「法と経済学」の視点から~文系院生の生活記録~ -15ページ目

会社乗っ取りと資金調達(アメリカ編)

 企業買収防衛について書いた本は沢山ありますが、乗っ取り方について書いている文献は少ないですな。


 と言う訳で僕がとりあえずココで書くきやす。まぁ初級編ですが・・・。


 普通、M&Aには株式交換をつかうのが一般的ですが、敵対的買収を仕掛けるの場合には使えないわけですね。


 従って現金を調達する必要があります。


 そこで考えられたのがLBO(レバレッジド・バイ・アウト)ってやり方です。80年代のアメリカでKKR社とかがよく使ったやり方です(RJRナビスコ事件など)。


 仕組みはシンプルです。乗っ取る予定の会社の資産を担保に社債を発行するわけです(ハイリスクな社債だからジャンク債と呼ばれています)。そんでもって、乗っ取り後リストラや事業売却により社債を償還するわけです。


 こんなやり方思いつくのがアメリカ的ですね(笑)。


 まぁ、大量解雇と資産売却が行われるわけですから、一般株主と従業員には迷惑な話ですわな。それらの犠牲の上に成り立つ買収方法なわけです。


 アメリカでもジャンク債への批判が強まり、最近では行われなくなりました。




 

内部統制システム批評

 新会社法下で、不祥事を防ぐためにできた制度の一つに「内部統制システム」があります。


 まぁ、判例の中では取締役会は内部統制システム(リスクマネージメント体制およびコンプライアンス体制)の構築すべきだとは言われてました(大和銀行ニューヨーク支店事件など)。


 それが、明文化されたカタチっですな。具体的なシステム設計は会社自治に任され、具体的な法的権限は与えられておりやせん。


 監査役の様な独立性が確保されていない状況でどうチェックしろっちゅうねん!って僕は感じちゃいます。特に不祥事に経営陣が関っている場合には、果てしなく無力でしょう。


 この制度は学者が考えた机上の理論ですな。絶対に形骸化していくはずです


 

修士論文テーマ発表会

 昨日、今日とM2の論文テーマ発表会です。


 昨日はなんかテーマが中国モノの発表ばかりで少しビックリしました。


 経済やってるひとって中国大好きな人が多いのですね。あの巨大な市場を見るとたまらないのでしょうね。


 法律屋の僕としてはチョットついていけませんでしたので、さっさと退席させて頂きました。


 今日はもう少しオモロイ発表が聞きたいですな。

 


修士論文

九州はすでに暑いです。


そろそろ、論文のテーマというか方向性的なものをまとめて、6月末までに出さなきゃならないんですよ。


 もともとココの大学院を受けるときには「コーポレートガバナンスにおける監査役の役割」っていうテーマで研究計画書を提出したのです。


 しかーし、入学後、指導教官より「クラシックな研究だね。今どき、はやなないよ」と一蹴されてしまい、宙に浮いた状態になりやした。


 やっぱし証券取引法かなー。でも、インサイダー取引はもう議論が出尽くしてますし・・・・・・(私の時代は証取法の研究者=インサイダーの研究って構図がありまっした。琉球大の島袋教授とかが有名です)


 まだ研究者が少ない公開買付でもやろっかなー。と考える日々です。

ライブドア事件の資料を捜せ!

 学部のゼミでライブドアの証券取引法違反事件を取り上げるので、資料を集めています。


 ジュリスト、法学セミナー、法学教室、果ては判例時報まで見ましたが、なかなか良い資料が見つかりません。


 日本放送事件の記事は多いのですが・・・・。


 まだ、事件が公判中で、確定していないって事もあるのでしょうが、いかに商法学者が証券取引法を軽くみてたかが解かりますね。

サムライ業の倫理

 青山中央監査法人に一部業務停止命令が下るようです。金融庁は最近元気ですね。


 ともかく、企業の監査を株主から委託されている会計士が、経営陣の作ったインチキ書類を把握しながらOKを出すってのは、最低ですね。


 やっている事が、姉歯元建築士と大差ありません。


 弁護士、会計士、建築士など、後ろに「士」って付いている人たちのことを、僕らの業界ではサムライ業と呼びます。彼らには、その名に恥じない仕事をして頂きたいものですな。

 



委員会設置会社

 度重なる不祥事に対し、従来のドイツ的(と言いながら、本場ドイツとは大分違う)な代表取締役+取締役会+監査役という仕組みに変え、アメリカ型の制度が選択できるようになりました。2002年導入された委員会(等)設置会社(新会社法では「等」がとれた)という制度です。


 制度をかいつまんで申しますと、取締役会を三つの委員会にわけ、そこに過半数以上の社外取締役をブチ込むってやり方です。ようするに、社外取締役の監視機能を利用しましょうという制度ですな。


 この制度に対し、批判もあります。


 ウチの先生は、日本では経営者マーケットが無いから、有能な社外取締役を確保するのが難しい点をあげます。たしかに米国では30歳くらいまで実務をつんだ人がビジネススクールでMBAを取得後、雇われ経営者として科学的経営をするという専門家がたくさんいます。しかし、年功序列が長い間続いた日本では、経営者マーケットってのはまだありませんね。


 導入ご4年経ちますが、採用しているのは100社程。上記の様な理由のためでしょうか、それとも、ただ単に定款変更がメンドクサイだけなのでしょうか?



 

村上さんの目的

 村上さんの要求厳しいですね。


 狙いはどこなんでしょうか?


 おそらく本格的に経営に乗り出し、阪神電鉄さんの企業価値を高める・・・・・ってのは無いでしょう。そんなノウハウはM&Aコンサルティングにはありませんから。


 やはり、投入した資金にプレミアをつけてサッサと回収したいのが本音でしょう。


 結局、なかなか難航している阪急側との交渉を有利に進める為のパフォーマンスなのでしょう。

経営学レポート

 経営学のレポートの締め切り今日なんですよ。


 法律屋出身なんで、正直、経営学は苦手です。


 お気に入りブログにも入れているi-tigerさんのブログからヒントを得て、「選択と集中」って概念を使いながら、サラリーマン時代に取引したある造船所のことを書きました。


 その造船所は、売り上げ700億ぐらいの中手の造船所なんですが、建造整数が年間28隻と、とてつもなく多いのです。理由は建造をバルクキャリアー(貨物船の一種)に特化させていることなんです。ここに「選択と集中」の考え方があらわれています。


 同じタイプの船を連続建造することで作業を単純化そして効率化し、スピードアップとコストダウンに繋げていっているわけですな。


 この「選択と集中」って考え方はもともと、80年代に日本に追い抜かれそうになったアメリカで生れた考え方なのに、逆に日本企業で生かされているってなんか皮肉ですね。

 

記念すべき日

 本日、新会社法が施行されます。


 日経新聞でも社説で二回にわたって取り上げてました。


 この改正で、法律学者だけでな、会計学や経営学のひとも対応に大慌て・・・・。


 以外と学問の世界に与える影響は大きいみたいです。実務ではどうなのかな?どんなに立派な法律でも守ってもらったり、利用してもらってナンボのもんですから。


 追  先月29日に無くなられたハーバード大名誉教授J.K.ガルブレイス氏の御冥福を心からお祈りします。「一流の経済学者と二流の経済学者の違いは歴史の視点があるかないかにかかわっている」という言葉を僕は生涯忘れません。