ゼミ
昨日は4年生。今日は3年生のゼミです。
以前にも書きましたが、3年のゼミではライブドア事件を題材に、M&Aや株式分割についてレジメを作成し、発表、討論をおこなっています。
今回、なぜか私がレジメ作成することになりました。題材は「簡易組織再編」について・・・・・。
この制度、要するに、合併や株式交換するときに相手の会社が超小さいときには株主総会決議がいりませんよという制度です。新会社法になって要件緩和がなされたわけです。
学部生の質問が、トンチンカンでチョット困りました。もうちょっと予習してよー。
4年生の卒論
今日はゼミの日で、ある学部生(♀)が卒論テーマを発表しました。
テーマは「日産とカルロスゴーン」
「・・・・・・・・。」
え~と、このゼミって企業金融法じゃなかったっけ?
まぁ、法律屋としてアドバイスできることは、日産って取締役の数が少ないんですよ。確か9人。
取締役を9人にすることにより意思決定を迅速にすることが可能になります。
で、執行はどうするかというと、執行役員制度(ソニーが始めた)をとるわけです。この執行役員って呼ばれる人たちは、商法上では「重要な使用人」としてあつかわれます。つまり取締役会のメンバーでは無い役員なわけです。
意思決定と執行を分けることで、日産はグローバル化に対応しっていったわけですな・・・・。
という苦肉のアドバイスをしたところ、どうやらお気にめさなかったらしく、テーマ自体を変えるそうです(笑)。
僕の後ろの席の人
後ろの席に座っている女性がいます。この人、学部を主席で卒業してそのまま大学院に上がってきた人なのです。
財務会計の研究をしながら、公認会計士を目指しバリバリ頑張っております。
前にも書きましたが、ウチの大学は会計学を看板にしておりまして、教員も6人と充実しております。自称、「岡山より西では最強」と言っております。
私はあんまり得意な分野ではありませんが・・・。
しかし、会計も会社法を理解する為の大事なツールなのです。例えば最近よく聞く「企業価値」ってやつも財務会計をベースに算出されるわけです。僕も少しだけ頑張ってみようかな・・・。
法学部とロースクール
「 ロースクール(LS)があるから、法学部っていらねーんじゃないの?。アメリカには法学部はねーし。」という議論がまかり通ってます。
そのせいか、法学部の授業自体も手抜きが多くなっています。教員がLSに割かれるためですな。大学としては、LSからの司法試験合格者を一定以上出さないと、LSの認可が取り消されてしまうという恐怖を感じているのです。
どれだけ、手の抜きかと申しますと、僕の母校には商法の講座(僕が在籍当時)として
①会社法4単位
②手形法4単位
③商法総則2単位
④証券取引法2単位・・・隔年で集中講義
⑤保険法2単位・・・・・・・同 上
と計14単位が用意されていました。
今では商法って授業が4単位あるだけなんですよ!
しかも、教えている人商法の先生じゃないんですよー。独禁法と税法の先生が交代で教えてるんです。
ひどくないですか?学部を馬鹿にしてませんか?
そう考えると、私は恵まれた学生時代をすごせたのかも・・・と思います。
今の在学生がかわいそう・・・・。
時代の流れ的に法学部が無くなるのは仕方のないことかもしれませんが、せめて、今在学中の法学部生には出来る限りの教育をしてあげてほしいものです。
会社はみんなのものだよ説
伝統的に商法学者は
「会社は株主様のものじゃー。なぜなら残余財産分配請求権があるからじゃー」
と念仏のように説いてきました。現在でも学会の多数説です。
でも、ライブドアショック以来、この超絶対多数説への疑問が高まっております。
そんでもって、自説を書きます。
僕は会社が株式を公開しているかどうかをまず考えなければならないと思うんですよ。つまり、閉鎖会社と公開会社を一緒に考えるべきではありません。
株式公開をするってことは、誰でも株を買えるってことですよね。つまり全ての人、法人、国までもが、潜在的株主であるって僕は考えるんですよ。つまり公開会社は特定の人の持ち物では無く、共有の財産であるって結論になります。だからこそ会社は全てのステイクホルダーに配慮した経営を行う必要があるわけです。
具体的には、コンプライアンスを重視し、環境や消費者主権への配慮した経営を行い、さらにはメセナへの投資をしていかなければならないわけです。
まぁ、悲しいぐらい理想論ですが・・・・・。
株式交換
ライブドアがM&Aの時に使ってた手段として有名ですね。有効的買収の際よくつかわれます。なんてったって現金がいりませんから。
もともとは、平成9年の独禁法改正で純粋持株会社が解禁(←財閥復活を防ぐため禁止されていた)されたことに伴い出来た制度ですな。よく、銀行再編の時に使われました。
ライブドアの場合、ムチャクチャな株式分割による時価総額アップと組み合わせにより、有利に株式交換を進めていったのでした。
ちなみに新会社法では対価の柔軟化がはかられました。つまり交換するものが、金銭とか親会社の株式とか(三角合併が可能になる)でもよくなったわけです。制度を悪用する人がっでてこないと良いですが・・・・・・・・。
不動産の証券化
不動産の証券化って、これまたメンドウなテーマを卒論に選んだ学部生がいます。
具体的には不動産のキャッシュフローを証券化して、それを売るわけですな。つまり、証券を全部かいしめてもその不動産は自分の物にはなりません(←ココを勘違いしている人多し)
証券化することで流動化、小口化させ、分散投資をはかることができることでリスクが低い割りに、リターンが大きいっていうお得な金融商品です。日本では旧興銀がよく使ったやり方ですな。
だだ、不良債権処理に使うこともあります。ババを引かない為には、購入する前によく目論見書を読みましょう。
瀬島龍三のスタッフシステム
今日は経営学の授業です。今はライン&スタッフシステムについて学んでいます。
スタッフっていうのは要するに軍の参謀みたいなもの。リーダー(主体)への助言と補佐をやる人のことですな。
昔、伊藤忠商事の会長に瀬島龍三ってひとがおりやした。この人もとは陸軍参謀本部作戦課にいたひとです。つまり本物の作戦参謀だった人です。泥沼化していたガタルカナル作戦の中止を進言した人として有名ですね(←ホントかどうかは知らない)。
戦後、シベリアから引き揚げてきた後、伊藤忠に就職します。この人が伊藤忠に本格的スタッフシステムを導入していきました。そして、この参謀本部仕込のスタッフシステムは伊藤忠を繊維中心の中堅商社から、日本屈指の総合商社に押し上げる役割を果たしたのでした(批判や成果を疑問視する声も一部にあります)。
瀬島の言葉です
「戦術的な失敗は戦略で補えるが、戦略的失敗は戦術では補えない」
つまり、大局を見失ってしまったら、小手先のテクニックではどうすることも出来ないってことですね。
先の敗戦から学んだ瀬島の哲学なのでしょう。
* 彼の自伝「幾山河」は一読の価値があります。結構オモロイです。まぁ、半分は俺は凄いんだぜーという自慢話ですから、話半分で読まなければなりませんが・・・。
会社乗っ取りと資金調達(日本編)
昨日のアメリカ編に続き、今日は日本編。さてニッポン放送事件においてライブドアはどうやって巨額の資金調達をしたのでしょうか。
MSCB(Moving Strike Convertible Bond←つづり合ってます?)をリーマンブラザーズに発行したんですね。MSCBを日本語で書けば、転換価格修正条項付転換社債型新株予約権付社債っていいます。長すぎる・・・・・・。同時にホリエモン自身が保有する自社株で、貸株を行いました。これでライブドアは800億円の資金調達ができました。これが日本放送事件の株の買占めに使われたんです。
一方、リーマンブラザーズ側はいかにして儲かるのでしょうか。手法としては
①借りた株を市場で売り、時価を下げておく
②下がった時価のさらに10%オフでMSCBを株に転換する
③それを時価で売る
これでリーマンブラザーズは莫大な利益をえた一方、株価は暴落し一般株主はとんでもない被害を被りました。
要するにこのMSCBは合法であっても、使い方次第で市場を混乱させてしまうシロモノなんですわ。
日経新聞によると東証も「行動基準」を定めMSCB等の規制乗り出すそうです。