里山の裾を縫うように田んぼが続いています。

今の時期は太陽の角度が低くて、

ほとんどの時間が影になる寒い場所です。

 

ここはいつも春まで雪が消えないのに、

今年は、雪どころか雨が多くてすっかり溶けてしまっています。

 

 

 

 

 

畑で冬を越す作物もこの気温にびっくりしているかもしれません。

いつもならマイナス10℃以上に下がって、

凍てつく土で浮き上がる根を懸命にこらえないと生きていけないのに。

 

 

幼い小麦が青々としているし、

 

 

春に新しい葉を食べるつもりで残している菜花は、

霜がないので痛まずに、この時期に摘み取って食べれています。

 

 

 

 

 

 

冬は冬らしくあってほしい。

 

そうでないと、あの夏の酷暑のさらに上なんて想像もできません。

 

 

人は食べ物を食べないと生きていけないのに。

あまりの極端な気候の変動は作物が育つことを難しくしてしまう。

そんなことを考えさせられる今年の冬です。

 

 

 



 

 

 

この田んぼが最後の収穫。
干した稲はパリっと乾いています。
太い茎を手で扇状にチカラを入れて開き、機械に入れるとカラカラ音を立ててお米が外れていきます。

今年は春先の冷温や、穂を作る大事な7月の日照不足。
さらに収穫の10月の豪雨。
繰り返し厳しい天候でしたが、

稲たちは逞しく実りを恵んでくれました。 感謝。


陽で暖かいのか。収穫の袋にアキアカネがのんびり止まって。
春からの仕事が終わりを迎えて、心もゆっくりとのんびりしていきます。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ときどき思います。作物の隣と隣は会話しているのかって。

山の木は、となりの枝が伸びてくるとそちらにぶつからないように、空いている空間に枝を 伸ばしていきます。
畑の大根も、ピンと葉を立ててとなりをジャマしにないようにしているの?

今までは毎年購入していた大根の種。
でも今回は作秋に収穫して、冬越しさせて、春に植え替えて、花を咲かせて。
そして夏の終わりに出来たタネを、蒔いてみました。
みんな元気が良くって。
作物の元気に元気を貰っています!


 

今週からやっと晴れ間が連続して続く予報です。

よかった。やっと田んぼの稲が乾き始めます。7月の成長期の長雨で遅くなり、刈り取り時期もまた長雨。

本当に厳しい天気の年です。

あと少し。

秋の空のもとで収穫を急ぎます。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

干した稲の傍らに行くと、ふわっと干し草の香りを感じます。

今月上旬から始めた稲刈り。

刈ったばかりのお米の粒にはたっぷりと水分が含まれていて、

それをお日様の力を借りて、一日ごとに乾燥させます。

 

その時間は約10日。秋晴れが続けばすぐなのですが、

今年も秋晴れよりも秋雨の方が多い予報。

天気にはなかなか泣かされます。

 

 

 

 

 

広い田んぼ。

この面積の稲を小さな機械で刈っていくのに三日ほどかかります。

 

 

半分の面積を刈ったら、稲架に干して、乾くのを待つ間に

他の田んぼの刈り取りへ移動します。

 

晴れ間が続いて、最初の田んぼが乾燥して収穫が終わったら、

残りの半分の稲をまた刈って、また干して。

 

10月に入ってから長い長い道のりが続きます。

そしてそのすべてが秋の天の神様しだい。

 

 

 

 

 

 

 

「自分たちの食べるお米は自ら干して」と言って、

数年まで気丈にがんばっていた近所のおじいさんたち。

そんな姿も一人、また一人と少なくなってきました。

 

その代わり、大きなとても値段のはるコンバインが、

すごいスピードでその日のうちに刈り上げて、

その収穫物は農協の乾燥施設に吸い込まれていきます。

 

その過程で他の方のお米と合わさっていくので、

どんなに丹精込めて作っても、乾燥後に受け取るお米は

自分たちが育てたお米ではありません。

少し切ない現実がそこにあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東日本を広く襲った今度の台風。

 

 

TVやSNSで被害を受けた作物の姿を見る度に、

本当に心が痛みます。

 

ゆっくり、そして確実に台風の規模も時期も広がって、

ここ何年かの、今までの常識が通じないような規模に
人の力は小さいものだと教えられているような気がします。

人が無害にすることもできないくせに、水が溜まって処理に困れば、海に流せばよいとか。

ペットボトルやレジ袋など街のごみが、海に住む魚の数よりも上回ってしまうなんて。

すべては人がはじめたこと。
自然は鏡。

一人一人ができることは小さいかもしれないけれど、
自然を戻すための行動の。

一つ一つが合わさる力を信じたい。

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

しがみつくイトトンボ。

この大豆の森には秋になると不思議とたくさんのイトトンボがやってきます。きっと、人には見えないエサがいっぱいあるのかも。


明日からは秋雨の予報。

その前に、にんにくを植える仕事を急ぎます。

葉っぱのトンネルの真ん中に、深さ5センチに埋めていきます。


今は陽の当たらないこの場所も、あと少しすると大豆が枯れてきて光が入りだします。ちょうどその頃、芽を出したニンニクに葉を伸ばしてもらう作戦。

大豆の葉が落ち葉となって、冬を超える作物を暖かく守ってくれます。

土の中の大豆の根が残してくれた栄養と合わせて、次の作物への贈り物です。