半日かけて、一気読み。よかった。

あるピアノコンクールに出場した四人のピアニストのコンクールの第一次予選から、第二次第三次と勝ち上がり、本選までを描いた作品。

個性的な四人のピアニスト、彼らの生い立ちなどを描くと共に、コンクールでの演奏を分かりやすく描いていたところが分かりやすく、没入できた。

クラシックはあまり詳しくはないし、コンクールで演奏される曲はあまり知らないものが多いものの、じっくり楽しめたのがよかった。

昨日から読みはじめて、ようやく読了。

劇的な事件が起こるわけでもなく、スピーディな展開があるわけでもなく、たんたんと話者が独白する章が羅列していて、最初は少し退屈だったが、読んでいくうちに、何か気になってきて、最後まで読めた。

東京近郊の田舎街の丘の上にある木橋、水無瀬橋で、男の刺殺体が見つかる。

三本の搭と水路が縦横に張り巡らされた、その町は観光名所にもなっている。

死んだ男は平凡な顔立ちで、一年前に会社から失踪していたことがわかる。

偽名を名乗り、町に住み着いた男は、この町に関心があるらしく、町を歩き回ったりして、人目にもついていたが、何が目的なのかはわからなかった。

その後彼と瓜二つの弟や、彼のことを調べるために来た男や女がいて、町でも噂になる。

彼はなぜ死ぬことになったのか?何のために、この町に来たのか?

この町にはある秘密が隠されていた。遥か昔からある仕掛けをかけられていた。そのために作られた三本の搭。高い柱の上に設置された箱形の建物。神を祭るのか、今ではほとんどのものが知らない町の秘密。遥か昔から、この地域の地主であり、建築土木業を営む一族、彼らだけが秘密を知っていた。

死んだ男は映像で見たことを忘れないという能力を持っていて、そうした特殊な能力は一族のなかで時たま現れていたらしい。町の秘密を解明したらしい男は、その能力により早死にする宿命を持っていた。彼の死は自殺だったのか?遺体のそばに凶器が見つからず、他殺と断定した警察はついに犯人を見つけられなかった。

ある日訪れた町を襲う未曾有の豪雨、その結果、町の地下に大量の水がたまり、町は浮き上がる。浮き島状態の町だった。排水では追い付かない水の処理のための、水抜装置が地下に作られていて、その水の放水箇所が三つの搭のある場所だった。そこを建築物で塞がないようにするために建てられた搭。いつしか忘れ去られ、祭祀の場所とか、町のシンボルとなり観光名所になっていた。

新酔いどれ小藤次シリーズ最新作、第26作。前作で、一応完結かと思われたが、どうやら小藤次の息子駿太郎の成長を見守る意味で、まだ少し続くのかな?

江戸、三十間堀近くにある小さな町道場に、家を出た息子が書いたと思われる怪しい証文を持った三兄弟の武士が現れる。大金を返すか、道場を明け渡せと。老いた道場主と跡取りの孫娘の愛を助けることになる小藤次親子。

今や十八才になる駿太郎、小藤次は還暦を迎え、隠居を考える。

町道場の門弟に扮して、末弟を倒した駿太郎。

今回は小藤次よりも活躍する駿太郎。

さらに、乱暴者から助けたことが縁で知り合った旗本の娘との恋の予感も現れてきて、今後どう進展するか楽しみでもあるが。


今作で、佐伯さんの書き下ろし時代小説は300作。最初が「密命」だから、感慨深いな。この時代小説の処女作で、私は佐伯さんにはまった。

今ではいくつものシリーズも完結し、佐伯さんも八十を越えたというのに、最近はいくつかの短めのシリーズを新作したりして、まだまだ書き続けるらしい。

今月から三ヶ月連続で、新シリーズも出るらしい。美濃国出身の凄腕の浪人ものが主人公らしく、岐阜に住むものとして、興味は覚えるが、もういいかなと思っている。私が好きなシリーズで完結していないのは、あと吉原裏同心シリーズだけかな。新作が先に出るから、春まではでなさそうで残念だが、待つしかない。