震災から1年、親子の心に寄り添うために知っておきたいこと | 子育てコーチング協会(旧:子どものこころのコーチング協会)

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子育てに役立つ情報をお届けしています。

こんにちは。

インストラクターの薮内ゆかりです。


私は石川県金沢市に住んでおります。


もうすぐ能登半島地震から1年が経とうとしていますね。



【震災から1年、親子の心に寄り添うために知っておきたいこと】を私の体験からお話します。



今年のお正月、私の住む金沢でも大きな揺れに襲われました。


いつものように実家でおせちを食べた後、子どもたちは従兄弟と外遊び、大人はゆっくりと過ごしていた時間帯でした。


住居がなくなるような被害がなかったとはいえ、子どもたちにとってはこれまでに経験したことのない揺れ。



東日本大震災を思い出しましたね。

津波警報によって山の方面へ逃げるなど、ずっと緊張状態にあったのも昨日のことのように思い出します。

 

 

 

  アニバーサリー反応(節目反応)

 

 

先日スクールカウンセラーからのお便りで、

「アニバーサリー反応(節目反応)」

について知りました。




節目の時期には、

〇同じ気候(気温、雪景色など)

〇よく似た場面(その時に見た光景、出かけていた場所)

〇ニュースや新聞記事 など

から、1年前を思い出しやすくなるのだそう。



当時を思い出す、ドキドキする、気分が重くなるなど誰にでも起こりうる心や体の反応です。


その反応の予防や、子どもに反応が起きたときの対応についてお便りには書いてありました。

震災後のストレス反応への対応方法とほとんど同じものでした。



実際、能登の現在の様子など県内ニュースで流れることはまだまだ多いです。

復興が進んでいないということで心苦しくもあります。

ちょうど1年後ということで、報道もさらに増える予測がつきますね。




当時、地震が起きてからは、年中の娘が怖がってずっと泣いておりました。

寝る前にはよく、

「地震、怖い」

「ママ、死なないで」

と、言うことも多かったです。

その後も当分の間、緊急地震速報を真似た遊びや、重ねた積み木を崩す地震ごっこもしていました。

小学生の兄たちにも見られましたね。

自分の心を守るために、ストレス反応として出ているんだなと見ていました。



他にも、以下のようなストレス反応が起こりやすいです。


・ニュースなどテレビのチャンネルを変えたがる(避ける)

・悪夢、夜泣き

・赤ちゃん返り

・おねしょ

・腹痛、下痢

・チック症状 など


さらに詳しくは、協会代表理事 和久田ミカのInstagramの投稿もご覧くださいね。

情報を知っていることで、私もすぐに子どもの変化に気づくことができました。


 

  娘のストレス反応

 


ちょうど1ヵ月前にも、久しぶりに緊急地震速報を伴う地震がありました。

大きな音でビクつき、長い揺れに気持ち悪くなるほどでした。

改めて自然災害の怖さを感じ、備えに対しても気が引き締まる思いでした。



夜10時ぐらいでしたが、たまたま娘は起きていましてね。

緊急地震速報後、一緒に机の下に潜り込み私にしがみついて震えながら、

「怖い!怖い!」

と、すぐ泣き出しました。


再体験で思い出したのもあるかもしれないですね。

その後寝つくまでにも、時間がかかりました。


それがきっかけかどうかは分かりませんが、抱っこをよくせがんできたり、暗いところに行くのを怖がります。


今は落ち着きましたがトイレも家では一人で行けず、

「ついてきてほしい」

と言うので付き添っていました。



久しぶりの大きめな地震で咄嗟に自分も、

”怖い!”

とは思うのですが、母として子どもを守ることが最優先となり、

“私がしっかりしなきゃ”

という思いになりやすかったです。



「大丈夫!大丈夫!」

と励ましたくなっている自分がいました。




震災後にママ友から、

「親である自分がしっかりしなきゃと思った」

「大丈夫!大丈夫!怖くない!」

って怖がって泣いている子どもを励ますしかなかった、と聞いたりもしましたね。



そういった気持ちもね、分かる気がします。

自分が怖いと言っていられない、子どもを守らなければと思う。

子どもの辛い姿を見ていられない。

早く元気になってほしい。

「怖かったね」

と返すと、もっと子どもや自分の不安を増大させてしまいそうで怖い、

というのもありますね。




しかし、実際に娘が、

「怖い」

と言うたびに私が、

「怖かったね」

と答える。


それを何度も繰り返すうちに、娘のトーンは落ち着いていき気持ちの切り替えができたように思います。




また、

「怖かったね」

と返すことで、同時に私自身も少しずつ心が落ち着いていくのが分かりました。




逆に、

「大丈夫!大丈夫!」

と言う時は、私自身が本当は大丈夫じゃない時でした。

自分を何とか落ち着かせようと言い聞かせているのだ、ということにも気づかされましたね。


 

  親から子にできること

 


子どもは大人のようには状況を理解できないし、自分の考えや気持ちを言葉に表現して伝えることが難しいです。


ただ、大人の表情や話していること、緊迫感などから伝わって感じているものは確かにあります。


そんなとき周囲の大人が子どもの変化に気づいて、丸ごと受け止めることでストレス反応はだんだんと消化されていくんですね。



ストレス反応が出ているときに、親から子にできること。

それは、安心感を与えることです。


子どもが安心感を持つには、自分の気持ちを分かってもらえたと感じるコミュニケーションが必要です。




励ましの言葉では、子どもにとって怖いという気持ちを分かってもらえなかった…となるんですね。


また、

「怖い」

と言っているのに、それを否定されたと感じたり、怖いと思ってはいけないんだと心に蓋をすることになってしまうのです。



寄り添い方としては、子どもが発した言葉で、

「怖い」

には、

「怖かったね」

と、子どもが感じた気持ちのキーワードを繰り返します。(オウム返し)

すると、自分の気持ちをママは分かってくれたと思うんです。


子どもの話を「聞く」ことは、子どもを丸ごと受け止めること。

子どもに安心感を与えます。



 

 

 

  親自身もストレスを感じている



子どもの寄り添い方についてお話しましたが、親もまた同時に怖い思いをしていますよね。

私自身も、やはり再体験することでの緊迫感、恐怖感が一気に蘇りました。



子どもに励ましの言葉を言いたくなってしまう時は、もしかすると自分にもよくかけている言葉かもしれません。

「大丈夫!気にしない!」

と、感じた気持ちを無かったことにするのではなく、感じた気持ちをそのままに、

「怖かったよね」

と自分に対して声をかけてあげるんです。


これが、自分の心の声を「聴く」です。




 

どうにも辛くて仕方がない場合は、専門機関に受診したり、安心できる人に聞いてもらうのも大事ですよ。


また今後も、親子ともにストレス反応が起こることもあるかもしれません。


そんな中でも子どもの話を聞いたり、自分を労わる言葉を自分にかけてあげることで、親子ともに安心感を持って過ごしていきたいですね。



最後までお読み下さりありがとうございました。

 

 

 

子育てコーチング協会
インストラクター 薮内ゆかり


ブログ:https://ameblo.jp/yuha1129/