なんだこの怪獣は…
え? 植物? バラ…? バラ怪獣!
なんという美しさなのか!!!!(ゴクリ)
ゴジラを利用していくアイデアの登場
あらすじは、科学の挑戦だ。
前作『ゴジラ』(1984) で崩壊した新宿。
その直後から始まるストーリーである。
前作をきちんと踏まえた設定。
あちこちにゴジラの痕跡があるのも生々しい。
いつまでもゴジラにやられているのは能がないじゃないか。
そう思った人間が、良いことを思いついてしまう。
むしろゴジラを利用していこう。
原子力の平和利用と同様の計画だ。
ゴジラの細胞=G細胞を使っていこう!という思いつき。
イヤな予感がする。
案の定、G細胞をめぐるイザコザが発生。
今回はビオランテという猛烈な存在感を放つ怪獣が登場するのですけれど、まずは人間がメイン。
銃撃もカーチェイスもある。
バンバン撃ったりもする。
監督、もっとビオランテが見たいです。
怪獣&キャスト&スタッフ
ゴジラは首が太くなり、鼻もどっしり、歯も増えて舌も動きまくり、動物の匂いが高まった。人類の敵だったはずだが、ゴジラのピンチにはつい応援してしまう段階に突入。
↑これがビオランテである。ナニコレ! 悪夢! バラとG細胞を融合させるキテレツなアイデア。ゴジラ界でいえば『ゴジラ対ヘドラ』に並ぶ特異さ。生い立ち、造形にシビれる! おぞましくて美しい。
三田村邦彦がイケメン。若手研究員とは思えない活躍ぶり。
峰岸徹があらゆる場所に顔を出すので、そもそもの役職は何だか分からなくなったが、確認しましたところ自衛隊員であった。
沢口靖子は前作に続いて出演。ただ、別の役なので混乱。
スーちゃんこと田中好子の腰の細さ!
小高恵美は見る度に、いつも超能力少女の印象。
ザ・貫禄の金田龍之介と、対極にいる久我美子の上品。
鈴木京香と豊原功補が端役にいて驚く。
教授役の高橋幸治は心が死んだ役柄だからか、表情が変わらないのでやたらと怖い。全部あなたのせいなのだけれど、同情せずにいられない。
ボタンひとつで敵を殺る高嶋政伸がいちばん怖い。
音楽は聞きなれたウキウキ感だと思ったら、すぎやまこういちであった! もちろん、要所に使われる伊福部昭のテーマ曲が映画を否応なしに盛り上げる。
大森一樹監督、初めてのゴジラ映画だ。ここから計4作品のゴジラを送り出すことになる。当時は驚きの監督決定だった記憶が。恋愛ドラマがあるのは大森監督ならではかもしれない。ラスト間際の恋人同士の会話は突然の下ネタかと笑ってしまって、ごめんなさい。
VSゴジラ・シリーズの幕開け
原案の小林普一郎氏は一般公募、監督も川北紘一特技監督も音楽も、新しい起用だ。
ゴジラをただ討つのではなく、細胞に着目するアイデアが斬新。
SF要素も大きくなった。
これらが『シン・ゴジラ』に継承されていったとは、胸熱。
特撮シーンは素晴らしく、夜の破壊が映える。
大阪の高層ビル街を練り歩く巨体。
あえての、大阪城。
ビルの崩れ方が素晴らしい。
私事ながら、TWIN21ビルに気づいてハッとした。
大阪在住時に健康診断を受けた場所じゃないですかー!(興奮)
噴煙と炎を背景に立ち上がる大怪獣。
前作に引き続いての薩摩剣八郎ゴジラが、カッコよろしい。
ビオランテの毒霧、いや、ゲロといったほうがいいでしょうか。
ゲーされて、げんなりするゴジラも良い。
本作の興行収入は前作に比べて低かったようだけれど、平成ゴジラのVS構図はここからシリーズ化している。
まだまだ楽しめるとは、ワクワクしてまいりました。
1989年製作/105分/日本
配給:東宝
監督・脚本:大森一樹/特技監督:川北紘一/原案:小林普一郎/制作:田中友幸/プロデューサー:富山省吾/絵コンテ:杉田篤彦、鈴木典孝、破李拳竜/デザインワークス:松原裕志、創一機、福地仁、西川伸司、横山宏、ヤン・チュン/撮影:加藤雄大/美術:育野重一/装置:鈴木栄二/組付:笠原良樹/装飾:田代昭男/電飾:稲畑秀男/音楽:すぎやまこういち/音楽プロデューサー:岩瀬政雄/ゴジラ・テーマ曲:伊福部昭/録音:宮内一男/音響効果:伊藤進一/照明:栗木原毅/編集:池田美千子/特技撮影:江口憲一/特技美術:大澤哲三、長沼孝/特技照明:斉藤薫/特技スチール:中尾孝/特技編集:八木沼由加里/繰演:松本光司/特殊効果:渡辺忠昭、久米攻/特技装置:野村安雄/出演:三田村邦彦、田中好子、高橋幸治、金田龍之介、高嶋政伸、峰岸徹、小高恵美、沢口靖子、久我美子、永島敏行、佐々木勝彦、鈴木京香、豊原功補、相良晴子、デーモン閣下、薩摩剣八郎(ゴジラ)
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