ナポレオン3世無冠100フラン金貨は1855〜1859年に発行された
比較的ありふれたアンティーク金貨ですので、これを参考にして金貨の買い時を考えてみます。
発行数はhttps://en.numista.com/catalogue/pieces11337.htmlによると下記の通り
1855A 50,830; 1855BB 5,031 *A=パリで鋳造、BB=ストラスブールで鋳造
1856A 56,741
1857A 103,330
1858A 91,945; 1858BB 1,926
1859A 21,600; 1859BB 14,698
このうち、発行数が1万枚未満である1855Bと1858BBを除いて
グレードAU58の落札価格をオークション・ワールドで調べた結果が、これ↓です。
ナポレオン3世無冠100フラン金貨のAU58を選択したのは、落札記録の数が多かったからで
2016年2枚、2017年2枚、2018年7枚、2019年1枚、2020年、4枚
2021年は4月までですが、既に3枚の落札記録がありました。
グラフは各年の平均落札価格を示していますが
2019年に底値を形成し、2021年に急激に回復していることが分かります。
参考までに金地金価格(円/g)の推移↓を見ると:地金価格推移2020
金貨と異なり明らかな下落→底値がなく
2019年に上昇しはじめ2020年に高騰していることが分かります。
これら価格推移の比較では
①金地金は金貨と異なり価格が下がりにくい
②価格の上昇は金地金が金貨より先行する
と言えますから、資産保全には金貨より金地金がよいのでしょう。
さて、金貨であれ金地金であれ2020年以降の価格急上昇は
コロナ禍という誰も想定していなかった事態、すなわち、ブラック・スワンが到来したからです。
こうした有事に金貨も金地金も強いことが分かりますが
今後の価格高騰を予測する上では、実は、参考になりません。
いつまた起きるかは分からないからです。
今回は金貨の買い時を考える上で、どのように底値となるか?を検討してみます。
自分が注目している点は落札記録の数、概ね、出品の数に相当するでしょう。
2017年に価格が下落、今のうちに売却してしまおうと
2018年に出品数が7枚と増えた結果、更に下落したように見えますので
金貨の下落後に多数の出品があると下落は進行して低迷期に入る
と言えるのではないでしょうか?
また、底値を形成した2019年には1枚しか出品されていませんので、金貨の買い時とは
①金貨が下落し②出品数が増加してから③減少に転じた時ではないでしょうか?
次に、この①②③全てが揃った時、金貨の価格がどうなるか見ものですね。
但し、コロナ禍が収まった後にはバラマキ財政の影響でインフレは必至と考えられています。
また、金貨の買い時、当分は来ないかも?:本日2本目でレポートしたように
金地金価格は2026年頃まで上昇する可能性があります。
金地金価格が下がってから、ようやく金貨が下落するであろうことからすると
①金貨下落がそもそも当分は来ないかもしれません。