ナポレオン金貨で考える金貨の買い時

ヤング・エリザベス5ポンド金貨プルーフの価格動向

米国2009年20ドル金貨Ultra High Reliefの価格動向

などでは大型金貨(重量20g以上)の価格動向を調べました。

 

今回は小型金貨(重量10g未満)の価格動向を調べてみました。

アンティーク金貨はナポレオン3世無冠20フラン金貨を

モダン金貨はヤング・エリザベスSovereign:ソブリン金貨を対象にするつもりでしたが

オークション・ワールドで落札価格を調べてみると

ナポレオン3世無冠20フラン金貨はNGC/PCGS鑑定済が少なく

価格動向を調べるには不十分でした。

 

ナポレオン3世無冠20フラン金貨は1853~1860年に発行されましたが

1855D(Lyon鋳造)と1856BB(Strasbourg鋳造)以外、発行数は100万枚以上。

稀少ではない小型金貨は鑑定するに値しない?

ならば、ナポレオン3世有冠20フラン金貨ならどうか?

1861~1870年に発行され、1870A(Paris鋳造)以外、発行数は100万枚以上。

やはり、NGC/PCGS鑑定済の記録は少ないことが分かりました。

 

やむをえず、ヤング・エリザベスのソブリン金貨のみを対象としました。

基本スペック:https://en.numista.com/catalogue/pieces12812.html

重量7.98g(金含有率0.9167)、直径22mm、カタログ番号KM919

1979年 5万枚、1980年 8~9万枚、1981年 3.3万枚

1982年 2.3万枚、1983年 2.1万枚、1984年 2万枚

発行数は、いずれの年も2万枚以上ですので、全ての年を対象としました。

 

ヤング・エリザベスのソブリン金貨 PF69UC(PR69DCも含む)

オークション・ワールドでの落札価格(手数料抜)

2017年 3.8万円

2018年 4万円、4.85万円、5.8万円・・・平均4.88万円

2019年 4.8万円

2020年 3.9万円、4.5万円、5万円・・・平均4.47万円

 

辛うじて価格動向を追えますが、記録数が乏しいため精度は落ちるでしょう。

ですので、断言は難しいのですが

2017年から2018年にかけて価格が上昇し、以後、そのレベルをほぼ維持している感じです。

つまり、2017年→2018年を除くと、年による価格変動が少ないようです。

 

5ポンド金貨PF69UC(特年1982年を除く)の平均落札価格動向↓とは全く異なります。

 

全体を通じての最高値5.8万円・最安値3.8万円の差額は2万円

これは最高値の34.5%、最安値の52.6%に相当します。

 

ちなみに、5ポンド金貨PF69UC(特年1982年を除く)では

最高値50万円・最安値22.4万円の差額は27.6万円
これはソブリン金貨での差額2万円の10倍を超えています!
更に、この差額は最高値の55.2%、最安値の123%、変動する%も大きくなっています。

これらの結果はもはや恐怖そのもの、大型モダン金貨には手を出しづらい原因が正にこれです!

もっとも、最安値でさえ入手していれば大きな差益となりますから

大型金貨はできるかぎり高値は避けて安値で入手したいものです。

 

ソブリン金貨の5ポンド金貨に対する価格比率を見てみると

最高値で1/8.6、最安値で1/5.9、いずれも重量比率1/4より小さくなっています。

つまり、小型金貨は価格が安定している上に御買い得

やはり、資産保全には大型金貨より小型金貨の方が向いているようです。

参照:小型金貨

 

参考までに、ナポレオン3世無冠100フラン金貨AU58(特年を除く)では

最高値24万円・最安値15万円ですので、差額9万円

これは最高値の37.5%、最安値の60%に相当します。

同じ大型金貨でも歴史あるアンティーク金貨の方が価格は安定しているようです。