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COPE (KU Plankton Lab)

絶滅危惧研究室の営みをつづるブログです

こんばんは。主宰です。

論文紹介の続きです。

 

Toru Kobari (February 2003)
How do we progress plankton studies in future?: recent advances and future prospect in zooplankton studies. Bulletin of Plankton Society of Japan: 50 (1), 25-29.

https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010673240.pdf

 

日本プランクトン学会の学会長が企画されたシンポジウムにおいて、日本における今後のプランクトン研究はどのように進展していけばよいかということを議論するため、若手研究者中心に話題提供したものをまとめたものです。私は、動物プランクトンに関することをまとめて発表しました。海洋プランクトンの研究に専念していたので陸水プランクトンのレビューが漏れていることが弱点ですが、当時の自分の考えを述べました。

こんばんは。主宰です。

論文紹介の続きです。

 Toru Kobari, Akimasa Habano and Toshihiro Ichikawa (December 2002)
Seasonal variations in phyto- and zooplankton biomass in Kagoshima Bay. Memoirs of the Faculty of Fisheries, Kagoshima University: 51, 19-25. 

鹿児島大学水産学部に赴任して、初めてまとめた論文です。鹿児島湾北部・南部の植物・動物プランクトン現存量の季節変化を比較したもので、鹿児島湾北部のほうが高いことが分かりました。当時、南星丸乗船者があまりいなくて困っているという船長からのお誘いで、これ幸いと毎週1回乗船させてもらってました。これだけ高頻度に調べた例はないとおもいます。この観測のおかげで、船舶職員の方々と信頼関係を築くことができ、後々の研究でも大助かりでした。

こんばんは。主宰です。

 

先日、海洋生物ゼミ(プランクトン研究室・魚類生態研究室・葉上動物研究室)で合同お花見をしました。いろいろとタイミングがよく、各研究室に配属された卒論生、魚類生態研究室に4月から配属された留学生(イアラさん)、先日のハダカイワシ観測に来学された安間さんの歓迎を兼ねる会となりました。

1週間前の甲突川の様子。3月下旬に寒波が来たので、例年よりも桜開花が遅れていました。でも、4月上旬に予定していたので、結果的によくなったかもということになりました。そしてお花見実現。ちょっと曇りましたが、甲突川で開催となりました。

新卒論生たちが、丁寧にバーベキューしてくれてて、我々は何もせずに有難かったです。

こちらが、丁寧に焼いてくれたマイワシ。丸々としたマイワシで火加減も上手で、たいへん美味しかったです。

久米さん・小玉さんのご家族も参加され、子供たちはお姉さん・お兄さんたちと一緒に遊んでご機嫌でした。私も、小さい子を抱っこ・肩車できてうれしかったです。

最後に記念撮影。ここ数年、お花見の機会がもてず流れてましたが、ついに実現。うれしかったです。新しいメンバーで新年度スタート。今年度も新しい発見・予想外の展開・独創的な結果など、たくさんの研究成果がみれることを楽しみにしています。

こんばんは。主宰です。

 

論文紹介の続きです。

 

Toru Kobari, Tsutomu Ikeda (March 2001)
Ontogenetic vertical migration and life cycle of Neocalanus plumchrus (Crustacea: Copepoda) in the Oyashio region, with notes on regional variations in body size.  Journal of Plankton Research: 23 (3), 287-302.
https://doi.org/10.1093/plankt/23.3.287

こんばんは。主宰です。

 

4月3日~4月5日まで、南星丸でのハダカイワシ観測を行いました。

プランクトン研究室と魚類生態研究室では、世界の海洋に食料となる魚類資源(1億トン)よりもはるかに多い資源量(10億トンと推定されている)を有するハダカイワシ科魚類について、その生態に関する研究を行っています。何を食べて、どれくらい生残・成長するのか、いつ生まれていつ寿命を終えるのか、これら魚類は水産業に利用できないか、地球温暖化の影響をどのくらい受けていたり与えているのか、などなど興味・関心がつきません。ハダカイワシ科魚類は日中には深層に滞在しているので中深層性魚類と呼ばれたりしますが、夜間になると表層に浮上して摂餌する行動を行います。この行動を観測機器によってとらえ、どれくらいの資源量があるのかを推定するための観測が今回の目的です。非常に高度な観測機器を利用するため、北大時代の知人で久米さんの同窓生でもある安間さんと、共同研究を行っています。

こちらが採取されたハダカイワシ科魚類。鹿児島湾内には、イワハダカという魚類がいます。通常だと死んでしまった個体しか見れないのですが、この船ではまだ生きて泳いでいる姿を観察することができます。動画をアップできないのが残念ですが、世界的にもそうそう見れる画像ではありません。

網で採取された標本をたらいにあけて、魚類のみ分別しているところです。魚類だけでなく、アカクラゲ・クシクラゲ・オキアミなども取れたりします。アカクラゲは刺すので、それらをまず取り除いてから魚類個体を採取します。

南星丸の実験室に移動して、種ごとに識別・分別します。今回は網目が大きいので、成体のみ採取されました。採取されたのはほとんどがイワハダカで、ヨウジエソ・マアジ稚魚が少々混ざっていました。

今回、珍しくマイワシが採取されました。今までだとこんなことはなかったのですが、たまたま混獲されました。これだけ遊泳力がある魚類だと採取されないのですが、例年よりも多いので混獲されたのかもしれません。マイワシ資源増大の予兆か?

昼間の曳網では、イワハダカの仔魚を採取したかったので、別の網で採取しました。たくさんの植物・動物プランクトンも採取されるので、最後は綺麗に洗う必要があります。後部甲板に広げて海水をかけながらデッキブラシで洗います。

今回は夜間の調査もあったので、司厨長がスタミナ料理を作ってくれました。顔と同じがそれよりも大きなトンカツ+ピリ辛小鉢でした。味噌汁も多様な具材たっぷりでおかわりしてしまいました。あ~お腹いっぱい。観測前に眠たくなってきました。

オリエンテーション直後の乗船であり、フォーマルな服装と靴だったのですが、出港時刻(17時)に間に合わせるため車で送ってもらって南星丸に飛び乗りました。乗船キャンセルしようかなとおもいましたが、久米さん・安間さんとハダカイワシの新たな研究ネタで盛り上がったし、卒論生と研究内容とか学会発表の相談もできたので、たいへん有意義な3日間でした。