微笑シリーズ。安全安泰安心幽霊
「今日は幽霊についてのお話をしたいと思いますが、どう?、幽霊」
『幽霊ね。あいつら最低だよな』
「なんつうか、なにがあった!?」
『いや特に、幽霊をみた、とかはないんだけど、あいつら最低だろ』
「いやまあ最低というかなんというか。どこがどうして最低と罵るに至ったんだ?」
『あのさ。じゃあ逆にたずねるけども、幽霊の最低じゃない部分ってなにかあるのかよ』
「え?」
『だから、幽霊のいいところはあんのかって話だよ!』
「いや別におれはそんな」
『お前は幽霊擁護派じゃないのか!』
「擁護派ってなんだよ!。肯定派否定派ならあるけども!?」
『幽霊にもいいとこあるんだろ?。お前はそれを知ってるんだろ?。ほら、教えてごらんよ』
「はあ?」
『幽霊擁護派の第一人者として、擁護してみなさいよほら』
「いつから第一人者になったんだよ!」
『ほらさ、体が透けてるから前に立たれても前方確認がとれて安全とか』
「ビニール傘と同じ立場じゃねえかよその利点!」
『体が透けてるから、大家さんに怒られない』
「ゴミ袋!、都道府県指定のゴミ袋扱いすんなよ幽霊を!。清掃員のおじさんもびっくりするだろ」
『おじさんもなれたもんで首根っこを持って、ポーン』
「投げるなよ」
『ポーン………ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃ』
「幽霊!、幽霊どうなってるんだよそれ!」
『まだ使えそうな幽霊は愛娘に』
「ぬいぐるみじゃねえんだから!。なんだよまだ使えそうな幽霊って」
『とかさ』
「とかさ、じゃねえよ」
『他にも体が透けてるから』
「体が透けてるからばっかだな!」
『体が透けてるから、映画館で前に座られて視界を遮られそうなときも安心』
「でかいな!、でかいなその幽霊!。なんだ?、アフロか?、アフロなのか?」
『もしかおれの目の前に長い髪の幽霊がでたら、もれなくアフロにしてやるからな!』
「なにを急に宣言してんだよ」
『長い間散々人びとを怖がらせしめてきた長い髪の幽霊を、ちょっぴりファンキーなでかいアフロの幽霊に変えてやる!』「トレードマークとりあげてやんなよ」
『星形のサングラスかけさしてやるからな!』
「なにもフィーバーする為に現世に残ってるわけじゃないからな幽霊は。現世でフィーバーしたかったことが未練で幽霊になるってどんな奴だよ」
『お岩さんなんか』
「ロックさん禁止な」
『………』
「それ以外ねえのかよ…まあ、でも幽霊ってさ、よくいうだろ?。いたずらな気持ちで扱うと危険、みたいなさ。幽霊でおふざけすると危ないとか。だから今回もここまでってことで」
『ああもう、おれそれがだいっきらいなんだよ!。だから最低なんだよ奴らは!』
「はあ?」
『なんだよ、自分だけ好き勝手ふざけて、いざ自分がいじられるとドン引きしながら襲ってくるって。どんだけ扱いにくい奴なんだよ!。最低』
「空気読めない奴みたいな風に言うな」
『むかつくんだよ!。ぼっこぼこにしてやるから。おれの前に現れたら大人の暴力をもってぼっこぼこにしてやるから!』
「幽霊をぼっこぼこってお前」
『たとえそれが死んだじいさんでもぼっこぼこにしてやるから!』
「ダメだろ!。それはダメだ。人としてダメだ」
『いや、あいつら生きてないし』
「お前のことだお前の」
『人の生活覗き見したり、家賃も払わずに無断で住み着いたり、勝手に家具動かしたり、住み着いてる場所がいわくつき物件になって大家さんを苦しめるし、なんならこっちの心の中をよみやがるからねあいつら。勝手に心の中覗いてくるから。そして嫌になったら殺しにかかってくるし。最低だろ。最低だろあいつら。そんなやつらは片っ端からアフロになればいいんだよ』
「まあ、そうかもしれないけど」
『“幽霊でふざけなちゃダメ”っていってくる奴の方がむかつくけどね!』
「の方がってついちゃったよ」
『あいつらみたいな奴が死んだら、ちょっとちょっかいだしたら襲ってくる幽霊になるんだよ。あくまでも性格の話だけど』
「ああ、はい」
『いつからお前が幽霊の第一人者になったんだよってさ!。あ、すみません』
「謝られても!。おれは幽霊擁護派の第一人者じゃないからな!。さっきからその設定ちょっと意識して、なんか幽霊側の立場にたってみたりしたけども!」
『あっそう』
「あっそうじゃねえよやらせといて!」
『なんかどっかに行ってさ、“ここにいると気分が悪くなる”とか、寒気がするだの震えるだの吐き気がするだの、しまいにはあそこに誰かいるだの、死んだこともねえ奴に何がわかるってんだよ!』
「そんな無体な」
『第一人者面しやが…あ、すみません』
「そのくだりの何がおもしろいのかおれに説明してくれよ」
『やはり勝手に押しつけた第一人者というポジションに』
「ほんとに説明しなくていいんだよ!…ってこのくだりほんとにつまんないからな!」
『いやでもほんとさ、幽霊幽霊いってる人が死んだあとにイエーイつって現れて幽霊の存在を証明したことなんかないじゃん』
「まあ、なかなかイエーイつって現れてはくれないだろうが、まあ結局そうなんだよね」
『だのにあの人らは、コナンくんの事件現場遭遇率ばりの確率で見えちゃう』
「うん」
『そして見えたそれをアフロにもしないで放置しちゃう』
「うん、幽霊をどうやってアフロにするんだよってずっと言いたかったからいま言ったわ」
『ぼっこぼこにもしないでさ』
「幽霊って殴れんのかってずっと言いたかったからいま言った」
『なんだよ、さては、飽きたな?』
「まあ、うん。オチを待ってる」
『じゃああれだな。だいたい、年老いた幽霊の大半はボケが入ってると思うんだよ。それが家に住み着いちゃうわけ。これはどう思う?』
「うーん、イヤだな」
『擁護はよくても介護はねってね』
「…………」
『…………』
「あ、お前の後ろに幽霊が」
『ぎゃあああぁぁぁ』
「…………」
終わり。とってつけたなあ。介護の部分を老後にしようかなあなんて思ったけど、めんどくさくなって放置。というか途中書きながらほぼ寝てた。近頃、体調が絶好調でまいってます。
『幽霊ね。あいつら最低だよな』
「なんつうか、なにがあった!?」
『いや特に、幽霊をみた、とかはないんだけど、あいつら最低だろ』
「いやまあ最低というかなんというか。どこがどうして最低と罵るに至ったんだ?」
『あのさ。じゃあ逆にたずねるけども、幽霊の最低じゃない部分ってなにかあるのかよ』
「え?」
『だから、幽霊のいいところはあんのかって話だよ!』
「いや別におれはそんな」
『お前は幽霊擁護派じゃないのか!』
「擁護派ってなんだよ!。肯定派否定派ならあるけども!?」
『幽霊にもいいとこあるんだろ?。お前はそれを知ってるんだろ?。ほら、教えてごらんよ』
「はあ?」
『幽霊擁護派の第一人者として、擁護してみなさいよほら』
「いつから第一人者になったんだよ!」
『ほらさ、体が透けてるから前に立たれても前方確認がとれて安全とか』
「ビニール傘と同じ立場じゃねえかよその利点!」
『体が透けてるから、大家さんに怒られない』
「ゴミ袋!、都道府県指定のゴミ袋扱いすんなよ幽霊を!。清掃員のおじさんもびっくりするだろ」
『おじさんもなれたもんで首根っこを持って、ポーン』
「投げるなよ」
『ポーン………ぐしゃぐしゃぐしゃぐしゃ』
「幽霊!、幽霊どうなってるんだよそれ!」
『まだ使えそうな幽霊は愛娘に』
「ぬいぐるみじゃねえんだから!。なんだよまだ使えそうな幽霊って」
『とかさ』
「とかさ、じゃねえよ」
『他にも体が透けてるから』
「体が透けてるからばっかだな!」
『体が透けてるから、映画館で前に座られて視界を遮られそうなときも安心』
「でかいな!、でかいなその幽霊!。なんだ?、アフロか?、アフロなのか?」
『もしかおれの目の前に長い髪の幽霊がでたら、もれなくアフロにしてやるからな!』
「なにを急に宣言してんだよ」
『長い間散々人びとを怖がらせしめてきた長い髪の幽霊を、ちょっぴりファンキーなでかいアフロの幽霊に変えてやる!』「トレードマークとりあげてやんなよ」
『星形のサングラスかけさしてやるからな!』
「なにもフィーバーする為に現世に残ってるわけじゃないからな幽霊は。現世でフィーバーしたかったことが未練で幽霊になるってどんな奴だよ」
『お岩さんなんか』
「ロックさん禁止な」
『………』
「それ以外ねえのかよ…まあ、でも幽霊ってさ、よくいうだろ?。いたずらな気持ちで扱うと危険、みたいなさ。幽霊でおふざけすると危ないとか。だから今回もここまでってことで」
『ああもう、おれそれがだいっきらいなんだよ!。だから最低なんだよ奴らは!』
「はあ?」
『なんだよ、自分だけ好き勝手ふざけて、いざ自分がいじられるとドン引きしながら襲ってくるって。どんだけ扱いにくい奴なんだよ!。最低』
「空気読めない奴みたいな風に言うな」
『むかつくんだよ!。ぼっこぼこにしてやるから。おれの前に現れたら大人の暴力をもってぼっこぼこにしてやるから!』
「幽霊をぼっこぼこってお前」
『たとえそれが死んだじいさんでもぼっこぼこにしてやるから!』
「ダメだろ!。それはダメだ。人としてダメだ」
『いや、あいつら生きてないし』
「お前のことだお前の」
『人の生活覗き見したり、家賃も払わずに無断で住み着いたり、勝手に家具動かしたり、住み着いてる場所がいわくつき物件になって大家さんを苦しめるし、なんならこっちの心の中をよみやがるからねあいつら。勝手に心の中覗いてくるから。そして嫌になったら殺しにかかってくるし。最低だろ。最低だろあいつら。そんなやつらは片っ端からアフロになればいいんだよ』
「まあ、そうかもしれないけど」
『“幽霊でふざけなちゃダメ”っていってくる奴の方がむかつくけどね!』
「の方がってついちゃったよ」
『あいつらみたいな奴が死んだら、ちょっとちょっかいだしたら襲ってくる幽霊になるんだよ。あくまでも性格の話だけど』
「ああ、はい」
『いつからお前が幽霊の第一人者になったんだよってさ!。あ、すみません』
「謝られても!。おれは幽霊擁護派の第一人者じゃないからな!。さっきからその設定ちょっと意識して、なんか幽霊側の立場にたってみたりしたけども!」
『あっそう』
「あっそうじゃねえよやらせといて!」
『なんかどっかに行ってさ、“ここにいると気分が悪くなる”とか、寒気がするだの震えるだの吐き気がするだの、しまいにはあそこに誰かいるだの、死んだこともねえ奴に何がわかるってんだよ!』
「そんな無体な」
『第一人者面しやが…あ、すみません』
「そのくだりの何がおもしろいのかおれに説明してくれよ」
『やはり勝手に押しつけた第一人者というポジションに』
「ほんとに説明しなくていいんだよ!…ってこのくだりほんとにつまんないからな!」
『いやでもほんとさ、幽霊幽霊いってる人が死んだあとにイエーイつって現れて幽霊の存在を証明したことなんかないじゃん』
「まあ、なかなかイエーイつって現れてはくれないだろうが、まあ結局そうなんだよね」
『だのにあの人らは、コナンくんの事件現場遭遇率ばりの確率で見えちゃう』
「うん」
『そして見えたそれをアフロにもしないで放置しちゃう』
「うん、幽霊をどうやってアフロにするんだよってずっと言いたかったからいま言ったわ」
『ぼっこぼこにもしないでさ』
「幽霊って殴れんのかってずっと言いたかったからいま言った」
『なんだよ、さては、飽きたな?』
「まあ、うん。オチを待ってる」
『じゃああれだな。だいたい、年老いた幽霊の大半はボケが入ってると思うんだよ。それが家に住み着いちゃうわけ。これはどう思う?』
「うーん、イヤだな」
『擁護はよくても介護はねってね』
「…………」
『…………』
「あ、お前の後ろに幽霊が」
『ぎゃあああぁぁぁ』
「…………」
終わり。とってつけたなあ。介護の部分を老後にしようかなあなんて思ったけど、めんどくさくなって放置。というか途中書きながらほぼ寝てた。近頃、体調が絶好調でまいってます。
このブログは半分の嘘と半分のためらいで出来ている。あと、なぜかしょうもなさも足される
ある日、少女は友達の注目をひこうと軽い気持ちで、幽霊が見えると嘘をついた。非道な科学教育の末リアリストひしめく小学校社会の中、教諭らを筆頭に大バッシングを受けた少女は、ひくにひけなくなり嘘を重ねていく。やがて少女の周りには誰も寄りつかなくなり、同級生からの無視ゲームが始まった。少女は中学受験をし、見事“普通の中学生”デビューを飾るのであった。地元から離れた少女は普通の学生生活、友人関係を手に入れ、高校に上がるころには、そんな時代もあったね、と、自らの嘘から始まった過酷な小学生時代を懐かしくさえ思い始めていた。
少女が17歳になったある日、見知らぬ番号から携帯に電話がかかってきた。無視され続けた小学校の同級生からだった。
「助けて…あなたしかいない…あなた霊が見えるんでしょ…」
謎の怪奇現象と少女の復讐が入り乱れる禁断のスペクタクルホラーが始まる!!
現在上記の内容の物語を必死こいて書いてます(嘘)。
ええ、嘘なのよね。これ。
ただ、こんなのを誰かに書いて欲しい気がしないでもない。
謎の怪奇現象の真相とか物語の肝となる部分は一応用意してあるので、書きたくなった人は連絡をください。
なんだよこの記事…連絡をくださいって………気持ち悪いんだよ…教えますってまで言ってないから、だが断るパターンもあるしさ…そこまで用意してんなら自分で書けって話だしよ………気持ち悪い…気持ち悪いわ…なんか自分のメルアドにメール出してそれに返信してるみたいな内容だな………あ、いつも通りか。
少女が17歳になったある日、見知らぬ番号から携帯に電話がかかってきた。無視され続けた小学校の同級生からだった。
「助けて…あなたしかいない…あなた霊が見えるんでしょ…」
謎の怪奇現象と少女の復讐が入り乱れる禁断のスペクタクルホラーが始まる!!
現在上記の内容の物語を必死こいて書いてます(嘘)。
ええ、嘘なのよね。これ。
ただ、こんなのを誰かに書いて欲しい気がしないでもない。
謎の怪奇現象の真相とか物語の肝となる部分は一応用意してあるので、書きたくなった人は連絡をください。
なんだよこの記事…連絡をくださいって………気持ち悪いんだよ…教えますってまで言ってないから、だが断るパターンもあるしさ…そこまで用意してんなら自分で書けって話だしよ………気持ち悪い…気持ち悪いわ…なんか自分のメルアドにメール出してそれに返信してるみたいな内容だな………あ、いつも通りか。
誰が為に笑いあう。いっぱいいっぱいのモヤモヤシリーズ。
生まれてこの方いいことがなかった僕は、同じくいいことがなかった友人スカルフィッシュとともに、場末のファミレスへと足を運んだ。
深夜2時。この店はこのあいだ店長が躁鬱病にかかって辞めた店で、負のオーラを纏うもの同士、惹かれあったに違いはない。
「深夜も2時を回ろうってのに、ガキ連れが何組かいやがるぜ。おーおー、元気に走り回ってやがる」
スカルフィッシュは何故かそう言うと、鼻息を荒くした。
「夏休みだよスカル。すべては夏休みなんだよスカル」
過去においてスカルフィッシュと子供連れファミレス客とのあいだに何があったかなんて知りたくもなかった僕は、適当に返すと、入口扉につけられた機械的なベルの音に誘われ現れたウェイターに喫煙席まで案内するよう言った。
「聞いてくれよJ。おれの家は駅から1キロ離れている。1キロ離れているんだ」
席に着くと早速スカルフィッシュがなにやらうめき出した。
「1キロ離れている。だけど終電間際の列車と、始発からしばらくの列車の音が、列車がレールを軋ませる音が、列車がブレーキをかける音が、夜中と早朝、その時間帯になると列車の走る音止まる音が、おれのこの女性器のような耳を確実に襲いやがる」
僕が自分を無視しウェイターに店長の容態など世間話に講じていることを知ったスカルフィッシュは、わざと女性器などという公序良俗に反する卑猥言葉を話に挟んできた。スカルフィッシュとはこういう男だ。
「走ってくる。列車が走ってくる。そして止まる。走ってきては止まる。レールがよお、軋むんだよおおおお」
僕たちが話すことは決まって不幸話で、それはとてもつまらなくて嫌なことだったが、お互いに抱えた傷を舐め合うには適していた。
「夏休みか。おれの養父母家族の祖母は、夏休み期間に熱中症で死んだよ。家族が帰省した折に始めて発見されたんだ。おれが始めてその祖母と対面しに行った時のことさ」
スカルフィッシュの軽いジャブが僕の耳に突き刺さる。
「ポストにはいくつか役所からの報せが入っていたよ。一人暮らしの高齢者だったからな。役所からの報せが色々あるんだ。二回伺ったがどちらも不在だったからバスの無料券を役所まで受け取りに来いだ、銭湯の無料券を受け取りに来いだ、その部屋の中で何が起こっているのか知りもせずな。なあにああいう業務なんてのは役所からどこかに委託してるもんさ。役所は登録された住所をその足に与えるだけでな。あいつらなにも知らないよ。自ら足を運ぶなんてありゃしない。臭いものには触らないんだ。そうやってせっせと市井に雇用を与えてやってるのさ。ずぶずぶの入札業者にな。役所ってのはあきれるほど些細な業務でもどっかに結構な破格で委託するもんなんだよ。なあに無駄使いじゃないのさ。雇用を生み出してるんだ。文句をつけてるわけじゃない。おれがその恩恵にあやかれないだけでね」
僕はスカルフィッシュの話すことを話半分で聞いていた。なぜなら僕の不幸話を話し出すタイミングを見計らっているからだ。
「おいスカル。あそこを見てみろよ」
僕はひそひそ声でスカルフィッシュに首を僕が向けた指の先に回すよう促した。
僕らの周りでは、子供連れの客が子供をほったらかしてなにやら妙に真剣な顔で話をしていた。
「長いこと首なぞ回してなかったから、ポキリボキリと嫌な音がなっちまった。それで、あれがどうした?。親だろ。さっきおもちゃコーナーで勝手に包装を開けていた傍若無人な子供の」
スカルフィッシュは首をさすりながら言った。
「わからないのか?。スカルお前が」
そう言って僕はスカルフィッシュに念を押すよう、机に向かって判子を押す仕草をした。
「なるほど。ついに籍を入れる決断をするのか。お幸せなこって」
「まったくだぜ」
僕とスカルフィッシュの不幸にまみれた目にかかれば、世間のベクトルは幸せに向かっていることになる。
「結婚と言えば、おれは近々結婚する予定なのだ」
「ほう」
「おめでとうとも、裏切り者とも言わないスカルには脱帽するしかないな」
「ふっ、わかっているとも」
「まあ聞いてくれ。おれはお前に隠れて、幸せから逃げ出そうとしたのさ」
「それはしょうがあるまいよ。誰だってそれにかけるさ」
「ひょんなきっかけで彼女が出来てな。それはそれは可愛い彼女で、おれは有頂天になった。ひょっとしたらおれはこのまま幸せになれるかも知れない、そんなことも思っていたよ。結婚を前提じゃないと付き合うことはできないと彼女に言われ、彼女の提案で結婚準備金を貯める口座を新たに作った」
「アナル臭くなってきたぜ」
「まあ、オチもなにもスカルが思っている通りさ。段々と貯まってゆく通帳の数字をふたりして目を細めて見ていたものだよ。この数字の行き着く先には、いままでの不幸を帳消しにしてあまりある絶対的なしあわせがあるに違いない、とな。ところがある程度貯まったところで彼女が、やっぱり結婚はできない、と言う。理由をきくと、彼女の母親は大病にかかっていて、治療法はあるが治療費がなく、このまま結婚するとあなたに迷惑がかかる、とのこと。おれは、通帳を渡したよ。これは結婚準備金なんだ。結婚するのに母親の治療が必要ならばこの金を使うべきだと言ったさ。通帳を受け取った彼女はそれっきり、姿を消した。それでとどのつまりはまあ、結婚する予定はあるのだが、予定は未だに未定なのさ」
「ふっ、あえて言わせて貰おう。彼女の母親はお前の資金を元にした治療の甲斐なくこの世を去り、ましてや最愛のお前に迷惑をかけたことや遠のく結婚に世をはかなみ、その身を崖の上から投じたと」
「病気の母親などいなかったと言わない、スカル、お前の厳しさと優しさには頭が下がるよ」
そして僕らの話はより不幸な方へとベクトルが向けられ、進んでいくのだ。
「どこからおれたちは間違ったんだ?」
「いつからおれたちは間違ったんだ?」
果てなき不幸の渦に巻き込まれた僕らは、そっと、傷だらけのグラスで、変な味がするコーラを飲んだ。
次にスカルフィッシュとあったのは、またこのファミレスでだった。
スカルフィッシュは、なぜだかわからないが大変なご機嫌様で、陽気に仮面ライダーアマゾンのオープニングのマネを、おやつ時の混雑するファミレス内で辺り構わずやっていた。
「ああまあぞおおおんんん!!」
僕に顔を近づけ、右に左に瞳をギョロギョロと動かしては、スカルフィッシュは笑っていた。
「一体どうしたというんだいスカル」
たまらず僕はスカルフィッシュに聞いた。本来、突発的に始まる彼の無意味な行動に対し無関心を貫く立場だったのだが、スカルフィッシュの口から発せられる息があまりに臭く、それはまるで腐ったカマスのような悪臭で、スカルフィッシュの顔を遠ざけたい一心からでた言動だった。
周りの客どもは、そんな僕たちを見て、からからと笑っていた。
思えばこの時すでに、ファミレス内はカオスに支配されていた。
「わかったんだ。わかったんだよJ。おれはついにわかったんだ」
そう言ってスカルフィッシュは店外を指差した。その先には若いアベックがいた。
「みなよJ。彼氏彼女らはいまから明日まで、しばしのお別れをするようだ。おーおー、抱きついてやがる。軽くキッスなぞしてやがる。公衆の面前だというのに。でもなJ。おれはむかついたりはしないのさ。なぜならおれにはわかっているからさ。みてなよJ。自転車で後ろ髪ひかれてるように去っていくあの娘をみてるんだJ」
僕はスカルフィッシュの言うとおり、店内から彼女を目で追った。
すると、彼女が信号のない小さな交差路にさしかかったところ、彼女の横から突然自動車が飛び出してきて、彼女は吹き飛ばされた。
僕が騒然とし、一瞬にして背中に冷たい汗が噴き出しているのを感じていると、
「ははははは」
スカルフィッシュが笑い出した。スカルフィッシュは静かに笑い出した。
「不思議そうな顔しておれをみるなよJ。みるんだJ。吹き飛ばされ、地面に横倒れで動かない彼女の彼氏の方を、みるんだJ」
言われるがまま、僕は彼氏の方をみた。
彼氏は笑っていた。静かに、しかし、腹を押さえ、確かに。
「ははははは」
「ふふふふふ」
「ひひひひひ」
「へへへへへ」
「ニョホ」
ふと気がつくと、店内中が笑っていた。いや、店内だけではない。往来をゆく人々すら、足を止め、横倒れになって動かない彼女をみながら笑っている。
「なあJ。おれはわかったんだ。J、お前はみんながなぜ笑っていると思う?。お前はみんなが誰の為に笑っていると思う?。なぜ、笑いあってると思う?」
そう言いながらスカルフィッシュは、また外を指差した。
スカルフィッシュが指差した先、今度は交差点で、しばらくすると、大地を揺るがす衝撃と金切り音とにぶい音とが入り交じった爆音がした。
バスとトラックがノンブレーキで正面衝突をおこしたのだ。
そして、それをみた人々は、僕以外の店内外の人々は、また笑う。指をさし、腹を抱え、笑う。
人々の指差した先には、バスから出てきた二組の母娘がいた。丸めたフライパンみたくひしゃげたバスの中からそれぞれの娘をひきずりながら這って出てきた母達、どうやらその母らのみが生存者と思われる。
僕は優柔不断で、先程の件の時もそうだったが、こんな時にどうしていいかわからずにただオロオロとしているだけだった。思えば初デートの時に彼女と入ったお店で、隣の客たるじじいが卒中を起こして倒れた時も、誰よりもいち早くその異変に気がついたもののただオロオロとし、「このあとどうする?」などと目で異変を知らせる合図をする彼女をよそに、見てみぬフリをしたものだ。結局そのことが彼女は勿論、友人知人至る所に知られ、殺人犯と罵られ、そうだあの時も、しあわせを目前にしながら、また振り出しに戻されたっけ。
「このあとあの母親らがどうするかわかるか?」
スカルフィッシュが僕に言う。心なしか嫌というほど聞き慣れたスカルフィッシュの声が聴いたことのない、なにか得体知れぬ声に聴こえた。
「なにが起こるというんだスカル。わからない。僕にはわからない。わからないよスカル」
そう言う僕に、
「では、ご覧じろ」
と、スカルフィッシュはまたあの声で言った。
もはや恐怖に彩られた僕の五感。抗うすべはなく、言われるがまま、僕は二組の母娘をみた。
娘を引きずり出したはいいが、意識朦朧とする母親達。周りの人々はやはり笑っている。
すると、ぐったりと路上に横たわっていた片方の娘が、断末魔の一息というべきか、産声というべきか、その生存を知らせる呼吸音を発し、突如として息を吹き返した。
しかし、息を吹き返したものの、その体はガタガタと痙攣し、いまにもまた動きを止めてしまいそうだ。
「生き返る、のか?」
僕はつぶやいた。
しかし、スカルフィッシュは冷酷に、
「まだ、これからさ」
と言った。
スカルフィッシュのその言葉を号令にしたかのように、その片方の母親はがばと起きあがると、何を思ったか、息を吹き返した娘の首を絞めだした。ぐしゃぐしゃになったバスの中からやっとのことで引きずりだし、いまそのかいあって助かるかも知れぬ娘の首を、無機質に、いや、笑っている。笑って、笑いながらその首を絞めている。
「あの母親はね、自分の娘だけ助かっては困るのさ。私の娘だけが助かってしまってはよそ様に立つ顔がない、だから首を絞めるのさ」
「そんなバカな!」
僕が声を荒げると、事故現場にまた異変が生じた。
なんと、残りの母娘の娘も、先程の娘と同じように息を吹き返したのだ。
「こ、これでもう、あの母親は」
か細く言った僕にスカルフィッシュは、
「ここからが質問の答えじゃないか」
と言った。
ああなんということか、残りの母親も、息を吹き返した娘の首を絞め始めたではないか。
ふたりしてケラケラと笑いながら、娘の首を絞め、生き返ることを許さない。
「もうこれ以上誰も死ぬ必要はないだろ!」
僕の嗚咽混じりの怒声も、
「なあJ、お前も笑えよ。笑え、笑うんだJ」
と言うスカルフィッシュの悪魔のささやきを前にむなしい。
笑えだと?、笑えというのか?、僕に、どうしていま?。誰の
深夜2時。この店はこのあいだ店長が躁鬱病にかかって辞めた店で、負のオーラを纏うもの同士、惹かれあったに違いはない。
「深夜も2時を回ろうってのに、ガキ連れが何組かいやがるぜ。おーおー、元気に走り回ってやがる」
スカルフィッシュは何故かそう言うと、鼻息を荒くした。
「夏休みだよスカル。すべては夏休みなんだよスカル」
過去においてスカルフィッシュと子供連れファミレス客とのあいだに何があったかなんて知りたくもなかった僕は、適当に返すと、入口扉につけられた機械的なベルの音に誘われ現れたウェイターに喫煙席まで案内するよう言った。
「聞いてくれよJ。おれの家は駅から1キロ離れている。1キロ離れているんだ」
席に着くと早速スカルフィッシュがなにやらうめき出した。
「1キロ離れている。だけど終電間際の列車と、始発からしばらくの列車の音が、列車がレールを軋ませる音が、列車がブレーキをかける音が、夜中と早朝、その時間帯になると列車の走る音止まる音が、おれのこの女性器のような耳を確実に襲いやがる」
僕が自分を無視しウェイターに店長の容態など世間話に講じていることを知ったスカルフィッシュは、わざと女性器などという公序良俗に反する卑猥言葉を話に挟んできた。スカルフィッシュとはこういう男だ。
「走ってくる。列車が走ってくる。そして止まる。走ってきては止まる。レールがよお、軋むんだよおおおお」
僕たちが話すことは決まって不幸話で、それはとてもつまらなくて嫌なことだったが、お互いに抱えた傷を舐め合うには適していた。
「夏休みか。おれの養父母家族の祖母は、夏休み期間に熱中症で死んだよ。家族が帰省した折に始めて発見されたんだ。おれが始めてその祖母と対面しに行った時のことさ」
スカルフィッシュの軽いジャブが僕の耳に突き刺さる。
「ポストにはいくつか役所からの報せが入っていたよ。一人暮らしの高齢者だったからな。役所からの報せが色々あるんだ。二回伺ったがどちらも不在だったからバスの無料券を役所まで受け取りに来いだ、銭湯の無料券を受け取りに来いだ、その部屋の中で何が起こっているのか知りもせずな。なあにああいう業務なんてのは役所からどこかに委託してるもんさ。役所は登録された住所をその足に与えるだけでな。あいつらなにも知らないよ。自ら足を運ぶなんてありゃしない。臭いものには触らないんだ。そうやってせっせと市井に雇用を与えてやってるのさ。ずぶずぶの入札業者にな。役所ってのはあきれるほど些細な業務でもどっかに結構な破格で委託するもんなんだよ。なあに無駄使いじゃないのさ。雇用を生み出してるんだ。文句をつけてるわけじゃない。おれがその恩恵にあやかれないだけでね」
僕はスカルフィッシュの話すことを話半分で聞いていた。なぜなら僕の不幸話を話し出すタイミングを見計らっているからだ。
「おいスカル。あそこを見てみろよ」
僕はひそひそ声でスカルフィッシュに首を僕が向けた指の先に回すよう促した。
僕らの周りでは、子供連れの客が子供をほったらかしてなにやら妙に真剣な顔で話をしていた。
「長いこと首なぞ回してなかったから、ポキリボキリと嫌な音がなっちまった。それで、あれがどうした?。親だろ。さっきおもちゃコーナーで勝手に包装を開けていた傍若無人な子供の」
スカルフィッシュは首をさすりながら言った。
「わからないのか?。スカルお前が」
そう言って僕はスカルフィッシュに念を押すよう、机に向かって判子を押す仕草をした。
「なるほど。ついに籍を入れる決断をするのか。お幸せなこって」
「まったくだぜ」
僕とスカルフィッシュの不幸にまみれた目にかかれば、世間のベクトルは幸せに向かっていることになる。
「結婚と言えば、おれは近々結婚する予定なのだ」
「ほう」
「おめでとうとも、裏切り者とも言わないスカルには脱帽するしかないな」
「ふっ、わかっているとも」
「まあ聞いてくれ。おれはお前に隠れて、幸せから逃げ出そうとしたのさ」
「それはしょうがあるまいよ。誰だってそれにかけるさ」
「ひょんなきっかけで彼女が出来てな。それはそれは可愛い彼女で、おれは有頂天になった。ひょっとしたらおれはこのまま幸せになれるかも知れない、そんなことも思っていたよ。結婚を前提じゃないと付き合うことはできないと彼女に言われ、彼女の提案で結婚準備金を貯める口座を新たに作った」
「アナル臭くなってきたぜ」
「まあ、オチもなにもスカルが思っている通りさ。段々と貯まってゆく通帳の数字をふたりして目を細めて見ていたものだよ。この数字の行き着く先には、いままでの不幸を帳消しにしてあまりある絶対的なしあわせがあるに違いない、とな。ところがある程度貯まったところで彼女が、やっぱり結婚はできない、と言う。理由をきくと、彼女の母親は大病にかかっていて、治療法はあるが治療費がなく、このまま結婚するとあなたに迷惑がかかる、とのこと。おれは、通帳を渡したよ。これは結婚準備金なんだ。結婚するのに母親の治療が必要ならばこの金を使うべきだと言ったさ。通帳を受け取った彼女はそれっきり、姿を消した。それでとどのつまりはまあ、結婚する予定はあるのだが、予定は未だに未定なのさ」
「ふっ、あえて言わせて貰おう。彼女の母親はお前の資金を元にした治療の甲斐なくこの世を去り、ましてや最愛のお前に迷惑をかけたことや遠のく結婚に世をはかなみ、その身を崖の上から投じたと」
「病気の母親などいなかったと言わない、スカル、お前の厳しさと優しさには頭が下がるよ」
そして僕らの話はより不幸な方へとベクトルが向けられ、進んでいくのだ。
「どこからおれたちは間違ったんだ?」
「いつからおれたちは間違ったんだ?」
果てなき不幸の渦に巻き込まれた僕らは、そっと、傷だらけのグラスで、変な味がするコーラを飲んだ。
次にスカルフィッシュとあったのは、またこのファミレスでだった。
スカルフィッシュは、なぜだかわからないが大変なご機嫌様で、陽気に仮面ライダーアマゾンのオープニングのマネを、おやつ時の混雑するファミレス内で辺り構わずやっていた。
「ああまあぞおおおんんん!!」
僕に顔を近づけ、右に左に瞳をギョロギョロと動かしては、スカルフィッシュは笑っていた。
「一体どうしたというんだいスカル」
たまらず僕はスカルフィッシュに聞いた。本来、突発的に始まる彼の無意味な行動に対し無関心を貫く立場だったのだが、スカルフィッシュの口から発せられる息があまりに臭く、それはまるで腐ったカマスのような悪臭で、スカルフィッシュの顔を遠ざけたい一心からでた言動だった。
周りの客どもは、そんな僕たちを見て、からからと笑っていた。
思えばこの時すでに、ファミレス内はカオスに支配されていた。
「わかったんだ。わかったんだよJ。おれはついにわかったんだ」
そう言ってスカルフィッシュは店外を指差した。その先には若いアベックがいた。
「みなよJ。彼氏彼女らはいまから明日まで、しばしのお別れをするようだ。おーおー、抱きついてやがる。軽くキッスなぞしてやがる。公衆の面前だというのに。でもなJ。おれはむかついたりはしないのさ。なぜならおれにはわかっているからさ。みてなよJ。自転車で後ろ髪ひかれてるように去っていくあの娘をみてるんだJ」
僕はスカルフィッシュの言うとおり、店内から彼女を目で追った。
すると、彼女が信号のない小さな交差路にさしかかったところ、彼女の横から突然自動車が飛び出してきて、彼女は吹き飛ばされた。
僕が騒然とし、一瞬にして背中に冷たい汗が噴き出しているのを感じていると、
「ははははは」
スカルフィッシュが笑い出した。スカルフィッシュは静かに笑い出した。
「不思議そうな顔しておれをみるなよJ。みるんだJ。吹き飛ばされ、地面に横倒れで動かない彼女の彼氏の方を、みるんだJ」
言われるがまま、僕は彼氏の方をみた。
彼氏は笑っていた。静かに、しかし、腹を押さえ、確かに。
「ははははは」
「ふふふふふ」
「ひひひひひ」
「へへへへへ」
「ニョホ」
ふと気がつくと、店内中が笑っていた。いや、店内だけではない。往来をゆく人々すら、足を止め、横倒れになって動かない彼女をみながら笑っている。
「なあJ。おれはわかったんだ。J、お前はみんながなぜ笑っていると思う?。お前はみんなが誰の為に笑っていると思う?。なぜ、笑いあってると思う?」
そう言いながらスカルフィッシュは、また外を指差した。
スカルフィッシュが指差した先、今度は交差点で、しばらくすると、大地を揺るがす衝撃と金切り音とにぶい音とが入り交じった爆音がした。
バスとトラックがノンブレーキで正面衝突をおこしたのだ。
そして、それをみた人々は、僕以外の店内外の人々は、また笑う。指をさし、腹を抱え、笑う。
人々の指差した先には、バスから出てきた二組の母娘がいた。丸めたフライパンみたくひしゃげたバスの中からそれぞれの娘をひきずりながら這って出てきた母達、どうやらその母らのみが生存者と思われる。
僕は優柔不断で、先程の件の時もそうだったが、こんな時にどうしていいかわからずにただオロオロとしているだけだった。思えば初デートの時に彼女と入ったお店で、隣の客たるじじいが卒中を起こして倒れた時も、誰よりもいち早くその異変に気がついたもののただオロオロとし、「このあとどうする?」などと目で異変を知らせる合図をする彼女をよそに、見てみぬフリをしたものだ。結局そのことが彼女は勿論、友人知人至る所に知られ、殺人犯と罵られ、そうだあの時も、しあわせを目前にしながら、また振り出しに戻されたっけ。
「このあとあの母親らがどうするかわかるか?」
スカルフィッシュが僕に言う。心なしか嫌というほど聞き慣れたスカルフィッシュの声が聴いたことのない、なにか得体知れぬ声に聴こえた。
「なにが起こるというんだスカル。わからない。僕にはわからない。わからないよスカル」
そう言う僕に、
「では、ご覧じろ」
と、スカルフィッシュはまたあの声で言った。
もはや恐怖に彩られた僕の五感。抗うすべはなく、言われるがまま、僕は二組の母娘をみた。
娘を引きずり出したはいいが、意識朦朧とする母親達。周りの人々はやはり笑っている。
すると、ぐったりと路上に横たわっていた片方の娘が、断末魔の一息というべきか、産声というべきか、その生存を知らせる呼吸音を発し、突如として息を吹き返した。
しかし、息を吹き返したものの、その体はガタガタと痙攣し、いまにもまた動きを止めてしまいそうだ。
「生き返る、のか?」
僕はつぶやいた。
しかし、スカルフィッシュは冷酷に、
「まだ、これからさ」
と言った。
スカルフィッシュのその言葉を号令にしたかのように、その片方の母親はがばと起きあがると、何を思ったか、息を吹き返した娘の首を絞めだした。ぐしゃぐしゃになったバスの中からやっとのことで引きずりだし、いまそのかいあって助かるかも知れぬ娘の首を、無機質に、いや、笑っている。笑って、笑いながらその首を絞めている。
「あの母親はね、自分の娘だけ助かっては困るのさ。私の娘だけが助かってしまってはよそ様に立つ顔がない、だから首を絞めるのさ」
「そんなバカな!」
僕が声を荒げると、事故現場にまた異変が生じた。
なんと、残りの母娘の娘も、先程の娘と同じように息を吹き返したのだ。
「こ、これでもう、あの母親は」
か細く言った僕にスカルフィッシュは、
「ここからが質問の答えじゃないか」
と言った。
ああなんということか、残りの母親も、息を吹き返した娘の首を絞め始めたではないか。
ふたりしてケラケラと笑いながら、娘の首を絞め、生き返ることを許さない。
「もうこれ以上誰も死ぬ必要はないだろ!」
僕の嗚咽混じりの怒声も、
「なあJ、お前も笑えよ。笑え、笑うんだJ」
と言うスカルフィッシュの悪魔のささやきを前にむなしい。
笑えだと?、笑えというのか?、僕に、どうしていま?。誰の
微笑シリーズ。ぼくらはほめていこう
『僕らはあまりに簡単に批判をする』
「なんだよ突然」
『批判は楽だからね。あれはあーすればいいのにこうすればいいのにって』
「はあ」
『最悪だとか、いいとこなしとか好き勝手いいやがる。でも、シベ超にみられるように、批判や批評をする人間が何かを作る時に、じゃあお前はなんかいいやつ作れんのってなると決してそうじゃない』
「まあ、批判や批評って自分のことを棚に上げてるの前提で繰り出されるものだけどな」
『なんかさ、万が一離婚することになった時の為に、結婚する時に色々と自分にとって有利となるような準備をするみたいなさ。それは違うだろって、人って、準備をするとそれを使いたくてしょうがない精神状態になるんだから。例えば浮気の証拠集めの準備を結婚時にしたとするよ。そうすると心のどこかに、こいつ早く浮気しねえかなって思うようになるんだよ。で、浮気の証拠をつかんでいざ離婚ってなったら、わたしってば頭いいって思ってさ。アホだよ。お前最初から離婚する為に結婚してるだろって。離婚時に優越感浸りたくて結婚してんだろって。ミッションコンプリートしたくて結婚したんだろって。未必の故意ってやつだよ。押すなとかかれたスイッチ前におかれたような結婚だろ。インスピレーション与えちゃダメなんだよ。吹き込んじゃダメ。感化されちゃうから。抗えないくらい感化されちゃうから。離婚しちゃうわたしってば不幸よね、だけどちゃんと有利に離婚したもんね、自己欺瞞だよ。それが目的だったろって。ばかやろうっつって。ばかやろうっつって。ばかやろうっつって!』
「なんなんだよ」
『あいつらのおためごかしが許せねえんだよ!!』
「誰だよあいつらって。ていうか、この流れで話はつながってんの!?」
『話の流れなんか関係な…………まあ、これが批判ってやつですよ。某わし鼻批判』
「批判じゃなくてただの暴言だろ。あとわし鼻とか言うな」
『じゃあ実際におれがしあわせな結婚生活を送れるかっつったら、こんなグチグチグチグチしてる腐った女みてえな男にはどたい無理な話なんだよ。いつもグチグチグチグチ批判してるからね。彼女の好きなミュージシャンとかすぐグチグチグチグチ言うから。台無しだよ。すぐ台無しにしちゃう。悪気なんかないのにすぐ台無しにする。デートなんかわざとつまらなそうな場所選んでは、やっぱりつまらないからずっとベンチから動かなかったりね。どっちの服が似合う?、なんて聞かれた日には、どっちが似合うなんて聞かれた日には、……まあ、だいたい利き手に持ってる方を言ってみる』
「急に普通か」
『批判ばっかりしてても、なんもならない。なんもならないんだよ。だからさ、おれたちはほめていこう。ほめていくんだ』
「相変わらず導入が下手くそだな」
『なんかおれにほめさせろよ。ほめそやさせろよ』
「なるほど、そういうことか」
『さあ、さあ』
「じゃあ、最近でいうと、遊助の新曲とか」
『あれか…』
「あれをほめてみるとどうなるんだ?」
『………』
「…さあ、早くほめてみせろよ」
『………』
「………」
『………批判するのって簡単なんだな』
「あきらめるなよ!」
終わり。あれれ?。おかしいなあ?。ボケが1個も見当たらないぞお?。テストで余った時間にちゃんと見直しをしない人間が書いたみたいだぞお?。あっれれ?。これはおかしいぞお?。おかしいぞお?。………………。
メガネをかけた子供は惨状現場を見渡すと何かに気がついたようだった。しかしついに子供の戯言に耳を貸す大人は現れなかった…………。
あれにほめどころがあるとするなら、メッセージ性が強い!、だね!!。自分と照らし合わせてみての結論さ!!。ははは。非常にクリエイティブだよ!!……あとはまあ「勇気」かなあ………
あれはあれかなあ、「むしむしQ」へのリスペクトかな?。むしむしQのセミへの…ああ、あれはミンミーンか…セミだし。そういや小学生の時「道徳」の授業で、「さわやか3組」を観てたよね?。教育番組でさ。気がつけばあれも消えたなあ。さわやかなのは3組だけだからね。1組と2組はさぞかしさわやかじゃないんだろう。ダーティワーク1組とかさ。
「なんだよ突然」
『批判は楽だからね。あれはあーすればいいのにこうすればいいのにって』
「はあ」
『最悪だとか、いいとこなしとか好き勝手いいやがる。でも、シベ超にみられるように、批判や批評をする人間が何かを作る時に、じゃあお前はなんかいいやつ作れんのってなると決してそうじゃない』
「まあ、批判や批評って自分のことを棚に上げてるの前提で繰り出されるものだけどな」
『なんかさ、万が一離婚することになった時の為に、結婚する時に色々と自分にとって有利となるような準備をするみたいなさ。それは違うだろって、人って、準備をするとそれを使いたくてしょうがない精神状態になるんだから。例えば浮気の証拠集めの準備を結婚時にしたとするよ。そうすると心のどこかに、こいつ早く浮気しねえかなって思うようになるんだよ。で、浮気の証拠をつかんでいざ離婚ってなったら、わたしってば頭いいって思ってさ。アホだよ。お前最初から離婚する為に結婚してるだろって。離婚時に優越感浸りたくて結婚してんだろって。ミッションコンプリートしたくて結婚したんだろって。未必の故意ってやつだよ。押すなとかかれたスイッチ前におかれたような結婚だろ。インスピレーション与えちゃダメなんだよ。吹き込んじゃダメ。感化されちゃうから。抗えないくらい感化されちゃうから。離婚しちゃうわたしってば不幸よね、だけどちゃんと有利に離婚したもんね、自己欺瞞だよ。それが目的だったろって。ばかやろうっつって。ばかやろうっつって。ばかやろうっつって!』
「なんなんだよ」
『あいつらのおためごかしが許せねえんだよ!!』
「誰だよあいつらって。ていうか、この流れで話はつながってんの!?」
『話の流れなんか関係な…………まあ、これが批判ってやつですよ。某わし鼻批判』
「批判じゃなくてただの暴言だろ。あとわし鼻とか言うな」
『じゃあ実際におれがしあわせな結婚生活を送れるかっつったら、こんなグチグチグチグチしてる腐った女みてえな男にはどたい無理な話なんだよ。いつもグチグチグチグチ批判してるからね。彼女の好きなミュージシャンとかすぐグチグチグチグチ言うから。台無しだよ。すぐ台無しにしちゃう。悪気なんかないのにすぐ台無しにする。デートなんかわざとつまらなそうな場所選んでは、やっぱりつまらないからずっとベンチから動かなかったりね。どっちの服が似合う?、なんて聞かれた日には、どっちが似合うなんて聞かれた日には、……まあ、だいたい利き手に持ってる方を言ってみる』
「急に普通か」
『批判ばっかりしてても、なんもならない。なんもならないんだよ。だからさ、おれたちはほめていこう。ほめていくんだ』
「相変わらず導入が下手くそだな」
『なんかおれにほめさせろよ。ほめそやさせろよ』
「なるほど、そういうことか」
『さあ、さあ』
「じゃあ、最近でいうと、遊助の新曲とか」
『あれか…』
「あれをほめてみるとどうなるんだ?」
『………』
「…さあ、早くほめてみせろよ」
『………』
「………」
『………批判するのって簡単なんだな』
「あきらめるなよ!」
終わり。あれれ?。おかしいなあ?。ボケが1個も見当たらないぞお?。テストで余った時間にちゃんと見直しをしない人間が書いたみたいだぞお?。あっれれ?。これはおかしいぞお?。おかしいぞお?。………………。
メガネをかけた子供は惨状現場を見渡すと何かに気がついたようだった。しかしついに子供の戯言に耳を貸す大人は現れなかった…………。
あれにほめどころがあるとするなら、メッセージ性が強い!、だね!!。自分と照らし合わせてみての結論さ!!。ははは。非常にクリエイティブだよ!!……あとはまあ「勇気」かなあ………
あれはあれかなあ、「むしむしQ」へのリスペクトかな?。むしむしQのセミへの…ああ、あれはミンミーンか…セミだし。そういや小学生の時「道徳」の授業で、「さわやか3組」を観てたよね?。教育番組でさ。気がつけばあれも消えたなあ。さわやかなのは3組だけだからね。1組と2組はさぞかしさわやかじゃないんだろう。ダーティワーク1組とかさ。
再投稿モヤモヤ。
フランシーヌ、よく空を見てた
恋人はお城の兵隊
逢える時間は見回りのわずかな合間
コーヒーも飲めない
王様の言うことによれば
戦争の火蓋は切られた
勝敗予想、誰も彼も口をそろえて
生きては帰れまい
フランシーヌの場合ならば
人のとる行動決まっているね
月のない闇夜に紛れた
だけれどすぐに捕まっちゃうね
フランシーヌ、よく空を見てた
磔にされているからさ
裏切り者と叫ぶ見学者の群れに
彼女はこう言った
たとえ地獄に堕ちたとしても
束の間の別れに決まっているわ
槍を持つ兵隊は彼さ
あがなうことは何もない
フランシーヌの場合なら
以上、再投稿。
わたしは、実際に自分が経験したものしか歌詞にしない主義なんですよ。ええ、妄想をうたにしてうたっても、わたしにはまるで価値がない(笑)。なんか、自分の妄想や空想でできたうたって、バカみたいじゃないですか(笑)。だからなに?(笑)、みたいな。実際の経験からしか人の心は動かないと思います。
そういうわけでこのうたも、わたしの実体験に基づいたものになっています。もちろん、“想い”を戦争の儚さ、背理背反に仮託させているのですね。
その“想い”が、わたしが実際に体験したものなんです。
ええ、そうです。
痔です。
いぼ痔、ですか。
治ったと思ったら、忘れた頃にまたぴょこんぴょこんと出入りしはじめる痔のことをうたにしました。段々と大きくなって、それにつれ痛みを伴う痔、そしてついに抜本的な治療をする覚悟をした、といううたです。わたしが人と違うところは、主観を痔に持ってきたところ。本来悪であるもの視点でうたにしたところですね。ピカレスクロマンとも言えるかもしれません(笑)。
何度もいうようですが、わたしは経験したことしかうたにしません。ですがそれはなにも特別な経験ではないんですよ。みなさんも体験する、ありふれた経験です。
巷では、なんだかよくわからない、その人の妄想や空想から生まれた、ありえないだろってうたが、商業に彩られたいわばまがい物の、詐欺師の謳い文句みたいなおためごかしのうたが溢れていますが、わたしはそうはなりたくない。わたしはそうはなりたくないのです。そしてこのうたは紛れもない本物だということを言っておきたいのです。
最近、なんか穴がかゆいな、すわギョウ虫か、と思ってたら次の日痛みがやってきて、過去最大のいぼができた。いてえ。
まったく、おちおちコーヒーも飲めないぜ。
恋人はお城の兵隊
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コーヒーも飲めない
王様の言うことによれば
戦争の火蓋は切られた
勝敗予想、誰も彼も口をそろえて
生きては帰れまい
フランシーヌの場合ならば
人のとる行動決まっているね
月のない闇夜に紛れた
だけれどすぐに捕まっちゃうね
フランシーヌ、よく空を見てた
磔にされているからさ
裏切り者と叫ぶ見学者の群れに
彼女はこう言った
たとえ地獄に堕ちたとしても
束の間の別れに決まっているわ
槍を持つ兵隊は彼さ
あがなうことは何もない
フランシーヌの場合なら
以上、再投稿。
わたしは、実際に自分が経験したものしか歌詞にしない主義なんですよ。ええ、妄想をうたにしてうたっても、わたしにはまるで価値がない(笑)。なんか、自分の妄想や空想でできたうたって、バカみたいじゃないですか(笑)。だからなに?(笑)、みたいな。実際の経験からしか人の心は動かないと思います。
そういうわけでこのうたも、わたしの実体験に基づいたものになっています。もちろん、“想い”を戦争の儚さ、背理背反に仮託させているのですね。
その“想い”が、わたしが実際に体験したものなんです。
ええ、そうです。
痔です。
いぼ痔、ですか。
治ったと思ったら、忘れた頃にまたぴょこんぴょこんと出入りしはじめる痔のことをうたにしました。段々と大きくなって、それにつれ痛みを伴う痔、そしてついに抜本的な治療をする覚悟をした、といううたです。わたしが人と違うところは、主観を痔に持ってきたところ。本来悪であるもの視点でうたにしたところですね。ピカレスクロマンとも言えるかもしれません(笑)。
何度もいうようですが、わたしは経験したことしかうたにしません。ですがそれはなにも特別な経験ではないんですよ。みなさんも体験する、ありふれた経験です。
巷では、なんだかよくわからない、その人の妄想や空想から生まれた、ありえないだろってうたが、商業に彩られたいわばまがい物の、詐欺師の謳い文句みたいなおためごかしのうたが溢れていますが、わたしはそうはなりたくない。わたしはそうはなりたくないのです。そしてこのうたは紛れもない本物だということを言っておきたいのです。
最近、なんか穴がかゆいな、すわギョウ虫か、と思ってたら次の日痛みがやってきて、過去最大のいぼができた。いてえ。
まったく、おちおちコーヒーも飲めないぜ。