3年ほど前に、近所の方からイチゴの苗を数株いただきました。

イチゴって家庭菜園で実がなるの?
それまで、ハウスで専用の棚を作って栽培している姿しか見たことがありません。

考えたこともなかったのですが、実ったら嬉しい。

最初の年は根づくのが精一杯。
次の年はちょこっととても小さい実をつけて終わってしまって。
3年目に少しづつ株が増えてきました。

イチゴが自分で分身の株を増やしてくれて広がってきています。



夏に、草負けしないように、定期的に草取りをしているだけで、
あとは何もかもイチゴまかせ。
寒い冬を超えて、春になり小さな白い花をつけて、
受粉は誰がしてくれているんだろう。


小粒ですが十分満足。
いちごが好きなので幸せ気分です。





 

 


 

 







 



 

 

 

 

 

 

 

 

閉ざしていた土を崩して、8か月ぶりに水路の水を引き入れます。

水が来た!

すっかり田んぼは、畑の世界になっています。
いきなりの浸水に土の中の生き物たちは大慌て。
急いでの引っ越しになります。



目に入るのは、ほんの一部かもしれません。
水面をオケラが平泳ぎで岸に一生懸命向かいます。
土の中からミミズが畔を登って行ったり。
虫たちにとってはちょっと大変。

そんな姿を横目で見ながら、
鉄車輪に付け替えた耕運機がゆっくり土の塊を押し込んで泥にしていきます。

こうして「代かき」をして、土を柔らかくし、かつ水が保てる土にしないと、苗が植えれない大事な作業です。

この作業で虫が出てくることを、
このあたりの野鳥たちもよく知っていて、
どこから見ているのか集まってきます。
さっきまで一羽だけだと思っていたムクドリが、知らぬ間に10羽ほどに増えていたり、
セキレイや、カラス、まれには普段ほとんど降りてこないトンビまで
やってきたりします。
そしてお目当てに夢中。



最初はこちらの耕運機との距離をけっこう保っているのですが、
夢中で食べ始めると野生を忘れる様子で、2メートルほどにまで近づいて、びっくり顔で逃げたりします。

広い田んぼの泥の中を歩きながら機械を押していく作業は
体力も必要で汗もかきますが、こんな出会いがあると少しだけ和みます。



そして、すっかり伸びたスズメノテッポウなどの畑の草を泥の中に押し込んでいきます。

 


土の表面がふかふかのベットになったら、いよいよ田植えです。


今年の春は気温の低いときが幾度もあり、苗の成長がゆっくりで、
このまま大きくならないのではと心配が続いて。



それだけに田植えできる背丈になってくれた時はホッとしました。

3月中旬に種もみを水に浸し始めて、2ヶ月。
田んぼに植えられた幼苗を案山子が見つめています。

 


 







 



 

 

 

 

 

 

 

 


朝7時、苗を覆うトンネルに光が入り始めます。
心配はつきません。先月末の寒波の朝は、めくるビニールに霜がビッシリ。
薄氷をバリっと割りながら田んぼに入るほどの
予想以上にマイナス3度まで下がった今までに経験の無い低さでした。


あまりの低温に幼い植物は大丈夫だろうか。
気持ちが乱れたそれからの10日間を過ごします。

でも、大丈夫そう! ゆっくりですが確実に成長してくれています。




毎年のことなのですが、無事に大きくなってくれるまで、
毎朝、稲の姿を見て声をかけたくなります。
葉先の水滴は、余分な水分を外に出す朝の元気な証し。
トンネルに陽が当たり始めたら、今度は天井の覆いを開いて温度の上がり過ぎを防ぎます。

里山のヤマブキも満開です。








 



 

 

 

 

 

 

 

 


このひと月、いろいろなことが起こり、少し書くことから遠ざかっていました。
その間に進んでいた稲の苗のための仕事。
苗の田んぼで、昨日、稲のとても小さな芽がそろって発芽してきました。まだその長さは1ミリほど。
そんな姿は、これからの田の事に向かう力になってくれます。

遡ると、3月中旬。
お米の種の用意にかかります。
昨年の田んぼで一番充実した実りを別にわけてあります。
その中から、さらに重い籾(もみ)だけに選抜します。
その方法は先人の知恵。塩水を使ったものです。
1kgもの塩を入れた濃度の高い塩水の中に籾を入れて、
それでも沈む重いものだけを選んでいきます。
ざっくり3割ほどが残ります。

さらに、残った籾を雑菌から守ります。
植物は発芽する時が一番無防備なため、まわりに雑菌がいると浸食されやすくなります。
これを防ぐ方法が、低温殺菌。
よく低温殺菌牛乳とか目にしますね。
あれと同じで、60℃の温水に10分間浸けて殺菌します。
ところが、この温度をキープするのがとても難しくって。
高すぎると籾にダメージを与えるし、低すぎれば効果が無いし。
容器の大きさと、浸ける籾の予温を工夫しながら。
それにしても、60℃は人間は手を浸けれないほどの温度。籾はよく耐えてくれます。

そしてこの日から、まだ冷たい水に浸し始め、ゆっくりとお米の種が目を覚まし始めます。

毎日、水を替えて酸素を補給して三週間。
やがてもみは胚芽を膨らませてぷっくりしてきます。
発芽まであとわずか。このタイミングを見極めて水から上げます。
目で見てわかるほど発芽させてしまうと、このあとの作業でその大事な芽を傷つけてしまうので、この時期を見逃せません。



どうしてこんなに3週間もの時間をかけて発芽させるかと思われるかもしれませんね。
もちろん25℃以上の室温ほどであれば数日もかかりません。
でも、このあと苗たんぼで育てるときの朝はまだ、氷も張る日もあるほどの寒冷地。
ゆっくりと外の環境に近いリズムで目覚めさせることが必要だと考えています。
そんな寒い朝も耐えて丈夫に育つ稲になってもらいます。

 

 


 

先週からいよいよ種まき。
こんな直径2センチの専用のケースに種もみが収まっていきます。
このひとつずつの円柱の底には小さな穴が開いていて、
発芽して数日も経つとそこから田んぼに直接根を伸ばしていきます。



これを苗田んぼに並べて水を張ります。
田んぼの土はゆるゆる。でもまだ、体は春の仕事が始まったばかり。人間もこの春の仕事で体も目覚めていきます。

 

運ぶときはまるで障害物競争の気分で、田のあぜ道を登り、下り、そろりそろり。
コケてひっくり返さないように慎重に。



これから約40日。朝晩水を切らさないように見守っていきます。







 



 

 

 

 

 

 

 

 


春めいた日差しが畑を暖めます。
今年はきつい氷点下が続いたことも少なくて、いつもよりも早く越冬を終えたニンニクが芽を大きくし始めています。

自然栽培の畑では、作物のつながりを意識しています。
土の中は、収穫を終えた作物が残してくれた根と、微生物がつながって生きる世界。
作物が何もない裸の土だけの状態では生き物も越冬が難しくなります。

秋に大豆の収穫を終えた畑に、冬を越す次の作物を植えることで、
それらが今、春を迎えてくれています。
この後は、ニンニクの収穫は梅雨明けなので、
それと並行して次に育てる夏野菜を5月に向けて植えていきます。

こんな、一連の起点となっている大豆。
これが育ってくれるから、香り豊かなニンニクも、そして夏の疲れを癒してくれるスイカやトマトも食べることができる。そんな大事な作物です。

そんな秋の実りを使って、
手作り豆腐にチャレンジしてみました。
一晩水に浸けた豆を、つぶして、煮て、絞って。
少し手間はかかりますが。
出来上がった豆乳ににがりを加えるときにドキドキ。
固まって!お願い!って気持ちで。

畑でとれるたんぱく質に感謝しながら、美味しくいただきました。

人間にも、そしてこれから育つニンニクにも栄養を豊かに与えてくれます。




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◇ 自然栽培で育った無農薬、天日干しの信州ナカセンナリ大豆。お問い合わせはこちらからどうぞ。◇ こぼし農園ホームページへ!