『女ぎらい』(上野千鶴子著)と「だいじょうぶ」 | 札幌「マタニティ&産後ケア通信」マドレボニータ@北海道

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最近読んで、胸がすくおもいがしたこの本。
『女ぎらいーニッポンのミソジニー』(上野千鶴子著)。



印象に残った部分を引用しますね。

【引用】「世間は母になった女に『おめでとう』と言い、
母にならなければ女として一人前でないような扱いをしながら、
母になったことで女が抱える負担を少しも分かちあおうとはしない。
女は母になったことで喜びを得るかもしれないが、
それと引き替えに失った代償の大きさに気がつくのは、
産んだあとになってのことだ。」


9年前の長男の産後、まさにこの状態だった。
産めば何とかなるだろうと、
妊娠・出産のこと「だけ」を考えていざ産んでみると、
産んだ瞬間から待ったなしで始まる子育てと、
こんなボロボロの体で子育てできるのかの、底なしの不安。

産後1カ月経って、初めて外出した帰り道。
運転していたら足元からザワザワした不安が押し寄せてきた。
「帰ったらまたずっと抱っこと授乳だ。
いつ寝られるの?いつホッと一息つけるの?
子どもがいる限り、もうお母さんじゃない頃の自分には戻れない。
これからの生活がこわくてたまらない、どうしよう、どうしよう」
とつぶやきながら、まるで子どものようにわぁわぁ泣いたのを、
9年経った今でも忘れられない。

でも、不安、こわいと思っても、それがなぜなのか?まではわからなかった。
だから友人にも夫にも説明できない。
「母は強し」なんだから、弱音を吐いたら母親失格だ。
大丈夫だいじょうぶ、不安を押し殺してでも、私が何とかしなければ。

そんな苦いおもいでを引っ張りだして考えていたら、
facebookで偶然この動画を目にした。



「泣ける」「共感できる」、反対に「寄り添うだけじゃダメだ」と
いろんなコメント・感想が投稿されていた。どちらもなるほど、だ。

私がおもったのは、もうこれからは、「大丈夫だいじょうぶ」と女性(母親)だけで
背負い込まなくてもいいはたらき方・夫婦・家族をつくっていかなければ、ということ。

母親が「大丈夫だいじょうぶ」ってやり過ごす、
それが当たり前にならないように。
「大丈夫だいじょうぶ・・・、なわけないでしょうが!」と、
声を上げられるように。


だって動画を見ながらもおもってしまったもの。
夫は登場しないけれど、この後夫婦はこのことを話し合えたのかな?
「仕事休むのは私だって引け目感じるし、仕事がたまるのはしんどいよ。
なんでいつも私が送り迎えなの?あなたはそのことどう思ってる?」と、
夫にたずねられたのか?


「女性が輝く社会に!」のスローガンを打ち出したり、社会が理解を示しても、
肝心のパートナー(夫)が家事育児で置いてけぼりだったら意味がない。
「仕事なんだから仕方ないだろう!」で済ませられないのがお母さん。
ならばお父さんだって同じはず。

男だ女だ言ってられない、仕事も子育ても全員野球だと、
ファザーリングジャパンの安藤さんも話してた。


もちろん、はたらく母や子育て中の母親の葛藤を積極的に発信して、
理解・啓発をすすめるのは大事。

同時に、当事者の女性が、自分の正直で飾らないおもいを
堂々と表現していくのも同じくらい大事だと思う。
大丈夫だいじょうぶ、と我慢してフタすることなく。


最近、産後クラス卒業生の方から、

「マドレボニータの産後ケアは、
産後の漠然とした孤独感や不安をズバッとことばにしてくれる。
産後の母同士で話し合う中で、かつての自分を取り戻すきっかけを与えてくれる。
母親が元気で笑顔でいるためのヒントを与えてくれる産後クラスに行くと、
産後に行き詰まっていた人も、前に進む勇気が湧いてくる」


そんなことばをいただいた。

当事者の母親・女性に、ちゃんと伝わってる。
そのことにものすごく励まされたのでした。