北海道の春先に多い雨漏りのような住宅トラブル「すが漏り」。
すが漏れ、とも呼ばれます。
今日はこの寒冷地・多雪地域に多い住宅トラブルについて書きたいと思います。
冬や雪解けの時期に暖かい日が数日続くと、弊社北工房宛てに「雨漏り」のご相談が増加します。
板金屋さんに頼んで直してもらったのに繰り返し雨漏りするので見に来てほしい、去年に屋根防水をやり替えたばかりなのに雨漏りをしたなど、どうしたら雨漏りが止まるのかわからず困り果ててお問い合わせをくださるお客様が多いです。
しかし、それ「雨漏り」じゃないので、屋根を直しただけじゃダメなんです!!
ということで、ますはすが漏りってなんだべさ?というところから解説します。
◆すが漏れ(すが漏り)のメカニズム
屋根に雪が積もり、春先の日差しや室内の暖気によって屋根に積もった雪が解ける。
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気温の低下によって、軒先で凍る。(夜~早朝にかけてなど)
これが「つらら」です。
↓
これが繰り返されると、軒先で凍った氷の塊が堤防となり、屋根の上はダムのように水が溜まってしまいます。
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行き場のなくなった雪解け水が馳(はぜ:屋根の板金の継ぎ目)から染みて、雨漏りのように室内へと漏水します。
見た目は屋根裏や天井付近から漏水してくるので「雨漏りだ!」「どこか防水が切れている」「屋根を直さなくては…」と感じてしまうのですが、屋根が健康な状態でも、凍ったり解けたりを繰り返すことで板金の継ぎ目などを押し広げ、そこから漏水するのです。
そのため、雨が降っていなくても漏ってきます。
また、屋根の形状が三角でも四角でも斜めでもスノーダクト屋根でも発生します。
・軒先につららがたくさんある
・冬場に晴れているのに漏水してきた
・軒天に塗料の浮き・剥がれや水染み跡がある
こんな症状があったら、それは雨漏りではなくスガモリです!!
◆すが漏り(すが漏れ)を防ぐために
漏水の原因が屋根自体にある場合もあるため、屋根の修理や防水性能をあげることで雨漏りが止まる可能性もありますが、すが漏りだった場合、原因はそもそも室内と屋外の温度差によって屋根上の雪が解けることにあります。
どんなに屋根を修理しても、天井の断熱性能が低いと、室内の暖気がダイレクトに屋根に伝わることによって雪が解け、凍り、すが漏りが発生します。
すが漏りを防ぐには天井の断熱強化!!
屋根の雪やつららをこまめに落とす、屋根裏と外気の温度差を無くすために屋根裏に外の空気を入れる(通気させる)ことも効果的ですが、天井の断熱強化が最も有効な方法といえます。
↓実際のホームインスペクション(住宅診断)の現場で発見された、屋根裏の断熱材が一部全く敷かれていなかった様子。
◆漏水の被害
雨漏りとすが漏りは発生のメカニズムが異なりますが、室内に入り込んだ水が木材を腐食・腐朽させ、住宅の耐久性を低下させたり、湿気によりカビを発生させる点では被害リスクは雨漏りと同じです。
↓実際のホームインスペクション(住宅診断)の現場で発見された、繰り返し発生した漏水の後。
↓実際のホームインスペクション(住宅診断)の現場で発見された、屋根裏の蟻害(ぎがい)の様子。
(蟻は湿度の高いところを好みます)
カビや蟻害や腐朽によって木材の強度が落ちると、建物の耐震性に影響を及ぼします。
被害が拡大して手の施しようがなくなってしまう前に、気づいた時点で早めの対策を取ることが必要です。
◆瑕疵(かし)保険の保険金の支払対象外です
「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」については保険の対象となる瑕疵担保責任保険(新築)・既存住宅売買瑕疵保険(中古)ですが、すが漏りは保険金の支払対象外なのをご存知でしょうか!?
すが漏りは「瑕疵(かし)」(不具合・欠陥)とは認められないためです。
なんとなく「保険に入ったから大丈夫!」と思いがちですが、瑕疵保険ではすが漏りは保証してくれません。
雨漏りとすが漏りがそもそも原因や対処法が異なることを理解し、症状に合った対策を早めに行うことが重要です。
判断ができない場合には、北工房へまずはご相談いただければと思います。
(2023年2月28日追記)
※こちらのブログで、すが漏りは瑕疵(かし)保険の保険金の支払対象外ですと記載いたしましたが、室内側への漏水の場合は対象となる等、保険会社や状況によって対応が異なるようなので、お詫びして訂正させていただきます。
ご加入されている保険会社(被保険者)までお問い合わせください。

















