こんにちは。イトウです。
ブルーム航海中は山川港、硫黄島、竹島に寄港する機会がありました。その中でも一番多く寄港したのが山川港でした。
このブログ記事のタイトルから、「山川港を観光?!」と思われる方がいるかと思いますが、実は隠れた面白スポットがたくさんあるのです。
2月・3月の航海では、3年生が乗船します。彼らのほとんどが山川港を訪れるのが初めてです。なので、今回は私たち4年生が3年生を山川港観光ツアーにご招待しました。
南星丸を下りて少し歩いていくと、早速見えてくるのは…
1. 漁協購買部
ここには、鰹節・山川漬け・冷凍のカツオ・刺身・すり身が売られているだけでなく、漁網・カッパ・長靴・ペンキ等、漁業に必要なものが並んでいます。鳥居先生の授業で習った購買部の実態を見ることができ、最初はとても感動したのを覚えています。座学の授業と、経験が結びつくところが、実習の良いところだと感じます。
2. スイカ公園
小さな公園に、ひと玉のスイカを1/8に分けた形をした、建物が建っています。突然現れるスイカはとてもかわいいですが、中は公衆トイレです。山川で一番目立つ建物に違いありません!
3. 活お街道
山川の道の駅です。農産物が並ぶだけでなく、マンゴーソフトクリームをその場で買ってたべることができます。しかし、定休日が水曜日なので、寄港日とかぶることもしばしばあります。
4. ワッフル屋
今回初めて発掘しました!小さな店内では、手作りの3種類のワッフルとしんこ団子が売られています。しかも100円のワンコイン!私は抹茶さつまいも味のワッフルを選びました。カリカリ部分と、さつまいものほっこり部分、お茶の香りが三位一体となって、とても美味しかったです。
5. ハラール自販機
野菜だけでなく、ハラール食品が無人販売機で購入できます。100円玉を入れるロッカーには商品が入っており、100円玉を入れて買うことができます。中には、90円や140円といった微妙な値段の商品がありますが、どうやっておつりを返すのでしょうか?
正解は、商品におつりがセロハンテープで張り付けられています。そういう小さな工夫も、なんだか人情味が溢れていて、かわいい自動販売機です。
さて、なぜこんな田舎にハラール食品が売られているのでしょうか?
実は山川港では、鰹節工場や船で働く、海外出身の人が多く暮らしています。彼らの出身地はアジアの国々が多く、ヒジャブを被った女性もよく見かけるので、ムスリムも多く住むのでしょう。
日本の端の小さな町でさえ、食べものを取り巻く状況は大きく変化しているのだと感じました。
こんばんは。主宰です。
論文紹介の続きです。
Toru Kobari, Tsutomu Ikeda (September 1999)
Vertical distribution, population structure and life cycle of Neocalanus cristatus (Crustacea: Copepoda) in the Oyashio region, with notes on its regional variations. Marine Biology: 134, 683-696.
https://doi.org/10.1007/s002270050584
博士課程の研究内容についてまとめた、一本目の論文です。親潮域で優占するカイアシ類の生活史について調べたもので、東部北太平洋よりも生活史タイミングが早いことが分かりました。世界的にも動物プランクトン生理生態で著名な池田先生は当時の私の師匠で、本格的な学術論文の作成方法を教えていただきました。
こんばんは。主宰です。
論文紹介の続きです。
Toru Kobari, Tetsuhiro Aono and Naonobu Shiga (December 1999)
Relationship between observed and estimated chlorophyll a concentrations from the Secchi depth in the central subarctic Pacific. Bulletin of the Faculty of Fisheries, Hokkaido University: 50, 171-174.
博士課程の研究を進める上で、何としてもデータセットを作成しなければならなかった時に、既往研究・既往情報を調べまくってどうにかなった結果をまとめたものです。非常に古くから行われてきたセッキー板での透明度観測から、クロロフィル濃度のデータセットを作成しました。博士学位論文を作成するためには数報の学術論文を投稿しなければならなかったのですが、この論文で作成の仕方を勉強しました。
こんばんは。主宰です。
報告ネタがない期間が続いてもブログ更新ができるように、今までに発表した論文紹介をすることにしました。
Toru Kobari, Syuhei Ban (June 1998)
Life cycles of two limnetic cyclopoid copepods, Cyclops vicinus and Thermocyclops crassus, in two different habitats. Journal of Plankton Research: 20, 1073-1086.
https://doi.org/10.1093/plankt/20.6.1073
私にとっては最初の論文で、修士課程の研究内容です。淡水カイアシ類の休眠戦略について調べたもので、極端な環境変化が発生する環境でも、柔軟な生活史戦略によって世代交代していることが分かりました。この春にご退職される滋賀県立大学の伴先生は当時の私の師匠で、研究の面白さを教えていただきました。
こんばんは。主宰です。
北部薩南海域におけるブルーム観測はもう10年やってきてますが、始まった頃はマアジ仔魚、数年前はサバ類仔魚が多かったのですが、この2月・3月にやった流れ藻観測・ブルーム観測ではマイワシ仔魚(一部カタクチイワシ仔魚も含まれる)が圧倒的に多かったです。1970年代~1990年代にかけて、小型浮魚類は非常に大きな資源変動すること、卓越種が交替していくということを我々日本人は学んだわけですが、10年ほど前からこのような自然現象の再来を感じています。このような現象はたいへん不思議だし研究に値するような大きなネタですが、丁寧に解析していきたいとおもっています。このようなダイナミックな自然現象に興味関心あるみなさん、研究室に来て我々と一緒に研究に没頭して下さい。
昨日、一週間の食料調達のために、食料品店にいきました。鮮魚コーナーをのぞくと、マイワシが並んでました。
3尾で150円ちょっとだから、10~15年前と比べると随分と安いくなったなぁとおもいました。でも、私が小さいの時には数10尾くらい入って数100円くらいだったから(卸売市場で)、もっと資源量が増えてくると安くなるのかもしれません。
となりのマアジをのぞくと、1尾400円。こっちは逆に高くなったなぁと感じました。センベロではアジフライが200円くらいだから、もっと値段があがるとセンベロでたべられなくなるなぁともおもいました。
今は市場・流通が成熟しているので単純ではないだろうけど、価格の低下は資源量増大の影響も多少あるのかな?高くなった安くなったと特定の魚の値段に振り回されるのではなくて、資源変動・魚種交替を正しく理解して、その時代に新鮮で安く手に入るおさかなを楽しむという考えもあってよいかとおもいました。