新酔いどれ小藤次シリーズ最新作、第26作。前作で、一応完結かと思われたが、どうやら小藤次の息子駿太郎の成長を見守る意味で、まだ少し続くのかな?

江戸、三十間堀近くにある小さな町道場に、家を出た息子が書いたと思われる怪しい証文を持った三兄弟の武士が現れる。大金を返すか、道場を明け渡せと。老いた道場主と跡取りの孫娘の愛を助けることになる小藤次親子。

今や十八才になる駿太郎、小藤次は還暦を迎え、隠居を考える。

町道場の門弟に扮して、末弟を倒した駿太郎。

今回は小藤次よりも活躍する駿太郎。

さらに、乱暴者から助けたことが縁で知り合った旗本の娘との恋の予感も現れてきて、今後どう進展するか楽しみでもあるが。


今作で、佐伯さんの書き下ろし時代小説は300作。最初が「密命」だから、感慨深いな。この時代小説の処女作で、私は佐伯さんにはまった。

今ではいくつものシリーズも完結し、佐伯さんも八十を越えたというのに、最近はいくつかの短めのシリーズを新作したりして、まだまだ書き続けるらしい。

今月から三ヶ月連続で、新シリーズも出るらしい。美濃国出身の凄腕の浪人ものが主人公らしく、岐阜に住むものとして、興味は覚えるが、もういいかなと思っている。私が好きなシリーズで完結していないのは、あと吉原裏同心シリーズだけかな。新作が先に出るから、春まではでなさそうで残念だが、待つしかない。