コイン・コレクターなら誰でも知っている人気の金貨と言えば、ナポレオン金貨でしょう。

ナポレオンは1世と3世が有名ですが、ナポレオン金貨とはナポレオン3世の金貨を指します。

その理由は以下の①~③と考えられます。

①ナポレオン3世の方が多くの金貨を発行している

②価格は安いものから高いものまで幅が広い

③肖像・紋章のデザインが素晴らしい

とりわけ、ナポレオン3世の20フラン金貨を指すますが、自分は額面を限定しません。

 

コインで紹介する英雄・第3回でナポレオン1世の金貨・銀貨を紹介しました。

ナポレオン3世の金貨・銀貨も

あなたが好きなのは金のコイン? それとも、銀のコイン?

で登場していますが、解説の例としてでした。

というのも、ナポレオン1世は英雄ですが、ナポレオン3世は稀代の策士とされることが多く

主役はどうかな?と思ったからです。

ナポレオン3世はナポレオン1世の甥であるという背景を頼りにフランス国民の人気を集め

大統領(在職1848~1852年)・皇帝(在位1852~1870年)にまでなったのです。

しかし、コインを語る上でナポレオン金貨なしにはいきますまい、ようやく、主役として登場です。

 

France, 1866, 20 Francs, 6.45g (Au 0.9), KM801, Numista Rarity Index 17, AU55

 

France, 1862, 50 Francs, 16.13g (Au 0.9), KM804, NRI 68, AU58

 

France, 1857, 100 Francs, 32.26g (Au 0.9), KM786, NRI 62, AU55

 

France, 1868, 100 Francs, 32.26g (Au 0.9), KM802, NRI 74, MS61

全て、表:肖像 裏:紋章

 

実に、4種類も持っていました;特に、20フラン金貨は安かったので、更に3枚持っています。

それぞれの価格を円/g金で比較してみましょう。

 

20フラン金貨:4963円/g金

50フラン金貨:5199円/g金

100フラン金貨(無冠):5381円/g金

100フラン金貨(有冠):8886円/g金

 

まず、20フラン金貨、発行数が最も多いため最も安値になっています。

 

50フラン金貨はやったー、やったー、割安落札!で説明した通り、ラッキーでした。

また、あなたが好きなのは金のコイン? それとも、銀のコイン?で解説した通り

同程度のMS gradeで比較すると50フラン金貨が最もお買い得でしょう。

 

さて、100フラン金貨の無冠と有冠、価格がかなり異なりますが、以下の理由によります。

①無冠はAU55に対して有冠はMS61

②無冠(1926~10万3330枚)より有冠(789~2万9000枚)の方が稀少

③有冠の方が皇帝らしいデザインで人気

更に、有冠100フラン金貨では以下の特徴があります。

①MS gradeを求めるコレクターが多いため、MS gradeで価格が高騰しやすい

②発行数が少ない年では特に顕著

③同年・同グレードでも価格が大きく異なることがある

 

実際に有冠100フラン金貨MS gradeの落札価格(手数料込、千円単位)を調べてみました。

AW、オークション・ワールド;T、泰星コイン;YA、ヤフオク!

いずれも20万円を超えています。

今回紹介している1868AのMS61青字&太字他ののMS61青字としました。

そのうち、今回紹介している1868AのMS61より落札価格が下回っているもの

背景を薄青にしましたが、いずれも1868Aより発行数が上回る年のものです。

特年は1868年ストラスブール(BB)で789枚(太字)

最高落札価格は166万5000円に達しています。

特年でない1866年BBでもMS64(太字)グレードが極めて高い

落札価格は121万9000円になります。

赤字同年・同グレードにもかかわらず価格の差異が15万円を超えるものです。