第1895回「メシアン監修、チョン・ミョンフン&パリ・バスティーユ管による《トゥーランガリラ》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、オリヴィエ・メシアンによる代表作「トゥーランガリラ交響曲」です。チョン・ミョンフン&パリ・バスティーユ管弦楽団による演奏となっています。SHM-CDで復刻されることもある名盤となっていて、メシアン監修のもと録音された素晴らしい演奏となっています。チョン・ミョンフンによる「トゥーランガリラ交響曲」といえば、23,24,26日に行われる東フィルの曲目でもあります。それを聴く前に当盤を聴くとより楽しめるのではないでしょうか?


「チョン・ミョンフン指揮/東京フィルハーモニー交響楽団」

メシアン作曲:
トゥーランガリラ交響曲



 「トゥーランガリラ交響曲」は現代音楽の中でも特に重要な作品であり、編成が大きすぎるが故に中々演奏される機会がない作品でもある。当盤はメシアン監修のもと録音が行われ、メシアンが理想としていた「トゥーランガリラ交響曲」の演奏を聴くことができるようになっているのは間違いない。最近日経日曜版「名作コンシェルジュ」にも掲載された名盤である。


・メシアン:トゥーランガリラ交響曲

録音:1990年10月

 小澤征爾盤をはじめとしてこれまで何種類もの「トゥーランガリラ交響曲」を聴いてきたが、その中でもまとまりがよくスマートな印象を受ける。これは悪い意味ではなく、現代音楽であるのにも関わらずオーケストラが奏でる音色や和音、響き、ダイナミクスどれをとっても美しいのである。音質が非常に良いという点も大きな影響を与えていることは間違いないだろう。テンポの緩急からなる荒々しさもなく、全てがベストな状態で演奏が奏でられている。大編成オーケストラによる演奏ではあるが、透き通るように美しい音色を各楽器の演奏から聴くことができ、不協和音があったとしても美しく感じる。細部まで細かくこだわり抜かれたチョン・ミョンフンによるアプローチもあり、メシアンが求めていた世界観へとたどり着いたと言えるだろう。何回でも聴きたくなる凄みあるエネルギーを体感できる名盤だ。


 録音技術が日々向上していく中で、現代音楽作品の録音がその技術で録音されていくことは今日において非常に重要なことであると私は考える。複雑性の強い曲ほど再演が少ないかもしれないが、一度火がつけばその後繰り返し演奏されるような名曲が多数現代音楽には存在していると言えるだろう。そういう意味では「トゥーランガリラ交響曲」をN響以外のオーケストラ演奏で聴くことができるというのは非常考え深いものがある。演奏会に行かれる方はぜひ楽しんでいただければと思う。

https://classical.music.apple.com/jp/album/1452212341?l=ja-JP