コインのグレード(grade)とは品質のこと。

グレードが高いほど稀少性があり、また、誰もが品質が高いコインを求めます。

その結果、グレードが高いほどコインの価値は高くなります。

故に、グレードはコイン収集において重要なポイントなのですが

グレードの解説はややこしく、更に、米国と欧州・日本でグレードの評価が異なります。

*米国では1~70、欧州・日本では10段階で評価

このため、グレードはコイン収集において最初につまずくポイントになりえます。

そこで、本やインターネットで得た情報を元に自分流でまとめたものが次の表です。

光沢キズの有無デザインや年号額面の劣化状態が注目点になっていますが

これらはコインの流通過程で生じる変化に相当し

製造時の状態に近いほどグレード、つまり、品質が高いとされます。

 

コイン収集を始める上で、とりあえず、重要なことは以下の2つでしょう。

 

①収集対象はデザインの詳細な部分まで明瞭な極美品(ごくびひん)以上

米国式ならAU50-58 grade以上に相当します。

極めて稀少なアンティークコインではデザインの主要な部分が明瞭であれば良しとします。

これは、美品、米国式ならXF40-45に相当します

②アンティークコインで稀少とされ高く評価される品質はキズが少ない準未使用以上

米国式ならMS gradeに相当します。

AU58と比べてMS gradeになると著しく価格が高くなることがあります。

 

更に詳しく解説すると下記の通り。

 

光沢について

コインが製造された直後の表面分子の構造は特殊で

車輪状(cart wheel)と表現される中心部から周辺部へ広がる独特な光沢があります。

コインを洗浄したりすると輝きが戻ることもありますが

表面分子構造が乱されているため車輪状の独特な光沢は戻ることがないとされています。

こうした人為的な輝きを有するコインはDetails:訳ありと鑑定され価値が下がります。

 

キズについて

製造されたコインは袋(bag)に詰められますが

この際にコイン同士がぶつかる事により表面に細かいキズが少しできることがあります。

これはbag marksと呼ばれ、未使用のコインでも見られる細かいキズです。

そして、流通過程で細かいとは言えないキズが増えていき品質が低下します。

なお、コインを布などで拭いたりするとhairlinesと呼ばれる細いキズがつきます。

あるいは、コインを手荒に扱うとscratchesと呼ばれる引っ掻きキズがつきます。

こうした人為的なキズがついたコインはDetails:訳ありと鑑定され価値が下がります。

 

摩耗について

流通過程で財布の生地や人の手などによりコインは摩耗していきますが

まず、デザインの詳細な部分が不明瞭になり、続いて、主要な部分も不明瞭になっていきます。

更に摩耗が進むと年号や額面すら不明瞭になっていきます。

 

 以上がコインのグレードの概要ですが

 このグレード評価(grading)には疑問点や問題点があります・・・つづく