コインの価値はオークションで落札価格として現れますが、その度に変動するものです。

過去の落札記録を調べてみると、最高値/最安値>2となっていることもあります。

 

国内落札→海外出品となった海外金貨の運命は?!

McKinley記念金貨MS65が国内落札→海外出品で0.49倍、つまり、半値程度になった

とレポートしましたが、更に、この金貨について調べてみると

落札価格が非常に興味深い動向を示していることが分かりました。

 

MS65の各年平均落札価格:Heritage Auctionsの記録から作成

参照:McKinley記念金貨の落札価格動向

 

最高値4312ドル(2006年)/最安値504ドル(2019年)=8.56倍

2006年最高値→2019年最安値とすれば、504ドル/4312ドル=0.12倍

先ほどの0.49倍がまだマシに見えてしまいます。

 

ここまで下落してしまう要因はMcKinley記念金貨の落札価格動向、その2で検討しました。

そもそも2000~4000ドルもするほどの稀少性がなかったという結論(推測?)でしたが

なぜ稀少とは言えない、しかも、5gに満たない超小型金貨にそこまでの高値をつけたのか

原因までは分かりません;かつて、その価格で欲しい人がいたとしか言えないでしょう。

そう、その価格で欲しい人がいたということこそコインの価値の本質なのかもしれません。

コインに限らず絵画や壺・茶器など芸術品の価値の本質も同じではないでしょうか?

 

さて、この金貨の価格動向は決して典型的ではありませんが、留意すべき点は

1993〜2006年、つまり、10年以上の長きに渡り

3000ドル以上を何度も記録してきた金貨でさえ後に高々1000ドル程度になってしまう

という恐ろしい現実です。

こうした点だけ見てしまうと、資産保全にコインは不適当という結論になってしまいそうです。

確かに、資産保全という点だけに注目すれば金貨より、あるいは、金製メダルより金地金ですが。

参照:金貨と金地金、パート2金製メダルと金地金

もちろん、コイン収集の目的は単なる資産保全だけではありません、趣味でもあるのです。

ただ、こうした恐ろしい価値変動を知れば資金を闇雲に投じることを自重できるかもしれません。