、さっきかなりいい感じの友情を感じていたもんだけども」
『だってよ、お前から紹介されたってことは、おれより先にお前がゲストに来てたってことだぜ?』
「そう、なるな」
『いいのかそれでお前、言うなればせっかくテレフォンショッキングに出演したのに、略されてんだぞ?、ダイジェストもいいとこだ。いいのかそんな扱いされて。もうしばらく出れないぞ』
「なるほど、そんな風に考えていてくれたのか」
『だろ?』
「となるとおれはお前の次の日に」
『ああ皆まで言うな皆まで、ただし、スケジュールはあけとけよ。へへ』
「へへ。よし、じゃあお前は誰から紹介されたことにするんだ?」
『…仲間由紀恵、かな』
「…こいつぅ」
『へへ』
「よし、では………えー本日のゲストは昨日の仲間由紀恵ちゃんからの紹介、高橋君でーす」
『うーん』
「髪切った?」
『とめろとめろ!』
「またですか」
『いきなりさあ、テレフォンショッキングでいきなりゲスト呼び込まないだろ。ほら、オーディエンスとの掛け合いがさ』
「ああ、わかった」
『頼むよ。オーディエンスはしょうがない。おれがやるよ』
「おう………えー、今日は暑いですね」
『そうですね』
「昨日は雨だったけど」
『そうですね』
「明日も晴れるそうで」
『そうですね』
「明後日も晴れるそうで」
『そうですね』
「これから一年ずっと晴れるみたいよ」
『そうですね』
「んなわきゃない。えー本日のゲスト」
『とめろとめろバカヤロー!』
「バカヤロー…」
『なんか、なんか違うんだよな』
「完璧だったろ?」
『大体、お前タモさんじゃないしな』
「おい!それを言っちゃおしまいだろ!」
『うーん、そうだ。いっそタモさんは無しで』
「タモさん無しにしちゃうの?タモさんありきのテレフォンショッキングって言ってなかった?」
『二代目いいとも司会者の方でやってみようか』
「二代目ってまさか、ブッチャー?」
『うん』
「ブッチャーでテレフォンショッキングするの!?、本気か!?」
『できないの?、後生だよ、おれ一度テレフォンショッキングに出てみたいんだよ』
「お前がそれでいいなら協力するが」
『じゃあはじめからで、よろしく』
「うーん………シュシュ(空手ポーズ)」
『そうですね』
「なにがそうなんだよ!いやブッチャーは空手ポーズで正解って意味ならちょっと嬉しいけど!」
『ちゃんとなりきれよ』
「…………シュシュシュ」
『そうですね』
「シュシュシュシュシュシュ」
『そうですね』
「シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュキェー(地獄突き)!!」
『そうですね』
「……ンナワッキャナイ」
『はははは』
「いいのかこれで…えー…トゥデイゲスト、イェスタデェイなかまゆきえ、ミスター高橋クンデース」
『どうも、はは』
「キェー(地獄突き)」
『痛い痛い。相変わらずですねブッチャーさんは』
「ハタリハタマタハタリハタマタ(ブッチャーじゃなくてシンの真似になってるけど)」
『はははは、ああ、これ今度舞台やるんですよポスター』
「ブターイ?、ヘイいいともガール!」
『あ、どうも』
「キェー!!」
『うわ問答無用で襲っちゃったよ。相変わらずですね』
「シュシュシュシュシュシュキェー!!」
『はははは、もうそのぐらいで、死んじゃいますから』
「キェー!!」
『はは、どりゃあ!!(傍らのビール瓶を手に取りブッチャーを殴る)』
「(ブッチャー流血)………ニヤリ」
『貼る人退場しちゃいましたが、ポスターお願いしますよ』
「OK(額の血を使ってポスターを貼る)」
『いやあ、ブッチャーさんの流血は便利ですねえ』
「バーバ、バーバ、イノキ、バーバ!」
『ははは』
「………………」
『………………』
「………………」
『………………とめろとめろクソヤロー!!』
「………」
『なんか話をゲストにふれよ!』
「無理だよ!」
『ああ!?』
「無理だよ!、無理なんだよ!どだい無理な話だったんだよ!、大体おれブッチャーのことあんまり知らねえし!」
「お前、だったらそれを先に言えよ!」
『ごめんね!、なんとなく言い出せなかったんだよごめんね!』
「いいよもう、おれはいいよもう。でも次の日に呼ばれる予定だった奴はどうすんだよ!」
「おれのことなら」
『次の日のゲストの宮崎あおいちゃんはどうすんだよ!!』
「おれじゃなかったのかよ!、なんだよ!」
『宮崎あおいちゃんと電話したかったのに!』
「なんだよひとりで美女に挟まれやがってよ!、それに宮崎あおいちゃんがブッチャーアワーに来て血だるまにされちゃったらどうすんだよ!!」
『もういいよ、テレフォンショッキング出演なんて所詮妄想なんだよ!』
「なんなんだよ」
『…………』
「…………」
『…お前さ、どうして世界がこんなんになったのか覚えてるか?』
「……忘れるわけないだろ。まさか、テレフォンショッキングのゲストに来たブッシュ前アメリカ大統領の友達の輪でビンラディンを紹介しちゃうとはな。あれをきっかけにアメリカの内戦が始まり、そして核戦争突入だよ」
『ああ、まさかだよな』
「まさかだよ」
『まさかスザンヌがブッシュを紹介するとはな』
「一個前に戻る必要ねえだろ!、まさかだったけど!、まさかのスザンヌからブッシュ流れだったけど!、そのあとが大変だったんだから!」
『…………』
「…………」
『…おれの次の日宮崎あおいだって言ったろ?』
「あれもまさかの裏切りだったよ」
『あれはな、お前がおれから紹介されるよりも、宮崎あおいから紹介された方が嬉しいんじゃないかって』
「え!、お前…」
『へへ、おっと、だけどお前がテレフォンショッキングに出るのは週明けの月曜日だぜ』
「待ち遠しい…おれこんなに月曜日を待ち遠しく思ったことなんて今までなかったぜ」
『月曜日まで、生き延びようぜ』
「月曜日には宮崎あおいから紹介されたおれがいるわけだな、へへ」
『へへ』
「…………なあ、おれ達に明日は来てくれるかな?」
『来てくれるとも』
人類が絶滅する四時間前の話であった。
終わり。うーん………。ブッシュが呼ばれビンラディンを紹介するって部分が、なんか、なんかおれをイライラさせる。いや、唯一よくできてる部分なんだけど、なんかなあ…鼻につくよね。電報と花の流れは端折った。
テレフォンショッキングの話になったけどこれはB案で、A案はセックスがしたいって話だった。
以上、再投稿。
前回と同じくなぜか携帯のデータフォルダに残ってた。少なくとも、おもしろくしようと努力した形跡があるな。いまのおれにはそれさえ不可能で、すぐに自虐を始めては笑えやしない。あれはやめた方がいいな。
再投稿シリーズ。おりこみずみ
『デフレだそうで』
「デフレね。大変だよ」
『デフレ宣言しちゃってさ。今年のお歳暮はコーヒー一色ですか』
「それはネスレだろ。しかもコーヒーっつうならネスカフェだ」
『僕の友人にもデフレが何人かいますよ』
「それはデブフレンド略してデフレだろ」
『そんなことより』
「そんなことより!?」
『どうしてお前はおれの言いたいことがわかるの?』
「え?ツッコミのこと?」
『あんたわたしのなんなのさ』
「横浜銀蝿か!」
『ほらまた』
「いや、そりゃまあな」
『なんなの?魔法使いなの?』
「魔法使いってお前」
『魔女なの?』
「仮におれが魔法使いだったとしても魔女ではないだろ!、どう見ても男だろ!」
『“20代の男に見える魔女”か』
「あの番組みたいな言い方すんな!、20代の男に見えるっておれは20代の男なんだよ」
『息子と歩いていると兄弟に間違えられる魔女』
「どっちかっつうとビューティーコロシアム用の人なんじゃないかそれは!、依頼人だろ!、よくいるのは、娘と姉妹に間違えられる魔女な!」
『ああ、二才しか違わないんですよ、ってな』
「それただの年齢的に複雑な家庭だろ!年の差婚か!年が近くて、それで姉妹に間違えられるならそりゃたまたまソックリさんなだけだろ!」
『もうあの番組は行き着くところまで行って欲しいね』
「行き着くところ?」
『なんかさ、“近所の子供に魔女呼ばわりされる魔女”とか』
「だからお前はビューティーコロシアムと混同してんだよ!」
『“歳よりほんのちょっと若く見える魔女”とかな』
「驚きに値しねえだろそれ!、魔女の安売りだな!」
『番組のデフレ化ってことですか。うわっ、おれこういう展開一番嫌いなんだよ。したり顔でうまいこと言ったみたいな。うわあ』
「寒気がするか、そうか」
『そういや、こないだテレビをザッピングしてたらエンタの神様をちらほら見かけましてね』
「見かけましてねっつうか、うん」
『変な奴が変なことしてるんですよ』
「まあ、変な奴が変なことする番組だからな」
『あれをちらりとみちゃった時、あの時は今以上に寒気がしましたね』
「……はい」
『色々おかしいとこあるけど、一番気色悪いのは、“間”がね、やらされてるかどうか知らねえが出ているやつのセリフの間が、気持ち悪いんだよ。既製品なんだよ。なんだよあれ。寒気してくんだよ』
「結構がっつり観たんじゃねえか」
『よくあんなつまらないのテレビでやるよな』
「お前には言う資格ないんじゃないか?、まあそんなことよりデフレの話だろ」
『ああ、デフレは厳しいね。取り巻く環境がさ。特に彼が東京マラソンで死にかけて以来』
「それデブタレントだから!デブタレント略してデブレだから!って同じ話に二度もデブを絡ませてくんな!。大体お前、デフレデフレってデフレの意味知ってるのか?」
『見くびるなよな。知ってるよ』
「そうか」
『ジーンズの低価格競争も、あれデフレの一端だろ?』
「ああ、うん」
『なんてったって安いからね』
「690円だっけ」
『でも既製品だからよ。サイズが少ねえんだよ』
「サイズ?」
『デフレってのはその安いジーンズを穿くためにデブがダイエットに励むって傾向だろ?』
「どんだけ安いジーンズ穿きたいんだよ!、それただのダイエットだろ!」
『いやいや、デブがダイエットし始めると物を食べなくなって消費が落ち込むだろ?、そのせいで経済の代謝が悪くなるし食糧自給率も下がるんだよ』
「なんだその屁理屈は」
『基礎代謝は上がるのにね』
「なんだそのNHKみたいなあたりさわりない話のオチは!」
『一億総デブ化が今のデフレを脱却する鍵だね。ジーンズも買い換えなきゃならなくなるしさ。デブを維持する為には否が応でも消費しなくちゃならない』
「この健康社会の御時世に真っ向から対立する意見だな」
『健康、ヘルシーヘルシー社会でよ。そんなだから消費が落ち込むんだよ。清貧のイメージあるだろ、健康って。一億総清貧だよ。それが今や清くいられねえレベルだよ。痩せちゃってよ。メタボだからって金持ってる奴がダイエットしちゃって。そりゃ消費も落ち込むわ。肉食え肉。とにかく肉を食え。遊んでるひまがあるなら肉を食え』
「いや、消費を促すんなら遊べよ。なんかそれだと食肉業界意外の業界が全滅しそうだ」
『コンビニ行くのにタクシー使えよ』
「そんな、まともに歩けないぐらい太るのかよ。ただ現状太るための金がないって話だけどな」
『だからまずは金持ってるジジババにうまいもんをたらふく奢らせんだよ。かわいい孫とか使って』
「ジジババから太らせるのか。命に関わるぞ」
『幸せのうちに早く死んでもらうんだよ』
「結婚詐欺みたいな話だな」
『いや、そこは魔女は子供を太らせてから食うって言ってもらいたかった』
「やってる最中にダメ出しすんなよ」
『だってさあ』
「ああもう、それに孫っつってもその孫が少子化でいねえんだよ」
『中出しすりゃ子供ができちゃうってエロ本で教わらなかったのかな?』
「そんなことじゃねえよ。エロ本でってお前」
『セックスすりゃいいだろ』
「だから、若い世代に子供を育てる余裕がねえんだよ」
『だったら養育費を国が支給すりゃいいだろ』
「それで、お前それで大問題発生中なんだよ!」
『あ、金払ってセックスすりゃいいんだ』
「風俗か援交だろそれ!」
『国営トルコ風呂だな』
「リキパレスかよ!、大体風俗店で子供作っちゃったら、もう大変だろ!」
『いや、国営マンガ喫茶かよと、普通はそう言うだろ。リキパレスってお前』
「お前がトルコ風呂だなんて古い言い方するからついリキが優先されちゃったんだよ!」
『少子化対策少子化対策言うけどよ、じゃあ実際にコウノトリの保護に力いれてんのかって話だよ』
「子供かお前は」
『もしくはキャベツ農家に』
「子供かお前はって。お前エロ本で学んだんじゃなかったのかよ」
『少子化対策だっつってラブホテルの一軒も建てない。そんな少子化対策がありますか?』
「誰も行かねえだろそんなラブホテル」
『あいつらみんな処女ですか?』
「違うよ!」
『本気でコウノトリが』
「知らないわけないだろ子づくりを!」
『だったらなんでラブホテルを建てない!』
「無駄になること目に見えてるだろ!、ラブホテルに行ってまで品行方正なセックスしたくねえよ!」
『正常位だけが許されているというね。それ以外でやってると受付のおばちゃんが入ってきてさ、あんたら今バックしてたでしょ!って』
「監視されてんのかよ。ダメだろ。ますます誰も行かねえよ」
『なんならスワッピングパーティー会場にしちゃえば』
「誰の子かわからなくなるだろ」
『あなたとは違うんですあなたとは』
「そうなっちゃうだろ!」
『あなたとは違うんです。今挿さってるのはあなたとは違うんです』
「どこに挿してんだそいつ!」
『これを膣内不一致という』
「うるせえ!閣内不一致な!」
『イン核内不一致』
「黙れ!」
『とっかえひっかえに性交権交代』
「政権交代だろ!」
『ぞうさんぞうさんお鼻が長いのね、そうね父さんとは違うのよ、って言ったの誰だっけ?』
「知らねえよ!」
『政権交代して風通しの良い政治だっつっても海綿下では何が』
「水面下な!」
『でも、結構備品は揃ってるんだぜ?』
「コンドームはなさそうだけどな」
『辻○印のバイブとか』
「使うたびにいちいち辻○の顔思い出しちゃうだろ!萎えちゃうよ!」
『ぶってぶってシールとか』
「どこに貼るんだよ!」
『あ、姫の退治されちゃうシールに』
「いちいちネーミングを言い直さなくていいんだよ!」
『実はコンドームも置いているんですよ』
「あ、そうなの?」
『ええ、でもそのコンドームは“仕分けされてない”んです』
「は?」
『お後がよろしいようで』
「いや、わざわざ“”使ったけど意味がまったくわからないんだけど」
『さようなら』
「ていうかデフレの話はどこ行った!?」
終わり。バラバラ(笑)。浅っ(笑)。途中から、話が結局もとに戻るというデフレスパイラルならぬデブでスパイラル(さっきからデブでスパイラルしてるよ!、終わり)みたいなことをしようと思ったけど、いつの間にか忘れてた(笑)。力及ばず(笑)。
れんほうにおれの自慰行為を事業仕分けされてえ(嘘)。明らかに無駄なもんを仕分けするのに文句はないが国の自慰行為的事業まで削減ありきのガイドラインにそって仕分けするのはいかがなものか(なにそれ)。自慰行為を止められ性交のみを強制される性生活などっておれは一体何がしたいんだ(いま、僕の血液はほんのり栗の花の匂いがします)。
以上、再投稿。
去年の11月に投稿。無知(わら)。なんか知らないけど携帯のメールボックスじゃなくてデータフォルダに残ってたから再投稿してみた。なぜそのように残されていたかはおれも知らない。たぶんなんらかの手違い。ただそれだけのことで、今回再投稿に至った。
「デフレね。大変だよ」
『デフレ宣言しちゃってさ。今年のお歳暮はコーヒー一色ですか』
「それはネスレだろ。しかもコーヒーっつうならネスカフェだ」
『僕の友人にもデフレが何人かいますよ』
「それはデブフレンド略してデフレだろ」
『そんなことより』
「そんなことより!?」
『どうしてお前はおれの言いたいことがわかるの?』
「え?ツッコミのこと?」
『あんたわたしのなんなのさ』
「横浜銀蝿か!」
『ほらまた』
「いや、そりゃまあな」
『なんなの?魔法使いなの?』
「魔法使いってお前」
『魔女なの?』
「仮におれが魔法使いだったとしても魔女ではないだろ!、どう見ても男だろ!」
『“20代の男に見える魔女”か』
「あの番組みたいな言い方すんな!、20代の男に見えるっておれは20代の男なんだよ」
『息子と歩いていると兄弟に間違えられる魔女』
「どっちかっつうとビューティーコロシアム用の人なんじゃないかそれは!、依頼人だろ!、よくいるのは、娘と姉妹に間違えられる魔女な!」
『ああ、二才しか違わないんですよ、ってな』
「それただの年齢的に複雑な家庭だろ!年の差婚か!年が近くて、それで姉妹に間違えられるならそりゃたまたまソックリさんなだけだろ!」
『もうあの番組は行き着くところまで行って欲しいね』
「行き着くところ?」
『なんかさ、“近所の子供に魔女呼ばわりされる魔女”とか』
「だからお前はビューティーコロシアムと混同してんだよ!」
『“歳よりほんのちょっと若く見える魔女”とかな』
「驚きに値しねえだろそれ!、魔女の安売りだな!」
『番組のデフレ化ってことですか。うわっ、おれこういう展開一番嫌いなんだよ。したり顔でうまいこと言ったみたいな。うわあ』
「寒気がするか、そうか」
『そういや、こないだテレビをザッピングしてたらエンタの神様をちらほら見かけましてね』
「見かけましてねっつうか、うん」
『変な奴が変なことしてるんですよ』
「まあ、変な奴が変なことする番組だからな」
『あれをちらりとみちゃった時、あの時は今以上に寒気がしましたね』
「……はい」
『色々おかしいとこあるけど、一番気色悪いのは、“間”がね、やらされてるかどうか知らねえが出ているやつのセリフの間が、気持ち悪いんだよ。既製品なんだよ。なんだよあれ。寒気してくんだよ』
「結構がっつり観たんじゃねえか」
『よくあんなつまらないのテレビでやるよな』
「お前には言う資格ないんじゃないか?、まあそんなことよりデフレの話だろ」
『ああ、デフレは厳しいね。取り巻く環境がさ。特に彼が東京マラソンで死にかけて以来』
「それデブタレントだから!デブタレント略してデブレだから!って同じ話に二度もデブを絡ませてくんな!。大体お前、デフレデフレってデフレの意味知ってるのか?」
『見くびるなよな。知ってるよ』
「そうか」
『ジーンズの低価格競争も、あれデフレの一端だろ?』
「ああ、うん」
『なんてったって安いからね』
「690円だっけ」
『でも既製品だからよ。サイズが少ねえんだよ』
「サイズ?」
『デフレってのはその安いジーンズを穿くためにデブがダイエットに励むって傾向だろ?』
「どんだけ安いジーンズ穿きたいんだよ!、それただのダイエットだろ!」
『いやいや、デブがダイエットし始めると物を食べなくなって消費が落ち込むだろ?、そのせいで経済の代謝が悪くなるし食糧自給率も下がるんだよ』
「なんだその屁理屈は」
『基礎代謝は上がるのにね』
「なんだそのNHKみたいなあたりさわりない話のオチは!」
『一億総デブ化が今のデフレを脱却する鍵だね。ジーンズも買い換えなきゃならなくなるしさ。デブを維持する為には否が応でも消費しなくちゃならない』
「この健康社会の御時世に真っ向から対立する意見だな」
『健康、ヘルシーヘルシー社会でよ。そんなだから消費が落ち込むんだよ。清貧のイメージあるだろ、健康って。一億総清貧だよ。それが今や清くいられねえレベルだよ。痩せちゃってよ。メタボだからって金持ってる奴がダイエットしちゃって。そりゃ消費も落ち込むわ。肉食え肉。とにかく肉を食え。遊んでるひまがあるなら肉を食え』
「いや、消費を促すんなら遊べよ。なんかそれだと食肉業界意外の業界が全滅しそうだ」
『コンビニ行くのにタクシー使えよ』
「そんな、まともに歩けないぐらい太るのかよ。ただ現状太るための金がないって話だけどな」
『だからまずは金持ってるジジババにうまいもんをたらふく奢らせんだよ。かわいい孫とか使って』
「ジジババから太らせるのか。命に関わるぞ」
『幸せのうちに早く死んでもらうんだよ』
「結婚詐欺みたいな話だな」
『いや、そこは魔女は子供を太らせてから食うって言ってもらいたかった』
「やってる最中にダメ出しすんなよ」
『だってさあ』
「ああもう、それに孫っつってもその孫が少子化でいねえんだよ」
『中出しすりゃ子供ができちゃうってエロ本で教わらなかったのかな?』
「そんなことじゃねえよ。エロ本でってお前」
『セックスすりゃいいだろ』
「だから、若い世代に子供を育てる余裕がねえんだよ」
『だったら養育費を国が支給すりゃいいだろ』
「それで、お前それで大問題発生中なんだよ!」
『あ、金払ってセックスすりゃいいんだ』
「風俗か援交だろそれ!」
『国営トルコ風呂だな』
「リキパレスかよ!、大体風俗店で子供作っちゃったら、もう大変だろ!」
『いや、国営マンガ喫茶かよと、普通はそう言うだろ。リキパレスってお前』
「お前がトルコ風呂だなんて古い言い方するからついリキが優先されちゃったんだよ!」
『少子化対策少子化対策言うけどよ、じゃあ実際にコウノトリの保護に力いれてんのかって話だよ』
「子供かお前は」
『もしくはキャベツ農家に』
「子供かお前はって。お前エロ本で学んだんじゃなかったのかよ」
『少子化対策だっつってラブホテルの一軒も建てない。そんな少子化対策がありますか?』
「誰も行かねえだろそんなラブホテル」
『あいつらみんな処女ですか?』
「違うよ!」
『本気でコウノトリが』
「知らないわけないだろ子づくりを!」
『だったらなんでラブホテルを建てない!』
「無駄になること目に見えてるだろ!、ラブホテルに行ってまで品行方正なセックスしたくねえよ!」
『正常位だけが許されているというね。それ以外でやってると受付のおばちゃんが入ってきてさ、あんたら今バックしてたでしょ!って』
「監視されてんのかよ。ダメだろ。ますます誰も行かねえよ」
『なんならスワッピングパーティー会場にしちゃえば』
「誰の子かわからなくなるだろ」
『あなたとは違うんですあなたとは』
「そうなっちゃうだろ!」
『あなたとは違うんです。今挿さってるのはあなたとは違うんです』
「どこに挿してんだそいつ!」
『これを膣内不一致という』
「うるせえ!閣内不一致な!」
『イン核内不一致』
「黙れ!」
『とっかえひっかえに性交権交代』
「政権交代だろ!」
『ぞうさんぞうさんお鼻が長いのね、そうね父さんとは違うのよ、って言ったの誰だっけ?』
「知らねえよ!」
『政権交代して風通しの良い政治だっつっても海綿下では何が』
「水面下な!」
『でも、結構備品は揃ってるんだぜ?』
「コンドームはなさそうだけどな」
『辻○印のバイブとか』
「使うたびにいちいち辻○の顔思い出しちゃうだろ!萎えちゃうよ!」
『ぶってぶってシールとか』
「どこに貼るんだよ!」
『あ、姫の退治されちゃうシールに』
「いちいちネーミングを言い直さなくていいんだよ!」
『実はコンドームも置いているんですよ』
「あ、そうなの?」
『ええ、でもそのコンドームは“仕分けされてない”んです』
「は?」
『お後がよろしいようで』
「いや、わざわざ“”使ったけど意味がまったくわからないんだけど」
『さようなら』
「ていうかデフレの話はどこ行った!?」
終わり。バラバラ(笑)。浅っ(笑)。途中から、話が結局もとに戻るというデフレスパイラルならぬデブでスパイラル(さっきからデブでスパイラルしてるよ!、終わり)みたいなことをしようと思ったけど、いつの間にか忘れてた(笑)。力及ばず(笑)。
れんほうにおれの自慰行為を事業仕分けされてえ(嘘)。明らかに無駄なもんを仕分けするのに文句はないが国の自慰行為的事業まで削減ありきのガイドラインにそって仕分けするのはいかがなものか(なにそれ)。自慰行為を止められ性交のみを強制される性生活などっておれは一体何がしたいんだ(いま、僕の血液はほんのり栗の花の匂いがします)。
以上、再投稿。
去年の11月に投稿。無知(わら)。なんか知らないけど携帯のメールボックスじゃなくてデータフォルダに残ってたから再投稿してみた。なぜそのように残されていたかはおれも知らない。たぶんなんらかの手違い。ただそれだけのことで、今回再投稿に至った。
ほんとに書いた恐ろしい話。
「とりあえず中生、あ、つきだしはいらない。つきだしはいらないけど店からつきださないでよね」
いかがわしい場所に入り席に着くと同時に、席まで案内した男、風変わりな衣装をまとった男に向かい、おれたちはまるでトリップしたジャンキーのように意味不明の言葉を、知らず知らずのうちにつぶやいていた。特に後半の、ツキダシハイラナイケドミセカラツキダサナイデヨネ。これは何かの呪文に違いない。おそらくは、悪魔的なモノたちが集う“ミサ”に関連した合い言葉のようなものだろう。その証拠に、すぐさまおれたちの席に、みな同じ風変わりな衣装をまとった男たちの手により、とても臭く、それでいて黄色い液体が運ばれてきた。
どうやら飲み干せということらしい。通過儀礼というやつか。
………………。
当初の目的通り、ビールをあおり、軟骨の唐揚げなどをポリポリしながら、おれたちは駄話、もとい作戦を練った。
「見つかるわけねえじゃん」
「見つかるわけねえな」
「もっとよお、げっぷ、確実なもんを狙いにいこうぜ」
「確実なもん?」
「赤マントとか」
「マントしてる奴はこの町にいないな」
「てけてけとか」
「近くに踏切がないからな」
「のっぺらぼうとか」
「あいつらストーカーだからやだよ」
「なんならもう頭だけのっぺらぼうでもいい」
「それただのつるぴか、いや、職業坊主の可能性高いだろそいつ。寺多いからなこの辺」
「悪徳坊主と一戦交える時がきたか。ワクワクするな。あいつらやっぱり墓石落としが必殺技なのかな」
「鶴みたいに痩せた老人にかけられるツームストンパイルドライバーほど嫌なものはないな」
「宗派によって技の入り方が微妙に違うんだよね。あっちはこう、うちはこう、やっぱり、ええじゃないかは魅せるよね。ピープルズエルボーみたいに」
「ああ、この試合きめてもええかな?。ええじゃないー。のコールアンドレスポンスとともに」
あまりにひどいので割愛する。
作戦会議は喧々囂々の議論に終始し、居酒屋をあとにした我々を待っていたのは、漆黒の闇夜だった。
同僚の家に向かう途中、おれたちは赤いワンピースを着て長い黒髪のカツラを被った妙に変態的な雰囲気の若い男と意気投合し、三人で桃鉄しながら家飲みをしようと決めた。妙におどおどとした態度の男だったが、口裂けハンター必殺隊に快く志願してくれたことを思い出す。おれたちはフラフラと夜の下町を仲良く歩いていた。
そのあとだ。新たなメンバーを加えたおれたち口裂けハンター必殺隊が新たな事件と遭遇したのは。
「見つかんねえな口裂け女」
おれがあてどない捜索に苛立ちを隠せないでいると、
「いやあの」
新メンバーが何かをいいかけた時、
「キャー」
と、甲高い女性の悲鳴が漆黒の闇夜にこだました。
異変を察知し、すぐさま戦闘態勢をとるおれ。
そんなおれにうんざりしたような顔をした同僚が、うんざりした顔で事情を説明しだした。
「あそこに廃屋あるだろ。単なる夜逃げあとの廃屋なんだが、たまにあそこを心霊スポットとしてやってくる若い奴らがいる。もう何年も放置されててな。心霊よりも耐久性に問題があると地元民は認識している。若者にも取り壊されないことにも迷惑している」
同僚が指をさした廃屋は、違法増築を繰り返したかのように統一感のない外観で、外観からは内部がどうなっているか検討がつかない。そしてなにより同僚の言うとおり、見た目は完全に朽ちかけていた。
女性の悲鳴のあと、廃屋の中から数人の男の笑い声が聞こえてきた。
よし、全てを理解したおれは早速新メンバーにちょっと口裂け女のフリをして怖がらせてこいとひそひそ声で隊長として命令した。なぜなら奇しくも新メンバーはたまたま口裂け女に近い容姿をしていたからだ。なぜそんなことをするのか。男子校出身のおれに、男女仲良く過ごす青春の1ページなど許せるわけもなかった。前戯許すまじ。野外における非接触タイプの前戯許すまじ。
「あの、まあ、それでいいなら」
何がそれでいいのかわからないが、“合図”を決めると新メンバーは若者がたむろする廃屋へと忍び足で入っていった。
新メンバーを向かわせて、残った創設メンバーは何をしていたか。おれたちにはやることがあった。
廃屋の横に停めてあった若者たちのものと思しき数台の自転車を、廃屋の前にある墓場に持っていくという極めて重要な作業である。前戯許すまじ。
せっせと自転車を音もたてずに運ぶおれ。その作業を見守りつつ、同僚は静かに警察へと通報。不法侵入と不審者のあわせて一本だ。一瞬、おれを自転車泥棒の罪で通報しているのではないかと疑ったものだが、単なる邪推に終わったことを先に報告しておく。
ここで作戦のミソとなるのは、自転車を一台残すこと。若者らが逃げ出しにかかった時に混乱させることが目的だ。
おれは、警察は決して怠惰ではないことを知っていた。作業を早く終わらせなければ、“合図”を早くしなければ、おれが捕まったりする。
自転車の移動を終えたおれはすぐに合図にかかった。
「バヤリースの海に沈みやがれ!」
叫んだおれ。廃屋からは様々な声とドタバタと数人の足音。
一目散に別々の方向へ逃げるおれと同僚。
…………。
そのあと、彼氏彼女らに何が起こったかは知らない。同僚は自転車に乗った警官とすれ違ったらしいが。
しばらくして近所の公園に集合し、空が白けるまで鉄棒などをして遊んだ。
疲れた体を休める必要性を感じたおれたちが同僚の家にもどると、
我々はそこでほんとに恐ろしい事態を目撃することになった。
「赤鬼が…優勝してるだと!?」
恐ろしい……………こんな、殺意が湧いてくるような長文を書いた、それこそが恐怖。
一、導入部の仕事の説明が無駄に長いくせに、前フリではない。
一、抑揚がまるでない。
一、オチがひどい。
一、つまらない会話内容。
一、話に一貫性がない。
一、せめて若者たちのリアクションは欲しいとこ。
一、無駄に長い。
一、それでいて内容が無い。
一、作者が何をしたいのかわからない。
一、おれにもわからない。
さあ、みんなはこれを反面教師にして、楽しいブログライフを送るんだ!。約束だぜ!
いかがわしい場所に入り席に着くと同時に、席まで案内した男、風変わりな衣装をまとった男に向かい、おれたちはまるでトリップしたジャンキーのように意味不明の言葉を、知らず知らずのうちにつぶやいていた。特に後半の、ツキダシハイラナイケドミセカラツキダサナイデヨネ。これは何かの呪文に違いない。おそらくは、悪魔的なモノたちが集う“ミサ”に関連した合い言葉のようなものだろう。その証拠に、すぐさまおれたちの席に、みな同じ風変わりな衣装をまとった男たちの手により、とても臭く、それでいて黄色い液体が運ばれてきた。
どうやら飲み干せということらしい。通過儀礼というやつか。
………………。
当初の目的通り、ビールをあおり、軟骨の唐揚げなどをポリポリしながら、おれたちは駄話、もとい作戦を練った。
「見つかるわけねえじゃん」
「見つかるわけねえな」
「もっとよお、げっぷ、確実なもんを狙いにいこうぜ」
「確実なもん?」
「赤マントとか」
「マントしてる奴はこの町にいないな」
「てけてけとか」
「近くに踏切がないからな」
「のっぺらぼうとか」
「あいつらストーカーだからやだよ」
「なんならもう頭だけのっぺらぼうでもいい」
「それただのつるぴか、いや、職業坊主の可能性高いだろそいつ。寺多いからなこの辺」
「悪徳坊主と一戦交える時がきたか。ワクワクするな。あいつらやっぱり墓石落としが必殺技なのかな」
「鶴みたいに痩せた老人にかけられるツームストンパイルドライバーほど嫌なものはないな」
「宗派によって技の入り方が微妙に違うんだよね。あっちはこう、うちはこう、やっぱり、ええじゃないかは魅せるよね。ピープルズエルボーみたいに」
「ああ、この試合きめてもええかな?。ええじゃないー。のコールアンドレスポンスとともに」
あまりにひどいので割愛する。
作戦会議は喧々囂々の議論に終始し、居酒屋をあとにした我々を待っていたのは、漆黒の闇夜だった。
同僚の家に向かう途中、おれたちは赤いワンピースを着て長い黒髪のカツラを被った妙に変態的な雰囲気の若い男と意気投合し、三人で桃鉄しながら家飲みをしようと決めた。妙におどおどとした態度の男だったが、口裂けハンター必殺隊に快く志願してくれたことを思い出す。おれたちはフラフラと夜の下町を仲良く歩いていた。
そのあとだ。新たなメンバーを加えたおれたち口裂けハンター必殺隊が新たな事件と遭遇したのは。
「見つかんねえな口裂け女」
おれがあてどない捜索に苛立ちを隠せないでいると、
「いやあの」
新メンバーが何かをいいかけた時、
「キャー」
と、甲高い女性の悲鳴が漆黒の闇夜にこだました。
異変を察知し、すぐさま戦闘態勢をとるおれ。
そんなおれにうんざりしたような顔をした同僚が、うんざりした顔で事情を説明しだした。
「あそこに廃屋あるだろ。単なる夜逃げあとの廃屋なんだが、たまにあそこを心霊スポットとしてやってくる若い奴らがいる。もう何年も放置されててな。心霊よりも耐久性に問題があると地元民は認識している。若者にも取り壊されないことにも迷惑している」
同僚が指をさした廃屋は、違法増築を繰り返したかのように統一感のない外観で、外観からは内部がどうなっているか検討がつかない。そしてなにより同僚の言うとおり、見た目は完全に朽ちかけていた。
女性の悲鳴のあと、廃屋の中から数人の男の笑い声が聞こえてきた。
よし、全てを理解したおれは早速新メンバーにちょっと口裂け女のフリをして怖がらせてこいとひそひそ声で隊長として命令した。なぜなら奇しくも新メンバーはたまたま口裂け女に近い容姿をしていたからだ。なぜそんなことをするのか。男子校出身のおれに、男女仲良く過ごす青春の1ページなど許せるわけもなかった。前戯許すまじ。野外における非接触タイプの前戯許すまじ。
「あの、まあ、それでいいなら」
何がそれでいいのかわからないが、“合図”を決めると新メンバーは若者がたむろする廃屋へと忍び足で入っていった。
新メンバーを向かわせて、残った創設メンバーは何をしていたか。おれたちにはやることがあった。
廃屋の横に停めてあった若者たちのものと思しき数台の自転車を、廃屋の前にある墓場に持っていくという極めて重要な作業である。前戯許すまじ。
せっせと自転車を音もたてずに運ぶおれ。その作業を見守りつつ、同僚は静かに警察へと通報。不法侵入と不審者のあわせて一本だ。一瞬、おれを自転車泥棒の罪で通報しているのではないかと疑ったものだが、単なる邪推に終わったことを先に報告しておく。
ここで作戦のミソとなるのは、自転車を一台残すこと。若者らが逃げ出しにかかった時に混乱させることが目的だ。
おれは、警察は決して怠惰ではないことを知っていた。作業を早く終わらせなければ、“合図”を早くしなければ、おれが捕まったりする。
自転車の移動を終えたおれはすぐに合図にかかった。
「バヤリースの海に沈みやがれ!」
叫んだおれ。廃屋からは様々な声とドタバタと数人の足音。
一目散に別々の方向へ逃げるおれと同僚。
…………。
そのあと、彼氏彼女らに何が起こったかは知らない。同僚は自転車に乗った警官とすれ違ったらしいが。
しばらくして近所の公園に集合し、空が白けるまで鉄棒などをして遊んだ。
疲れた体を休める必要性を感じたおれたちが同僚の家にもどると、
我々はそこでほんとに恐ろしい事態を目撃することになった。
「赤鬼が…優勝してるだと!?」
恐ろしい……………こんな、殺意が湧いてくるような長文を書いた、それこそが恐怖。
一、導入部の仕事の説明が無駄に長いくせに、前フリではない。
一、抑揚がまるでない。
一、オチがひどい。
一、つまらない会話内容。
一、話に一貫性がない。
一、せめて若者たちのリアクションは欲しいとこ。
一、無駄に長い。
一、それでいて内容が無い。
一、作者が何をしたいのかわからない。
一、おれにもわからない。
さあ、みんなはこれを反面教師にして、楽しいブログライフを送るんだ!。約束だぜ!
ほんとに書いた恐ろしい話。
数年ほど前の話だ。おれは口裂け女を捜すことになった。
おれが当時勤めていた会社は害虫駆除を主な業務としていて、おれはその会社で施工班だった。人の家の床下に潜り込んで、状況を検分したり、シロアリ対策に除湿材を撒いたり換気扇を取り付けたり、ボロボロになった基礎を補強するのが主な仕事だった。
一度営業に異動になったが、おれは上司に頼んでなんとか現場に戻してもらった過去がある。その理由は害虫駆除の営業とは何をするのかという部分から察して欲しい。割と業界の中ではしっかりとした会社だったが。
5月から7月にかけてが繁忙期だった。同業他社がどうなっているかわからないが、おれの会社の場合、それ以外の時期は暇だったと言っていい。午前中に一件しか仕事がなく喫茶店でボーっとしていたり、急に翌日が休みになる日も多かった。
現場から帰ってきて、営業センターにいる上司から「明日は仕事がないから来るな」と言われる。そんな平日休みの日の夕方に上司から電話がかかってくる。「明日も来なくていい」。連休だ。
楽な仕事と言われればそうだが、休みが多ければ当然給料は低い。そんなこんなで、ほんとはもっと色々あるが、この会社は若い社員の転職率が高く、おれも辞めた。
平日が急に休みになると、何もすることがない。休みの連絡は前日の夕方に入るから、予定も建てられない。昔からの友人たちは皆働いている。こうなると、同じく暇を持て余している仲の良い同僚と遊ぶことになる。ここで、ならばその時間を将来のことを考えて何か資格をとる時間に充てればいいじゃないかとお思いになられる方も多かろうが、実際そうする奴も多かったが、おれは、いや俺とその同僚は、実家が自営業をしていた。いつ会社を辞めて家業に入るか、そのタイミングをお互い内々に探っていた。これほどノーフューチャーが出来てノーフューチャーに遠い環境があろうか。
遊ぶといってもさして金があるわけじゃなし、予定もたてられないから、どこかでだべったり、お互いの家を行き来するような、まるで中学生のような休日の連続だった。
「さすがに飽きがくるな」
連休を告げる上司からの電話のあと、同僚がぽつりと言った。入社して2年目の秋だった。
「また地獄の桃鉄が続くのか」
おれは少しうんざりしながら言った。地獄の桃鉄とは、ご想像にお任せする。
「なんかおもしれえことねえかなあ」
続けて言ったおれに同僚は、
「ねえなあ」
と言った。
しばらくの沈黙のあと、同僚がぼそりと、
「そういやうちの近所に口裂け女が出たんだよ」
と言った。
「口裂け女が出た、ねえ。言うなれば野良の口裂け女だ」
おれは同僚の言ったことが理解できなかったことと精神的にまいっていたこともあって、そっけなく返した。
「そうそう。野良が出たんだよ。一度口裂け女を飼ったら最後まで責任もって飼えって話だよ。おい、お前の番だ。ばかやろう、いま徳政令使ってどうすんだよ。また赤鬼とつるむ気かお前は。言っとくけどな、赤鬼にお前の情けは通じねえんだ。この赤鬼は泣かねえんだ」
同僚も暇を持て余し、精神的にまいっているようだった。
「いいだろ。おれは絶対に赤鬼を勝たせる。赤鬼の勝利こそがおれの勝利なんだ。おれはナンバーツーでいいのさ」
というような途方もなく生産性のない会話をいくつか交わしたのち、おれは話の原点を思い出し、ちゃんとしたリアクションを、びっくり情報をスルーした申し訳なさを加味して少し大袈裟にとることにした。
「えっ、この近所に口裂け女でんの!?、マジで!?」
「おせえよ」
同僚は画面を見ながら平坦な声でぼそぼそと近所に現れたという口裂け女について語り出した。
要約すると、近所に口裂け女が出た、とのこと。
………。
いささか要約し過ぎた感があると気づいたおれに投げキッスをくれてやってほしい。
なんでもこの近所で塾帰りの小学生が帰路についている途中、なんと口裂け女と出会ったらしい。赤いワンピースにマスクを付けた長い髪の女が「わたしきれい?」ってなもんだ。
これだけだとよくある作り話かと思われるが、そうではない。その小学生は母親と一緒に帰路についていたのだ。口裂け女が現れた時、親がどこにいて何をしてたかは知らないが、まあ、たまたま連れ添って歩いていたのではないのだろう。なにがあったかは知らないが、ともかく、母親の姿に気づいた口裂け女は走ってその場から逃げ出したらしい。その逃げ足はやはり早かったという。
母親は通報し、そうして今では警察沙汰だそう。
「なんだ変態か」
一通り聞き終えたおれはつい普通のことを口にした。
「男だしな」
「なんだ男か」
「たぶんな」
「なんだたぶんか」
「がたいのいい女だったりして」
「なんだデカ女か」
「なんなんだよ。その生返事は」
「なんだ生でさしてくれるデカ女か」
「………」
「………生でさしてくれるデカ女だって!?。おい、ちょっくら捜しに行こうぜ!!」
おれは将来のことやら桃鉄のことやら暇を持て余していたことやらで精神的にまいっていて、まともな会話すら不可能な状態になっていた。この垢抜けない時間を過ごすうちに中学生のようなテンションにもなっていた。
「捜しにいくったって、この育てた赤鬼はどうすんだよ」
「赤鬼なんかどうでもいいだろうが!!。なんだよ赤鬼ってばかやろう!!」
「お前が育ててんだろ」
「おれは口裂け女を捜しにいくんだ!。絶対見つけてやるぞ!」
「捜してどうすんだよ」
「そんな不埒な野郎はとっちめてやるんだよ!。………お前が」
「おれがかよ」
「ひとりでできないもん!!」
「…まあいいけど。暇だし」
この物騒な方にノリのよい同僚はかなりハイレベルの柔道使いであり、おれの大胆な提案は同僚の強さを前提としたものだった。こいつのはちきれんばかりのカリフラワーイヤーならば小学生をかどわかす変態如きには負けない。いかに相手が世に誉れ高き変態道を極めし者であろうと、技有りぐらいはとって勝つ。
「安心しろ。お前がやられたらおれが出る」
かくいうおれも、中学時代には、もし教室にいきなりテロリストが入ってきたら、とずっと考えていたくちだ。
「あてにしとくよ」
負け知らずの最強コンビ「口裂けハンター必殺隊」、ここに誕生せり。
やりかけの桃鉄自社長を各々NPC任せにし、おれたちは外に出た。
「まずは現場だ。現場が基本だからな」
玄関を出て早速犯行現場への案内を所望したおれに、同僚は目の前の道を指差した。
「ここ!?、ここなのか!?」
「ああ」
「おまえんちの真ん前じゃねえか」
「そうなんだよ」
住宅と町工場と墓場が密集する場所にある、軽自動車ならギリギリ通れるだろう曲がりくねった狭い道だ。
変態が好きそうな電信柱をつぶさに観察し、おれは声を張り上げた。
「わかったぞ!」
「うるせえ!。それに口裂け女はおれじゃないからな!」
「………」
「やっぱりか…」
早くも捜査は頓挫しかけたが、名探偵はあきらめなかった。
「ふうむ、あなたは事件が起こっていた時、どこにいらっしゃいましたか?」
「だからおれじゃ」
「いやいや、これは形式的なものですから」
「……たぶん、お前んちに居たよ」
すっかりその気になったおれは追撃の手を緩めない。
「となると、その日あなたは休みだったわけですね」
「だからお前んちに居たんだよ。帰ってきたら警官がいたからな」
「何日前のことですかな?」
「ひと月前ぐらいか」
「ひと月前?。ほう、あなたはこのような派手な犯罪が家の目の前で起きたのに、なぜ1ヶ月もこの私に、この名探偵に黙っていたのですかな?」
「まあ、忘れてたというか」
「忘れてた、ふうむ、このような重大事件を忘れていた、と、あなたは仰る………これもう飽きた」
「早いな!。お前が勝手に名探偵コント始めたんだろが!」
「口裂け女捜しに飽きた」
「もうかよ!、もう根本的なとこに飽きたのかよ!」
「だって犯人お前じゃないんだもん」
「なんだよそれ!、お前はどうしてもおれを変態にしたいのか!」
「つまんねえよこれ。もっとアクティブに捜して行こうぜ」
「ああ、まだ捜す気はあるのか。それはそれで…」
そうしておれたちは信頼性抜群の口裂け女出現ポイントを離れ、町の盛り場、すなわち駅前に出向くことにした。
同僚は駅前の居酒屋で一杯やり始めるのだろうと思っていたに違いないが、おれには考えがあった。おっと、ここでひとつ白状しておこう。おれたちはまだ一滴も酒を飲んではいなかったことを。シラフでの所業であることを。
駅前にあるものと言えば、あなたは何を思い浮かべるだろうか。その返事は、ひょっとしたらある種の心理ゲームになっているのかもしれない。いまあなたがしたいことが反映されるのではないか。同僚が駅前に行く=居酒屋コースと思い込んでいたように、パチンコ、銀行、レンタルビデオ店、ベーカリーショップ、ファストフード、本屋、入れ替わり立ち替わりのテナント等々、色々と答えは返ってきそうだが、その時のおれならばこう即答しただろう。“交番!”と。
そう、おれの目的地は居酒屋ではなく交番だった。その道のプロに情報を訊くのが何かと手っ取り早いに違いはあるまい。
交番前にさしかかると、何も知らない同僚がスタスタと居酒屋へ向かって歩みを進めるのを横に、おれは交番に向かって挨拶をした。まずはちゃんとした挨拶をし第一印象をよくしなくては。決して怪しい奴ではないと伝えなくては。
交番前に立つ小太りメガネの30代とおぼしき警官と目が合う。おれは元気に挨拶をした。
「どうも!、口裂けハンター必殺隊です!!」
おかしい。元気に完璧な挨拶をしたはずなのに小太りメガネの表情が険しさを増す。何か、あとには引けない雰囲気を感じとったおれは、
「以後よろしく!、早速で悪いが、お前らの持ってる口裂け女に関する情報をかけらひとつ残らずおれによこせ!!」
と、はにかむ笑顔を爆発させてサムズアップを決めた。おれが元気に言い終わった1秒後ぐらいだろうか、おれの前を行っていた同僚が帰宅を急ぐ人たちの群れに紛れおれに忍び寄り、おれの大事な左太ももに膝を入れた。
「すいません、こいつバカなんです」
同僚が小太りメガネに向かって言った。確かにおれはバカで、このときは特にバカだった。同僚の手を振り払うと次には、
「バカじゃないです口裂けハンター必殺隊です。月に代わってぶっ殺してやるんだよおおお!。あの野郎をよおおお!」
と言っていた。
「いや、ぶっ殺しはしないでしょ、月は」
小太りメガネはそう言って、おれたちを手招きと共に交番内に招き入れた。
そうして長い長い説教が始まった。
何かと公務執行妨害と口裂けハンター必殺隊解散をちらつかせる小太りメガネともうひとりの警官を前に、おれは何度も何度も口裂けハンター必殺隊の意義を解いた。しかし相手も引き下がらない。解散要求の一点張りだ。カチンときたおれは……………
という交番の件は全部嘘で、実際は、
「この辺りで口裂け女出たってほんとですか」
と、交番前に立っていた小太りメガネに聞いて、
「そうだよー、気をつけてねー、見つけたら通報してねー」
という、既に絡むと長くなりそうな奴に何回も同じ質問をされてきたのだろうな、と感じさせるあっさりとしたやりとりに終わった。色々聞き出したかったが、小太りメガネの目が座っていたのでやめた。
しかしどうやら、口裂け女が同僚の作り話ではないことがわかった。まあ、いま考えると全く不思議だが、当時のおれは口裂け女出現は同僚の作り話かもしれないということを、“警官からそれが事実だという証言を得るまで”ひとかけらも疑わなかった節がある。やはり、どうかしてた。
まるで何事もなかったかのように交番を通り過ぎると、これは大変不思議なことに、おれたち口裂けハンター必殺隊は、様々な食物とともに合法ドラッグが供される大変いかがわしい場所へと、あたかも魔物に拐かされた幼子のように吸い込まれていった。いま考えると、口裂けハンターを警戒した口裂け族による蜃気楼の楼閣作戦でも始動していたに違いなかったが、おれたちはそれに気づく由もなかった。
おれが当時勤めていた会社は害虫駆除を主な業務としていて、おれはその会社で施工班だった。人の家の床下に潜り込んで、状況を検分したり、シロアリ対策に除湿材を撒いたり換気扇を取り付けたり、ボロボロになった基礎を補強するのが主な仕事だった。
一度営業に異動になったが、おれは上司に頼んでなんとか現場に戻してもらった過去がある。その理由は害虫駆除の営業とは何をするのかという部分から察して欲しい。割と業界の中ではしっかりとした会社だったが。
5月から7月にかけてが繁忙期だった。同業他社がどうなっているかわからないが、おれの会社の場合、それ以外の時期は暇だったと言っていい。午前中に一件しか仕事がなく喫茶店でボーっとしていたり、急に翌日が休みになる日も多かった。
現場から帰ってきて、営業センターにいる上司から「明日は仕事がないから来るな」と言われる。そんな平日休みの日の夕方に上司から電話がかかってくる。「明日も来なくていい」。連休だ。
楽な仕事と言われればそうだが、休みが多ければ当然給料は低い。そんなこんなで、ほんとはもっと色々あるが、この会社は若い社員の転職率が高く、おれも辞めた。
平日が急に休みになると、何もすることがない。休みの連絡は前日の夕方に入るから、予定も建てられない。昔からの友人たちは皆働いている。こうなると、同じく暇を持て余している仲の良い同僚と遊ぶことになる。ここで、ならばその時間を将来のことを考えて何か資格をとる時間に充てればいいじゃないかとお思いになられる方も多かろうが、実際そうする奴も多かったが、おれは、いや俺とその同僚は、実家が自営業をしていた。いつ会社を辞めて家業に入るか、そのタイミングをお互い内々に探っていた。これほどノーフューチャーが出来てノーフューチャーに遠い環境があろうか。
遊ぶといってもさして金があるわけじゃなし、予定もたてられないから、どこかでだべったり、お互いの家を行き来するような、まるで中学生のような休日の連続だった。
「さすがに飽きがくるな」
連休を告げる上司からの電話のあと、同僚がぽつりと言った。入社して2年目の秋だった。
「また地獄の桃鉄が続くのか」
おれは少しうんざりしながら言った。地獄の桃鉄とは、ご想像にお任せする。
「なんかおもしれえことねえかなあ」
続けて言ったおれに同僚は、
「ねえなあ」
と言った。
しばらくの沈黙のあと、同僚がぼそりと、
「そういやうちの近所に口裂け女が出たんだよ」
と言った。
「口裂け女が出た、ねえ。言うなれば野良の口裂け女だ」
おれは同僚の言ったことが理解できなかったことと精神的にまいっていたこともあって、そっけなく返した。
「そうそう。野良が出たんだよ。一度口裂け女を飼ったら最後まで責任もって飼えって話だよ。おい、お前の番だ。ばかやろう、いま徳政令使ってどうすんだよ。また赤鬼とつるむ気かお前は。言っとくけどな、赤鬼にお前の情けは通じねえんだ。この赤鬼は泣かねえんだ」
同僚も暇を持て余し、精神的にまいっているようだった。
「いいだろ。おれは絶対に赤鬼を勝たせる。赤鬼の勝利こそがおれの勝利なんだ。おれはナンバーツーでいいのさ」
というような途方もなく生産性のない会話をいくつか交わしたのち、おれは話の原点を思い出し、ちゃんとしたリアクションを、びっくり情報をスルーした申し訳なさを加味して少し大袈裟にとることにした。
「えっ、この近所に口裂け女でんの!?、マジで!?」
「おせえよ」
同僚は画面を見ながら平坦な声でぼそぼそと近所に現れたという口裂け女について語り出した。
要約すると、近所に口裂け女が出た、とのこと。
………。
いささか要約し過ぎた感があると気づいたおれに投げキッスをくれてやってほしい。
なんでもこの近所で塾帰りの小学生が帰路についている途中、なんと口裂け女と出会ったらしい。赤いワンピースにマスクを付けた長い髪の女が「わたしきれい?」ってなもんだ。
これだけだとよくある作り話かと思われるが、そうではない。その小学生は母親と一緒に帰路についていたのだ。口裂け女が現れた時、親がどこにいて何をしてたかは知らないが、まあ、たまたま連れ添って歩いていたのではないのだろう。なにがあったかは知らないが、ともかく、母親の姿に気づいた口裂け女は走ってその場から逃げ出したらしい。その逃げ足はやはり早かったという。
母親は通報し、そうして今では警察沙汰だそう。
「なんだ変態か」
一通り聞き終えたおれはつい普通のことを口にした。
「男だしな」
「なんだ男か」
「たぶんな」
「なんだたぶんか」
「がたいのいい女だったりして」
「なんだデカ女か」
「なんなんだよ。その生返事は」
「なんだ生でさしてくれるデカ女か」
「………」
「………生でさしてくれるデカ女だって!?。おい、ちょっくら捜しに行こうぜ!!」
おれは将来のことやら桃鉄のことやら暇を持て余していたことやらで精神的にまいっていて、まともな会話すら不可能な状態になっていた。この垢抜けない時間を過ごすうちに中学生のようなテンションにもなっていた。
「捜しにいくったって、この育てた赤鬼はどうすんだよ」
「赤鬼なんかどうでもいいだろうが!!。なんだよ赤鬼ってばかやろう!!」
「お前が育ててんだろ」
「おれは口裂け女を捜しにいくんだ!。絶対見つけてやるぞ!」
「捜してどうすんだよ」
「そんな不埒な野郎はとっちめてやるんだよ!。………お前が」
「おれがかよ」
「ひとりでできないもん!!」
「…まあいいけど。暇だし」
この物騒な方にノリのよい同僚はかなりハイレベルの柔道使いであり、おれの大胆な提案は同僚の強さを前提としたものだった。こいつのはちきれんばかりのカリフラワーイヤーならば小学生をかどわかす変態如きには負けない。いかに相手が世に誉れ高き変態道を極めし者であろうと、技有りぐらいはとって勝つ。
「安心しろ。お前がやられたらおれが出る」
かくいうおれも、中学時代には、もし教室にいきなりテロリストが入ってきたら、とずっと考えていたくちだ。
「あてにしとくよ」
負け知らずの最強コンビ「口裂けハンター必殺隊」、ここに誕生せり。
やりかけの桃鉄自社長を各々NPC任せにし、おれたちは外に出た。
「まずは現場だ。現場が基本だからな」
玄関を出て早速犯行現場への案内を所望したおれに、同僚は目の前の道を指差した。
「ここ!?、ここなのか!?」
「ああ」
「おまえんちの真ん前じゃねえか」
「そうなんだよ」
住宅と町工場と墓場が密集する場所にある、軽自動車ならギリギリ通れるだろう曲がりくねった狭い道だ。
変態が好きそうな電信柱をつぶさに観察し、おれは声を張り上げた。
「わかったぞ!」
「うるせえ!。それに口裂け女はおれじゃないからな!」
「………」
「やっぱりか…」
早くも捜査は頓挫しかけたが、名探偵はあきらめなかった。
「ふうむ、あなたは事件が起こっていた時、どこにいらっしゃいましたか?」
「だからおれじゃ」
「いやいや、これは形式的なものですから」
「……たぶん、お前んちに居たよ」
すっかりその気になったおれは追撃の手を緩めない。
「となると、その日あなたは休みだったわけですね」
「だからお前んちに居たんだよ。帰ってきたら警官がいたからな」
「何日前のことですかな?」
「ひと月前ぐらいか」
「ひと月前?。ほう、あなたはこのような派手な犯罪が家の目の前で起きたのに、なぜ1ヶ月もこの私に、この名探偵に黙っていたのですかな?」
「まあ、忘れてたというか」
「忘れてた、ふうむ、このような重大事件を忘れていた、と、あなたは仰る………これもう飽きた」
「早いな!。お前が勝手に名探偵コント始めたんだろが!」
「口裂け女捜しに飽きた」
「もうかよ!、もう根本的なとこに飽きたのかよ!」
「だって犯人お前じゃないんだもん」
「なんだよそれ!、お前はどうしてもおれを変態にしたいのか!」
「つまんねえよこれ。もっとアクティブに捜して行こうぜ」
「ああ、まだ捜す気はあるのか。それはそれで…」
そうしておれたちは信頼性抜群の口裂け女出現ポイントを離れ、町の盛り場、すなわち駅前に出向くことにした。
同僚は駅前の居酒屋で一杯やり始めるのだろうと思っていたに違いないが、おれには考えがあった。おっと、ここでひとつ白状しておこう。おれたちはまだ一滴も酒を飲んではいなかったことを。シラフでの所業であることを。
駅前にあるものと言えば、あなたは何を思い浮かべるだろうか。その返事は、ひょっとしたらある種の心理ゲームになっているのかもしれない。いまあなたがしたいことが反映されるのではないか。同僚が駅前に行く=居酒屋コースと思い込んでいたように、パチンコ、銀行、レンタルビデオ店、ベーカリーショップ、ファストフード、本屋、入れ替わり立ち替わりのテナント等々、色々と答えは返ってきそうだが、その時のおれならばこう即答しただろう。“交番!”と。
そう、おれの目的地は居酒屋ではなく交番だった。その道のプロに情報を訊くのが何かと手っ取り早いに違いはあるまい。
交番前にさしかかると、何も知らない同僚がスタスタと居酒屋へ向かって歩みを進めるのを横に、おれは交番に向かって挨拶をした。まずはちゃんとした挨拶をし第一印象をよくしなくては。決して怪しい奴ではないと伝えなくては。
交番前に立つ小太りメガネの30代とおぼしき警官と目が合う。おれは元気に挨拶をした。
「どうも!、口裂けハンター必殺隊です!!」
おかしい。元気に完璧な挨拶をしたはずなのに小太りメガネの表情が険しさを増す。何か、あとには引けない雰囲気を感じとったおれは、
「以後よろしく!、早速で悪いが、お前らの持ってる口裂け女に関する情報をかけらひとつ残らずおれによこせ!!」
と、はにかむ笑顔を爆発させてサムズアップを決めた。おれが元気に言い終わった1秒後ぐらいだろうか、おれの前を行っていた同僚が帰宅を急ぐ人たちの群れに紛れおれに忍び寄り、おれの大事な左太ももに膝を入れた。
「すいません、こいつバカなんです」
同僚が小太りメガネに向かって言った。確かにおれはバカで、このときは特にバカだった。同僚の手を振り払うと次には、
「バカじゃないです口裂けハンター必殺隊です。月に代わってぶっ殺してやるんだよおおお!。あの野郎をよおおお!」
と言っていた。
「いや、ぶっ殺しはしないでしょ、月は」
小太りメガネはそう言って、おれたちを手招きと共に交番内に招き入れた。
そうして長い長い説教が始まった。
何かと公務執行妨害と口裂けハンター必殺隊解散をちらつかせる小太りメガネともうひとりの警官を前に、おれは何度も何度も口裂けハンター必殺隊の意義を解いた。しかし相手も引き下がらない。解散要求の一点張りだ。カチンときたおれは……………
という交番の件は全部嘘で、実際は、
「この辺りで口裂け女出たってほんとですか」
と、交番前に立っていた小太りメガネに聞いて、
「そうだよー、気をつけてねー、見つけたら通報してねー」
という、既に絡むと長くなりそうな奴に何回も同じ質問をされてきたのだろうな、と感じさせるあっさりとしたやりとりに終わった。色々聞き出したかったが、小太りメガネの目が座っていたのでやめた。
しかしどうやら、口裂け女が同僚の作り話ではないことがわかった。まあ、いま考えると全く不思議だが、当時のおれは口裂け女出現は同僚の作り話かもしれないということを、“警官からそれが事実だという証言を得るまで”ひとかけらも疑わなかった節がある。やはり、どうかしてた。
まるで何事もなかったかのように交番を通り過ぎると、これは大変不思議なことに、おれたち口裂けハンター必殺隊は、様々な食物とともに合法ドラッグが供される大変いかがわしい場所へと、あたかも魔物に拐かされた幼子のように吸い込まれていった。いま考えると、口裂けハンターを警戒した口裂け族による蜃気楼の楼閣作戦でも始動していたに違いなかったが、おれたちはそれに気づく由もなかった。