地金価値で金貨を落札したら、どうしますか?
気に入った金貨なら末長く手元に置いておきます。
換金の必要が生じたら?、あるいは、そもそも売買差益を狙う投機目的であったら?
金地金価格が8000円/gの時に
10gの金貨(金含有率0.9)を地金価値で落札した場合を想定してみます。
手数料込落札価格=8000x10x0.9=7万2000円・・・これが入手時総額
①オークションに出品:出品手続きから清算まで約半年
地金価値の金貨ですから、やはり、地金価値で落札されたとしましょう。
金地金価格が8000円/gのままであれば、手数料10%・消費税10%として
手数料込落札価格=7万2000円→手数料抜落札価格x1.11=7万2000円
→手数料抜落札価格=6万4865円
→収益=6万4865円x0.89=5万7730円
→収支=5万7730円−7万2000円=−1万4270円
→損益%=−1万4270円/7万2000円x100≒−19.8%
・・・入手時総額に対して約20%の赤字
地金価値で落札しても出品した際の落札価格が変わらなければ
これまで検討した通り、入手時総額の約20%は損失になるのです。
参照:資産保全としてコイン収集:本日2本目・金地金と金貨の含み損%
なお、金地金が高騰すれば、それに応じて落札価格も上がるため
損益%がプラス、つまり、利益が出る可能性もあります。
もっとも、利益目的なら金貨より金地金を入手した方が良いでしょう。
参照:金貨と金地金、パート2
②換金ショップで買取:その場で清算
金含有率0.9=K21.6の場合、公示金地金買値の93.3%で買い取られます。
そして、公示金地金買値は公示金地金売値の98.3〜98.8%ですので
今回は98.5%とします。
公示金地金売値とは金地金価格のこと、これが8000円/gなら
公示金地金買値は8000x0.985=7880円/gとなり
換金ショップ買取価格は7880x0.933=7352円/g金となります。
したがって、買取での収益は7352x10x0.9=6万6168円。
これはオークションでの収益5万7730円より高くなりますが
それでも6万6168円−7万2000円=−5832円
→損益%=−5832円/7万2000円x100=−8.1%
・・・入手時総額に対して8.1%の赤字
要するに
金地金価格(公示金地金売値)x0.985=公示金地金買値
公示金地金買値x0.933=換金ショップ買取価格ですから
換金ショップ買取価格=金地金価格x0.985x0.933=金地金価格x0.919
→損益%=(換金ショップ買取価格ー金地金価格)/金地金価格x100
=(金地金価格x0.919ー金地金価格)/金地金価格x100
=(0.919−1)x100=−8.1%
となるわけです。
ちなみに、換金ショップ買取価格/公示金地金買値x100は
K24:94.0%、K22:95.8%、K21.6:93.3%
K20:96.8%、K18:100%、K12:80%
ですので、損益%は
K24:−7.4%、K22:−5.6%、K21.6:−8.1%
K20:−4.7%、K18:−1.5%、K12:−21.2%
K12(金含有率0.5)以外の金貨は換金ショップで買い取ってもらった方が
オークションに出品して同額で落札されるよりも損失が小さくなります。
もちろん、金地金が高騰すれば、それに応じて利益が出るでしょう。