春から、水を切らさないように毎日気を使っていた田んぼなのに、
秋を前に今度は水を抜く頃がやってきました。
田んぼは一枚一枚、場所によって日当たりや水はけなどの条件が違います。
ここは山際のなかなか乾きにくい田んぼ。
10月に入って稲刈りをする段になっても、
地面がぬかるんでいて、稲刈機のタイヤがはまってしまいます。
人が歩いても沈むようでは、刈り取った稲穂に泥をつけてしまったり、なかなか大変な作業になります。
そんな田んぼは、こうして周囲に掘りを作ります。
すると、大雨が降っても堀を伝って早めに雨水が抜けてくれるので
乾きやすくなってくれます。
最初のころは、そんなに深く掘らないのだからと、ほぼ水がなくなった状態で鍬を振っていました。
ところが、湿った土。
想像以上に鍬に張り付いて重くって!
一周するころにはヘロヘロになったのを覚えています。
なので、今は水がある内にサクッっと作業しています。
おもしろい出会いもあります。
土の中にしっかり潜っていたドジョウを起こしてしまいました。
彼らはこの中で、春にまた水を張るまで生きていけると思うと不思議です。
じっと見ていると、頭からまた泥の中に潜っていきました。
山際の栗もすっかり大きくなってきています。
もう一か月もすると落ちてきてくれるでしょう。
少しづつ、すこしづつ、田んぼの稲が秋色に近づいていきます。