単なる夫婦喧嘩にうんざり・・・『王と私』 ③ | コワれるまで ALLORA

単なる夫婦喧嘩にうんざり・・・『王と私』 ③

六根壺 『王と私(ワングァ ナ) (2007年)、40話を超えました。
後半戦です。

2007年作とちょい古めなので、まだ輸出とか考えていない作品でしょう。
女性の髪型なんか、思いっきり 加髢(カチェ)バリバリの宮廷劇です。

さあて、だんだん分かってきました。
最初は 内侍(ネシ)の世界だから緑色の官服・・・にしてはト内官(ハン・ジョンス)のような、内禁衛(ネグミ)みたいな役職の人がいたり。
なんか組織が2重。

いくら内侍が主人公のドラマだからと言って、そこまで宦官だらけでなくても・・・
と思ったのですが、観続けていくと そうじゃないことを感じてきました。

これは朝廷の話じゃなくて、王宮の話なんだ、と。

行政組織である朝廷に 人民を管轄する警察機構があるように、王宮内には内命婦(ネミョンブ)と内侍府があって、どっちにも監察府が(カムチャルブ)あったり。
(実は、かんざしトンイ(Dong Yi) (2010年)に登場したこの監察府はフィクションで、内命婦の内部にはそんな組織は実在しなかったようです)

ということで、私はこのドラマで 初めて、王宮内を管理する組織機構と、国政を司る組織機構とは違うんだな、ということを実感しました。

ただ、護衛内侍なんか他のドラマでは出てきません。

今のところ 『王と私』は内侍府の組織をリストラしスリム化してしまおうという朝廷側の攻撃がすさまじいです。
ドラマが進展していくにつれて、あんな近衛兵みたいな組織は廃止されていくのかもしれません。



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それにしても、この王朝内だけの狭い世界でのゴタゴタ、なんとなく、 妃 『張禧嬪』((チャン・ヒビン)2002年)の様相を呈してきました。

第30話を過ぎて、ドラマのテーマは突然“愛欲”というか、“色々なカタチの愛"という、昼メロみたいになってしまいました 叫び

なかなかしっかりものだと思っていた 第9代国王成宗((ソンジョン)コ・ジュウォン)が、於乙于同(オウルウドン) (キム・サラン) 相手に浮気を始めます。

で、こちらも気丈な女性だと思っていた中殿(ク・ヘソン) が頭カチカチで、仁粹(インス)大妃(テビ)(チョン・イナ)や側室たちをはじめ、部下の女官たちに、やたらカリカリ怒りっぽい。

どっしり構えていればいいのに、変に動くものだからどんどんドツボにはまっていくし。
愚かですよ、この人。


この夫婦のごたごたは、いくら王宮言葉で飾っても、私には不倫した夫と本妻との醜いケンカにしか見えません。

ま、「王は無恥」という言葉もあったそうですから、王様は(イングム)何人の女性と交際してもいいそうですが。

それにしても、「もう会わない」と言いつつ、言い訳ばかりでまたオウドンに会いに行くソンジュンには げんなり。
これじゃ、母の苦悩を見ていた息子は、グレますよ。
(実際に燕山(ヨンサン)君は暴君になりました)

あと同僚や義父らの、女官と宦官との許されざる恋とかが入り混じって、主人公キム・チョソン(オ・マンソク)は悩みます。

観ていて うんざり・・・

まぁ、女性視聴者にはいいんでしょうね、こういうの。

でも私には、観てもイライラが募るばかりで、ドラマ鑑賞が明日の活力になんないですね。



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本項でも、ちょっと注目したいキャストを。

王と私

オウドンの侍女、キルニョ。

演じているのは、shokopon T-ara のハム・ウンジョン。
映画 『ホワイト:呪いのメロディ』(2011年)の頃よりも若く、もっさりしてます。


あと、本作後半になって登場する、下級官僚の娘ケヒャン。

王と私

演じているのはホン・ソヒ。
本作ではあまり重要な役どころではありませんでしたが、本作と同年に放映された 華 『 シークレット・ルーム ~榮華館の艶女たち~ 』 (原題:매디컬(メディコル)(治色)妓房(キバン) 2007年) では、主役を演じています。