このブログでは、筋力に頼ることを否定し、無駄な力を抜いて「重力と骨格の協調」の重要性について書いてきました。
しかし、小中学校や高校時代に筋力や体力をつけることを全て否定しているのではありません。
若いときは、血気盛んでありますし、筋肉隆々にあこがれることもあるでしょう。
重力に逆らって飛び跳ねたくなるのが若者らしいとも思いますし、自分自身もそうでした。
過去の達人たちも現代の古流の達人たちも、若い頃は筋肉隆々だった方々も多いように思います。
とことん筋力に頼った稽古を積み上げた上で「これでは先がない」と方向転換したように思います。
イチロー選手も筋トレに励んだ時期もあったようですが方向転換したことを語っていました。
私は日中は事務仕事であるため、長時間パソコンの前に座っています。
移動は出来るだけ徒歩や自転車を取り入れますが、時間があるときは限られるので、もちろん車も使います。
そうなりますとやはり極端な運動不足ですね。
こんな生活の50代の私が、今現在、筋力不足を感じていない理由は、身体の使い方にもありますが、若い頃の筋肉の貯金があるからかもしれません。
昔は武士も農民もほとんど徒歩だったわけで、連日でも50kmぐらいは普通の人でも難なく歩けたということですから、現代人の生活環境とは大違いなわけです。
昔の人は体力もさることながら歩行技術も高かったことでしょう。
必要な筋力は自然に強化され、現代人とは比較ににならないほど実用的な筋肉が発達していたと考えられます。
ですから、現代人は全身の関節が連動するために筋力が足りていない部分は補強していいと思います。
見せびらかしたくなるような筋肉隆々を目的とする筋力アップを「目標」にするのは非効率なのですが、全身の連動のために、バランスのよい筋力の補強は大切なことかもしれません。
自分の力みを感じ取りながら「抜く」ということもよくできるように研鑽しつつ、自分の身体を注意深く観察し、「重力と骨格の協調」のために筋力バランスも柔軟バランスも含めて身体全体を調整することが大切だと感じています。
身体操作の上達のためには、身体調整の上達も不可避だと考えます。
関連記事