ラクロスA1日清食品presents第33回全日本選手権大会を振り返る#3 男子編 | 鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル

鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル

ラクロスをこよなく愛する‘オヤジ‘がラクロスを紹介し、解説し、観客目線の情報を提供するチャンネル。シニアからキッズまで対象はラクロス全部です。

1月14日(日)に実施された、日清食品presents第33回ラクロス全日本選手権大会A1。A1とういう格付けがされた記念すべき第1回の大会の振り返り編。

男子の詳細について語っていこう。今回も美しい写真はフォトグラファーの梅田 朗江さんから頂きました。梅田さんありがとうございます。

梅田 朗江 -Akie Umeda-

@AkieUmeda(https://twitter.com/AkieUmeda)

Photograpger / based in Tokyo JAPAN . 東京を拠点に活動しているフリーランスのフォトグラファー スポーツ・旅・猫など撮影。 主にスポーツを取材しつつ旅風景や猫の写真を撮影。

hachicophoto.com

 

対戦は

*****************************

学生代表 日本体育大学 8年ぶり5度目

(新制学生王者としては2回目の出場)

vs

クラブチーム代表 GRIZZLIES 初出場

(設立3年目の初出場*女子NeO以来の快挙)

*****************************

全日本選手権12連覇を記録したFALCONSでも全日本選手権初出場は2008年と5年目の事だった。

【プロローグ】

先にも紹介した通り、日本体育大学男子ラクロス部の開始は古く1991年の草ラクロス創部にまで遡ることができる。

ラクロスA1カウントダウンシリーズ##A1初代王者はどのチームか?#ラスト3デイズ | 鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル (ameblo.jp)

https://ameblo.jp/kobhey10/entry-12836161980.html

そして

1992年 拓殖大学との合同チームで社会人リーグに参加したのが、歴史の始まり。その時の名がFALCONS。(1期生)今回5回目の全日本選手権大会への出場となった。現在のFALCONSのベースとなった日体大。今回、そのFALCONSがGRIZZLIESにクラブ選手権決勝で敗れたが、コーチ、OBとして日体大に関わっているFALCONS選手も多く、FALCONSのリベンジマッチという見方もあった。

しかし、2023年の日本代表育成に向けた選手強化プログラムに乗って育成された強力な個の力を有するクラブチームに対して、学生の立ち向かう為の武器は限られており、現実的には学生代表に対して厳しい戦いなることを予想する人は少なくなかった。

上記は2022年全日本選手権決勝のスコアだが、今年もこれぐらいの差がついてもおかしくはないという印象だった。

先のコラム

ラクロスA1カウントダウンシリーズ##A1初代王者はどのチームか?#ラスト4デイズ | 鼓舞 平(こぶ平)のラクロス応援チャンネル (ameblo.jp)

https://ameblo.jp/kobhey10/entry-12836052702.html

でも述べた通り、2023年度世界選手権日本代表に13人、1チームとリザーブ2名を送り込んだのがGRIZZLIESだった。

そのGRIZZLIESに対して、GRIZZLIESを研究しつくしたであろうコーチ陣のアドバイスを受けて、秘策も含めて立ち向かっていく日体大という構図となるだろう。そして好勝負に持ち込むには、先ず、学生相手に鉄壁の守備を見せた日体大の守備が(プレイオフを含めた、10試合で27失点 平均2.7失点という守備力は史上でもトップクラス/22年優勝の慶應義塾大学は平均3.8失点)

どこまで抗し得るかに注目した。

GRIZZLIESの強力な攻撃陣、特に10番11番の強烈な、ミドルショットを封じ込めるかが鍵だと見ていた。

【スターター】()内は攻撃時のレギュラー

☆日本体育大学

G2番中原 DF1番竹内、11番磯田、90番石井/3年 5番SSDM鳥居塚(18番MF尾上/3年) LMF19番内谷(12番MF谷口) F.O.16番大橋/3年(88番MF真下/3年) AT7番後藤、9番濱、21番渡邊
☆GRIZZLIES  日本代表

G23番福島/千葉大学 DF15番松本/青山学院大学、19番廣津明治大学45番金山/東京大学 SSDM49番宮脇/早稲田大学(21番MF後藤/早稲田大学) LSM43番平塚/早稲田大学 F.O.14番嶋田/早稲田大学(MF11番金谷/千葉大学) AT0番尾花/早稲田大学16番箱崎/神奈川大学、91番乗田/成蹊大学

そして試合が始まった

【1Q】

日体大が最初のF.O.を獲得すると、そのまま、相手リストレイニングエリアでのポゼッションをキープし、緩急をつけたボール回しを見せる。GRIZZLIESはインサイドを固め、DFラインを挙げてこなかった。(日体大が良い距離感を保ったとも言える)そして4分日体大9番濱がゴール前センターでフリーを取ってゴール裏7番後藤からのフィードに合わせて、あっさりと先制をする。

ゴール前フリーを取り続けた白日体大 濱選手

ゴール裏フリーの白 日体大後藤選手のフィードに合わせに行く 白左端 濱選手

ダイレクトに振り抜く濱選手

更に続いて、反転のパターン。日体大センターフリーの9番濱選手へ後藤選手縦前方にフィード。低めのボールを上手く処理しながらのダイレクト気味のショットを決めた。

白7番後藤選手が前方を見据える中、GRIZZLIES/茶色49番宮脇選手の視線が別方向にむいていて、中9番濱選手がまたもや完全

フリー状態

濱選手4DFに囲まれながら素早いショットでチェック前に撃つ

この辺日体大がGRIZZLIESのスライドディフェンスをよく研究した上での、伏兵の活躍が際立ったシーン。

日体大9番 濱選手

1Qにありがちな、「落ち着かない15分の光景」。更に畳みかける日体大の攻撃、残り90秒での波状攻撃が、連続してゴーリーとポストに嫌われ、跳ね返りをGRIZZLIES LMF43番平塚選手がスクープ、前方5番小野沢選手/明治大学へフィード。直ぐに前方91番乗田選手/成蹊大学へ飛ばしフリーでショットを決めた。その間10秒。

茶色 真ん中GRIZZLIES43番平塚選手 スクープ&パス

茶色真ん中 5番小野沢選手が91番乗田選手へフィード

ファストブレイクのお手本

こちらも伏兵91番乗田(成蹊大学)が決めて、救った。

この1Q残り90秒の明暗がこの試合のポイントの①

☆日体大のショットが、ポストに二度も阻まれたが決まっていたら。そしてGRIZZLIESが決めて、3点差になるところを1点差にして、2Q以降への反抗モードに落ち着いては入れたのがGRIZZLIESではなかっただろうか?

3点差と1点差では、男子ラクロスと言えどもかなり精神的には異なった状況に陥っていたはずだ。特に初出場のGRIZZLIESにとっては大きな1点だった。

1Q最後に点を決めて、落ち着きを取り戻したGRIZZLIESが2Qに入って波状攻撃を繰り返す。次第に追い込まれる日体大も懸命の守備で耐える。何とか踏ん張っていたが、最後にGRIZZLIES11番金谷選手のキャノン砲に破られ逆転を許す結果になった。

ここで、STATSを見てみよう

実は2Qも最初は日体大18番尾上選手の素晴らしいミドルショトで3対と点差を広げる事に成功したのだが

GRIZZLIESの高い位置での仕掛けに、日体大の進撃が拒まれひたすら守備が耐える時間が長くなり、日体大の反則も増え、其のたびに失点を強いられる苦しい展開となった。

マンダウンでインサイドを破られる日体大

それでもよく耐えた日体大守備陣だったが、GRIZZLIES11番金谷選手のキャノン砲に逆転を許し、2Qを終了した。

photo by Akie Umeda

https://twitter.com/AkieUmeda

【3Q】

それでも日体大の守備陣が踏ん張り簡単にミドルショットも打たせず、少ないながらも攻撃はショットを撃ち、

GRIZZLIESを脅かし続けた。

日体大7番後藤選手のジャンプショット

この時点でまだ、ボールはゴーリーの足元

後藤選手の着地後ゴーリーの裏に白いボールが出てきた。クリースバイオレーションの反則で得点は認められず。

【4Q】

4Q開始早々に、試合を決定づける時が来た。やはり日体大反則マンダウン後、リードのGRIZZLIESが意表を突く速いリスタートから0番尾花選手が上手いショットを決め、

初めてのGRIZZLIESの2点差となり余裕の出たチームは全体でのプレッシャーをかけ続け、開始5分間で4点を挙げて一気に趨勢が決まった。日本体育大学も最後まであきらめる事はなく、反復攻撃で2点を返したが、6対9としたところで試合は終了した。

☆こぶ平's Eye

もう1度STATSを見てみよう

ショット数において差が付いたが、CTOの数は日体大が上回り守備の頑張りは称えられる。攻撃成功率も高い。GRIZZLIESはF.O.取った2Q以降は日体大の守備時間を増大させ攻撃の機会を少なくすることに成功した結果、勝ち切った。日体大の単純ミスのT/Oには反則が多く、特にマンダウン6回で4失点を重ねたのは、GRIZZLIESの攻撃の圧力が高かったためだと言える。ただ、こマンダウン時の失点が2点でも少なければ。又1Q終了間際の明暗が逆であれば結果は分からなかったかもしれない。

さらに、日体大は攻撃にも工夫を見せ、点を取ろうとする姿勢を持ち続けた。

攻撃陣5枚が集まりどの選手がボールキャリアかを見せずに攻撃を開始しようとしたスペシャルプレイ。

落球により功を奏することはなかったが、そのチャレンジ精神は来期にも繋がることだろう。

しかし、日体大善戦の伏線は試合前に張られていたとも言える。

この日の先発メンバー

☆GRIZZLIES  日本代表

G23番福島/千葉大学 DF15番松本/青山学院大学、19番廣津明治大学45番金山/東京大学 SSDM49番宮脇/早稲田大学 LSM43番平塚/早稲田大学 F.O.14番嶋田/早稲田大学 AT0番尾花/早稲田大学16番箱崎/神奈川大学、91番乗田/成蹊大学

だが

本来は

☆GRIZZLIES  日本代表

G23番福島/千葉大学 DF15番松本/青山学院大学、19番廣津明治大学45番金山/東京大学 SSDM9番加藤/明治大学 LSM43番平塚/早稲田大学 F.O.14番嶋田/早稲田大学 AT0番尾花/早稲田大学16番箱崎/神奈川大学、91番乗田/成蹊大学

SSDMに日本代表の加藤選手が入り、MFのバックアップに1番柳井選手がいて分厚く中盤での守備ができて、これが機能すれば日体大の攻撃の機会はかなり少なくなるはずだった。しかし、9番加藤選手は諸事情で不参加。1番柳井選手は怪我による欠場と2枚の日本代表を欠いての試合となった。

層が厚いGRIZZLIESはSSDM49番宮澤選手もいるので、破綻は起こらないと考えられたが、前半、特に1Qのインサイドの守備において後手を踏んだ。さらに、中盤での守備の効きは良くなかった。これも合わせて、日体大の攻撃機会が増え、それをモノにしたことが日体大の善戦の伏線となっていた。

優勝 GRIZZLIES

準優勝 日本体育大学

MVP GRIZZLIES 14番F.O. 嶋田 育巳人選手

VP 日本体育大学 9番AT 濱 歩杜選手

GRIZZLIES0番AT尾花一輝選手も試合を決定づける得点

日本体育大学7番AT後藤圭太選手も好アシストを連発

 

photo by Akie Umeda

https://twitter.com/AkieUmeda

 

という結果で記念すべき第1回A1は幕を閉じた。

 

<トリビア>

何故、GRIZZLIES9番SSDM大事なポスト加藤裕太選手が不在だったのか?

実は、加藤選手はボブスレー日本代表選手も兼ねる二刀流選手であり、従来の12月の選手権大会なら出場できたのだが、1月の開催となった今年は出場が叶わなかった。

日程    2024/1/14-1/21
IBSF    ヨーロッパカップ・Jr.世界選手権
開催地    サンモリッツ
国    スイス
※日本チーム出場予定
 

https://studyhouse1.com/%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9/%E3%80%90%E8%87%AA%E5%B7%B1%E7%B4%B9%E4%BB%8B%EF%BC%9A%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%EF%BC%86%E3%83%9C%E3%83%96%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%BC%E9%81%B8%E6%89%8B%E3%80%80%E5%8A%A0%E8%97%A4%E8%A3%95/

2023全日本プッシュボブスレー選手権大会の結果

2023年8月26日(土)に長野県スパイラルにて2023年全日本プッシュボブスレー選手権大会が開催されましたので結果をご報告します。

 

【男子】
優 勝  加藤 裕太  8秒72
2  位  篠原 凌(株式会社レクシード) 8秒79
3  位  羽生田 智(株式会社MINT TOKYO AC) 8秒80

上記の通りボブスレーでも日本のトップ選手なんですね。

という事で冬季オリンピックにも出場する選手として、注目が集まるのではないでしょうか?加藤選手頑張れ~

 

さて、ラクロスはここから2024年シーズンの開幕になります。これからはNCAAの情報も含めて幅広くお伝えしていきます。どうぞ今年もラクロス応援チャンネルをよろしくお願いします。

 

こぶ平

#GoLA28