第1896回「約100年前の歴史的録音、オスカー・フリートの芸術:Disc 3,4」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日は先日取り上げた「スクリベンダム」から復刻された「オスカー・フリートの芸術」の続きを取り上げます。今回は、Disc 3に収録されたベルリン国立歌劇場管弦楽団とのベートーヴェン交響曲第2番、交響曲第3番「英雄」とDisc 4に収録された同じくベルリン国立歌劇場管弦楽団による交響曲第9番「合唱付き」をみていきます。このうちDisc 3に収録されている2曲はアコースティック録音によるものとなっていて、なおかつ「英雄」は世界初録音となっています。



[Disc 4]
ベートーヴェン作曲:
交響曲第9番 ニ短調作品125「合唱付き」



 オスカー・フリートによるベートーヴェンの交響曲3曲を聴くことができるDisc 3,4。注目的なのは世界初録音となっている交響曲第3番「英雄」もそうだが、1927年録音の「第九」である。「第九」の世界初録音はブルーノ・ザイドラー=ヴィンクラーによる1923年録音のなっているため、世界初録音ではないが、聴きごたえのある貴重な歴史的録音であることは間違いない。


[Disc 3]

・ベートーヴェン:交響曲第2番

録音:1925年10,11月

 比較的に全楽章共通して推進力溢れるエネルギッシュな演奏を聴くことができるようになっている。確かにノイズもあり、そこまで音質が良いようには聴こえないかもしれないが、各楽器が奏でる芯のある音や細かいダイナミクス変化などは明確に聴き取ることができるようになっているのは好印象ととらえて良いだろう。オーケストラ全体としてもバランスが整われており、俊敏かつ迅速なベートーヴェンを聴くことができる。


・ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

録音:1924年7月

 想像していた以上に音質がよかった今回の「英雄」。楽章によってはパワー不足に感じられる面もあるかもしれないが、それを気にすることのないオーケストラ全体におけるバランスの良さが功を奏する形となっている。細部まで細かく演奏される弦楽器の高いアンサンブルや金管楽器のサウンドも素晴らしい。ノイズがあったとしてもそれを気にすることは一切ないエネルギーを感じ取ることのできるフリートの「英雄」だった。


[Disc 4]

・ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付き」
録音:1927年
 正直今回の録音に関してはそこまで音質が悪いというわけではない。むしろ空間的な音の広がりに関しても申し分なく、広々とした壮大なるスケールを特に第4楽章では聴くことができるようになっている。第2楽章では一部分聴き取りづらい箇所があるが、正直それくらいのもので全体的な世界観は思っていた以上に明確にオスカー・フリートの「第九」を楽しむことができたと言えるだろう。ダイレクトに奏でられる弦楽器、軽快ながら鋭さがある木管楽器など、とても1927年録音とは思えない素晴らしい演奏を随所より聴くことができるので、個人的にはフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュによる「第九」を聴いている感覚と同じだったことは間違いない。

 オスカー・フリートによるベートーヴェンの交響曲3曲の録音は今回初めて聴く形となったが、どの演奏に関しても楽しむことができながら聴くことができたので個人的には満足している。さて、次回取り上げる際はDisc 5,6を取り上げる予定だが、こちらには「火の鳥」とブルックナーの交響曲第7番が収録されている。ブルックナーに関しては世界初録音であり、過去に当ブログでも取り上げたことのある演奏だ。レーベルが変わるので音質に関しても変化があるのか注目して聴きたいところである。

https://tower.jp/item/6194453/オスカー・フリートの芸術