コインのグレード

グレードが高ければ高いほどコインの価値は高くなります。

と書きましたが、コインのグレード評価の問題点では次の事を指摘しました。

1)コインを再鑑定に出すと異なる評価になる事がある。

2)同一グレードのコインを比較しても品質が異なるように見える事がある。

3)異なるグレードのコインを比較しても品質が同じように見える事がある。

つまり、グレードはコインの価格を決める重要な要因であるにもかかわらず

必ずしもコインの品質、あるいは、見映えを的確に評価しているわけではありません。

そのような不確かなもので価格が左右されるのはどうだろう?という疑念も湧きますが

NGCやPCGSのグレードが落札価格に与える影響は海外より日本の方が強いと思います。

 

グレードではありませんが、通常貨かプルーフか、後に統合されるような鑑定でも

海外より日本の方が落札価格に強い影響を与えていた例を以前レポートしました。

参照:通常貨・プルーフの鑑別が落札価格に与えた影響

 

今回は同一コインなのにグレードが違うだけで落札価格が劇的に変わった例を紹介します。

 

Nurnberg 1680 Taler 28.84g KM202

2019年に落札された時はNGC-MS61でしたが

https://www.auction-world.co/library/item_130061.html

2022年にNGC-MS63とアップグレードされて出品されました。

https://www.auction-world.co/library/item_204321.html

同じ鑑定業者で再鑑定して2つもグレードが上がること自体、?なのですが

驚くべきは落札価格、2019年16万6000円→2022年80万円!

実に、4.8倍も高騰しています!!

 

もちろん、出品時期も影響しているでしょう、2022年はコイン高騰が激しい年でした。

しかし、それを考慮しても、4.8倍の高騰にはビックリ!

同一コインで63万4000円もの価格上昇です。

 

自分にとってコイン収集は金儲けの手段ではありませんが

コインを割安額で入手する努力より

鑑定業者に何度も依頼してグレードの数字を高くする努力の方が利益に繋がりそうです。