おはようございます。
今日からは、まだ記憶に新しい2015年の芥川賞受賞作である「スクラップ・アンド・ビルド(著書:羽田圭介)」を読んで感じたことを4回にわたって書いていこうと思います。
2015年の芥川賞といえば、芸人ピース又吉直樹さんの「火花」が話題となり、テレビでもよくとりただされていました。同時受賞の羽田圭介さんは、今ではクイズ番組などでもよく出演しておりご覧になられたこともある方が多いと思います。
この方の書いた「スクラップ・アンド・ビルド」という本は、みなさま読みましたでしょうか。
私は、同業者の人に勧められて、読みましたが、なかなか衝撃を受けました。
まだご覧になられていない方に対して、ごく簡単に説明すると、主人公の健斗(無職)は、資格勉強と就職活動をする傍ら、祖父介護をしており、その中で繰り広げられる健斗と祖父のやりとりが、介護を必要とする人がいる家族の複雑な心情を表している作品です。
この作品の中で私は以下の4つのキーワードをあげてみました。
1. 健康寿命
2. プラス介護とマイナス介護
3. 高齢者心理
4. 尊厳死
私は、理学療法士というリハビリテーションを提供する仕事に従事しており、現在では病院やデイサービス、在宅といった場面で仕事をしております。上にあげた4つのテーマに関して、改めて考えさせられた良い機会だと思いました。
本日は、1つ目の『健康寿命』について書いていきます。
最近では、一般の方々にもだいぶ健康寿命という考え方が浸透してきているかと思います。
健康寿命とは、健康上の問題がなく日常生活が送れる期間のことです。いわゆる平均寿命と健康寿命の差が、少ないと最後まで健康で生き生きとした生活が送れるということになります。
少し過去のデータになりますが、厚生労働省が出している平均寿命と健康寿命の差を表したグラフになります。
近年、平均寿命が延びるとともに、健康寿命の伸びも伸びている傾向にあります。
2013年の時点で、平均寿命と健康寿命の差が、男性9.02歳、女性12.4歳であり、この期間、健康上に何らかの問題を来たして、生活を送っている期間となります。
例えば、介護保険を受けることができる要介護や要支援を受けている人の原因として、上記の身体的問題が挙げられています。認知症や脳血管障害(いわゆる脳卒中)を抑えて最も多いのが、運動器の障害(骨折や加齢などによる筋骨格の問題)となっています。
しかし、本の中の健斗の祖父は、幸いにも病院での検査では何の問題もない状態で、年齢も87歳であり上記の健康寿命も余裕で超えています。
さらには、家族が見ていないところでは、もっと身体能力高いのでは?と予感されるような場面も描かれています。
私が臨床上経験する中で、健斗の祖父のような高齢者は、少なくないような印象を受けます。
身体的ではなく、高齢者特有の心理的な問題も抱えているのではないかと感じています。
つまり、身体は元気でも、気持ちの面で身体についてこない高齢者です。
こちらに関しても、今後書いていきたいと思います。祖父のように身体は比較的動くことができ、それほど介護なく生活できるが、「早く死にたい」と言い続けて、死を待つ高齢者を見ている家族(健斗)も辛いものがあります。
そういった方々を少しでも減らしたいという思いもあり、理学療法士として日々奮闘しています。葛藤の中での、健斗の「プラス介護」という考えは、デイサービスという介護施設で働く自分にとって、考え直さなければいけないと感じました。
次回は、祖父の願望を叶えてあげるために健斗が考えた「プラス介護」について書いていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。










