↑前に書いた通り、次に作る刀はこういう上古刀形状の寸延び短刀にしたいです。聖武天皇の水龍剣を縮小したような刀。
水龍剣↓
全く予算の目途も立たないのですが、どういう拵が良いか考えてしまいます。
>短刀は反りがありません。それに合わせ真っ直ぐな鞘では格好がよくない。それに合わせ反りをつけて姿よく作るのが鞘師の腕の見せ所なのです。
これは知りませんでした。本当にそうなのか少し調べてみました。
http://nosyu-token.jp/shinken/vol_24/A140.htm
https://www.tousyoukai.jp/omamori5/
https://katana-blade.art/omamorikatana/
確かに反りのない刀身でも拵にも反りがあります。剣の拵にも。
・・・・・
ところで、こういう出鮫柄の目貫ってどうやってくっつけているのかなと思い調べてみました↓
目貫は薬煉(くすね)という接着剤で固着ですが
出し目貫は、より接着力が強く柔軟性もある漆(+松脂)を用いるのだろうと思います。
薬煉は松脂と菜種油を煮たもので、金工のヤニ台に使用するものですが、あたためれば溶け、冷ませば硬く固まります。
でも、脆く割れやすい欠点もあります。
あたためれば溶けるので取り外したい場合はこちらを用います。
外れないようにしっかり止める場合は、強力接着剤でもある漆を用いる、と思います。
画像がみつかりませんでしたが辞書のサイトです↓
出し目貫
http://www.weblio.jp/content/%E5%87%BA%E3%81%97%E7%9B%AE%E8%B2%AB
出し目貫(だしめぬき)
打刀拵の多くは、柄を組紐や革紐で巻き締めた柄巻によって滑り止めの効をなしている。これらの場合には目貫を柄糸の内側に巻き込むことになるが、組紐や皮紐を用いない出鮫式の柄は目貫を露出させて漆と松脂で接着固定させている。短刀や脇差の合口拵などにその例が多く、また古式の儀仗用太刀・細太刀・飾太刀なども出し目貫の形態となっている。
・・・・・
なるほど。通常は薬煉で取り付けるので温めれば目貫を取り外せるのですね。出目貫の場合は漆を混ぜると書かれていますので目貫を交換する事は難しそうです。まあ、目貫の交換なんてしないから個人的には取れない方が良いです。
https://nosyudo.jp/our-products/materials/
濃州堂で二種類だけ「出し目貫用」と記載された目貫が売られているのですが、なにが違うのでしょう?
・・・・・
不安なのは出鮫柄にして目貫がとれてしまう事です。簡単にとれないものなのであれば良いのです、無難に柄糸を巻きたい気持ちにもなります。でも、、、
↑41cmの脇差に作った合口拵。
腰刀みたいにしたくて合口拵にして、そのまま使えるように柄糸を巻いたのですが、、、なんとなくダサい感じになってしまいました。合口拵に柄糸を巻いてカッコ良く見えるように作るには、色合いや形状など絶妙なセンスとバランスが必要なのかもしれません。
この脇差はその後完成した大刀に金具を合わせて柄を作りなおしましたが、次回の刀も鍔をつけて手持ちの刀と金具を合わせて小さ刀拵にしても良いかなとも思いつつ、、、
https://www.tousyoukai.jp/omamori5/
月山貞伸(奈良県)
脇指
銘 表:大和住月山貞伸彫同作(花押)
長さ 37.0cm
拵 朱漆塗鞘銀打出鮫合口拵
↑これがとても良いように見えます。長さも37.1cmなので私の構想に近いサイズです。柄糸も巻いてあるし目貫がとれてしまう不安もありません。むしろこれと全く同じのが欲しい。返り角なしで。
・・・・・
柄糸を巻かないと出鮫柄のままでは痛くて握れません。まあ、次回の刀は戦闘用というよりも儀仗・儀礼用の拵にしても良いかなと思うのでスタンダードな出鮫合口拵でも良いのですが。簡単に目貫がとれてしまいさえしなければ。
↑もう一点不安に思うのは、この通りの形だと目釘は茎尻になります。目釘が鮫皮の粒の位置にきてしまいそうです。この点はかなり例外的な構造になってしまういますが問題ないだろうか。
上古刀と同じにするなら目釘ではなくハトメ状の金具で固定するのが正しいと思うのですが、金具を新作するのはものすごく費用がかかるので不可能なので角製の黒い目釘にしたいと考えます。折れやすいかもしれないけど、この刀はどちらかというと戦闘用というより儀礼用の外装なのでそれで構わないかなと思います。
もし将来余裕が出来たら現在の大刀の刀身に太刀拵も作って太刀と短刀の組み合わせにもできるようにしたいとか考えてしまいます。
・・・・・
こうやって具体的な所まで色々と考えてしまうのですが、そもそも資金の目途が全く立たないのであります・・・
・・・・・