貸出延長までして読んだ甲斐があった。なかなか興味深い物語。

古代中国で、漢帝国に挑みながらも反乱に破れた遊牧民羌人の首領竜将軍は、体を失いながらも死後もその思いが、竜の舌となり、後世に生き続け、その欲望を果たすために、様々な動物に転移しては、世に動乱を起こしていく。

流砂の小国で巫祝と呼ばれる祈祷や呪術、医術を操る一族の娘は、馬と話ができる少年と愛し合い、不幸にも結ばれることはなかったものの、その思いは竜の舌と同様に、後世に生まれ変わり、竜の舌の野望を打ち砕くべき働く。彼女の持っていた夜光虫と呼ばれる耳飾り一対は離ればなれになりながらも、後世に伝えられ、竜の舌の野望を打ち砕く名剣も人々の手を経て伝わっていく。

竜将軍の幼馴染みで部下だった男は、永遠の命を与えられ、後世に生き続け、竜の舌の活動を助けていく。

こうして、漢、唐、明、日中戦時代を経て、ラストは現代。

竜の舌はコウモリに寄生して、難病を引き起こすウィルスとなり、世界を混乱させるも、巫女の生まれ変わりの救急救命医と、馬使いの少年が生まれ変わったクライマーとなって、ウィルスを撃退し、ついに結ばれることになる。

なかなか面白かったが、続きはあるのかな?

八世紀初頭の唐朝、安録史の反乱の半世紀後の十一代皇帝憲宗の時代を背景に起きた妖怪や仙人、伝説上の魑魅魍魎が跋扈する物語。

唐に留学し、密教仏教を習得した空海、藤原氏に対抗すべく、一族の期待で留学してきたものの、遊興で金を使い果たした橘逸勢は、胡人の娘、許海燕と知り合ったことで、劇的な冒険に旅立つことになる。

皇帝の夢に現れたお告げにより、過去に道士により封じ込められていた妖怪の王が目覚めるのを阻止することになる。その妖怪は二つの目玉だけが生き残り、ひとつは黄仙人が都で封じていて、もうひとつは聖山峨眉山に鉄冠子仙人により封じ込められていた。最近台頭した新たな妖怪、黒屍魔王によりよみがえらせそうだという。それを抹殺するには、二つの目を東方にある火山のなかに投下しないとならないと、黄仙人は教える。さらに、生まれつき青龍の玉を持つものがそれを果たさないとできないと言う。

かくして、青龍の玉をもつ海燕が選ばれ、お供に選ばれたのが空海と逸勢。さらに皇帝に命じられた呂将軍、さらに峨眉山で、黄仙人が死に、後を託した仙人鉄冠子の昇天により、弟子の馬童子が一行に加わる。逸勢の従者鯖麻呂も加わる。

妖怪王を封じる青龍の玉から竜を呼び出す呪文を知る霊獣が、妖怪王に監禁されて、霊力が失われようとしている。

かくして一行の目的は、まず峨眉山にある目を回収し、大神農架で囚われている霊獣を救いだし、呪文を教えられてから、東海の先にある空海や逸勢の故国日本の火山、富士山で目を始末することになる。

呂将軍に随従してきた兵士らは途中で妖怪に殺されたり、反乱軍との戦いで死に、ついには五人だけとなり、なんとか霊獣から呪文を聞き出した。しかし、妖怪王が目覚めるまでもう日数がない。それまでに富士山までたどりつけない。霊獣によれば、妖怪王の目覚めを遅らせる力をもつものが長江の下流のどこかにいると言う。何仙姑という仙人。そう伝えて霊獣も死ぬ。

物語はここで終わる。結末はどうなるのか?知りたいと思うのだが、続編は出るのかな?

公正取引委員会の審議官、白熊楓が奮闘するシリーズ二作目。

前作で、九州に赴任することになった楓が、福岡県のある市にある公正取引委員会九州事務所で活躍する。案件は呉服業界の不正。反物メーカーから不当に返品されたと言う通報が端緒だった。

メーカーと呉服店との間にはいくつもの業者が介在していて、しかも彼らからは楓の事情聴取の訪問を受け付けてもらえない。

とある呉服店に何度も通うが話してもらえない。しかもそこで脅迫状と思われる郵便物を見かけ、よけい心配になるも、店主は事情を話してくれない。九州北部のこの地ではいまだに暴力団が、古強者の県会議員の背後にいて、金になることには首を突っ込んでくる。

脅迫状には、調整にもどれ、という言葉があり、それは何らかのカルテルがあったことを匂わせている。しかし、カルテルは、独占禁止法の第三条にある重大案件で、地方事務所が申し出ても調査をするのは東京の本局扱いになる。それが嫌で調査をしたがらない上司を説得するために楓たちが主張したのは、第十九条案件の納入業者いじめになる不当な返品案件。その調査の審査を受けるために、久々に上京した楓。担当部署は古巣の第六審査課で、懐かしい人と再会する。

経済産業省が推進する着物ファッションショーが京都で開かれることになり、それには関係する北九州の呉服業界も参加する。そこに潜入捜査をして、なんとかカルテル疑惑の一端を知ろうとする楓たち審議官。

楓たち九州事務所審議官は、古巣の本局の第六課の面々と共に、内偵をすることになり、ついには、談合現場に立入検査するものの、直後に暴力団が銃撃する騒ぎになり、せっかくの証拠ビデオを奪われてしまう。

さいわい、県会議員や暴力団と呉服業界の中間で働いていたものが、上司に罵倒されたことで、楓に談合現場のビデオを新たに持ち出してくれたことで、カルテル疑惑の証拠が揃い、案件解決を迎えることになる。

今回、異性関係にうぶな楓の前に現れるのは、内偵の王子と呼ばれる先輩審議官、常磐。内偵して疑惑案件を見つけても最終的には本局に手柄をとられてしまう地方事務所の審議官だが、彼は出世には目をくれずに頑張る男らしい。その代わりに、時間にはルーズだし、待ち合わせた相棒の楓と会うこともまれ。実は旧財閥系のグループ会社常磐グループの御曹司だとわかる。ただ暴力団追放を掲げる県会議員だった伯父の影響で公務員となった彼は、親からは勘当されて審議官になった。ただ、地域の人々には顔が利くし、見た目も色男で、色々ネタを仕入れやすいため、疑惑案件にも触れやすいので、成績はすばらしい。

大学時代の先輩との結婚話はおじゃんになり、エリートの後輩、小勝負とも、過保護の母親からも離れてきたため、寂しさのあまり、次第に常磐に近づいていく。

さいわい、本局の古馴染みと共同で捜査をすることになり、再会した小勝負から、常磐は女たらしだと忠告されたことで、深みにいかなくてすんだ。しかも、常磐は、ラストで地元の親友の殺人に気づきながらも、証拠隠滅などをして犯罪をおかしたことが、小勝負により、あきらかになる。証拠がなくて罪には問えないが、そんな男とは楓は合わないな。

その常磐の策略か、楓は通常は二、三年の地方赴任が半年で切り上げられて、本局に戻ることになる。

次回はまた本局での活躍が見られるのかな?

小勝負の生い立ちもあきらかになり、なぜ楓に引かれるのかもあきらかになり、今後二人がどうなるのか?興味はつかない。