今回は米国のモダン金貨、2009年20ドル金貨 Ultra High Relief MS70の価格動向です。

https://en.numista.com/catalogue/pieces23171.html

US, 2009, 20 Dollars, 31.1g (Au 0.999), KM464, mintage 115178, MS70

画像はオークション・ワールドから引用

 

1907年に試鋳貨として鋳造された20ドル金貨 Ultra High Relief

https://en.numista.com/catalogue/pieces23163.html

の復刻版、流通目的ではなく地金型金貨として2009年に発行されました。

ですので、発行数は非常に多く、10万枚を超えています。

 

国内での落札価格(手数料抜)をオークション・ワールドで調べましたが

記録数が乏しいため、日本コインと銀座コインのオークションでも調べてみました。

 

2016:36万円

2017:30万円、26万4千円、20万円→平均25万5千円

2018:22万円、20万6千円、20万円、17万円19万9千円

2019:記録なし

2020:31万円、30万5千円、28万円・・・平均29万8千円

2021:32万円、30万1千円、28万6千円、28万1千円、27万5千円→29万3千円

 

2016年から2018年にかけて下落しています。

この傾向はナポレオン3世無冠100フラン金貨AU58や

ヤング・エリザベス5ポンド金貨PF69UCと同じですが

ナポレオン金貨で考える金貨の買い時ヤング・エリザベス5ポンド金貨プルーフの価格動向

下落幅は16万円程度、下落率にして44.7%にも達しています。

これらの結果は同じ時期、2018年にかけて

ナポレオン3世無冠100フラン金貨AU58の下落幅6万円程度、下落率25.8%

ヤング・エリザベス5ポンド金貨PF69UCの下落幅13万円程度、下落率35.8%

を超えています。

最高値36万円最安値17万円の差額は19万円にも達し、比にすると2.1:1です。

 

2016年の最高値36万円が例外的なのかもしれません。

しかし、30万円以上、つまり、2018年平均落札価格より10万円以上も高い落札が

2017年に1枚、2020年2枚、2021年既に2枚もありますから

価格変動が激しいことは事実でしょう。

やはり、モダン金貨は流行り廃りの影響を受けやすいのかもしれません。

歴史が浅いコインの宿命でしょう。

 

続いて、海外での落札価格(手数料込)をHeritage Auctionsで調べようと思ったのですが

なんと、MS70以上(MS70PLを含む)の記録数が500件以上もありました

3つの国内オークションでの記録総数16件とは桁違いです。

さすがに記録数が多すぎるので、解析は諦めます。

そのかわり、NGCのPrice Guide↓を見てみました。

このPrice Guideの信用性・精度とも不明ですが、結果は以下の通り。

2017年5月〜2019年4月:3,100ドル

2019年5月〜2021年2月:2,300ドル

2021年3月〜:3,000ドル

大雑把なことしか分からないのですが、2019年頃から低迷したことは分かります。