ベートーベン交響曲第3番と言えば「英雄」です。
この「英雄」はナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)のために作曲されました。
今回の英雄はナポレオン・ボナパルトです。
*ナポレオンが市民を抑圧する皇帝に即位したためベートーベンは激怒したという後日談も有名
 
1811A, 5Francs, 25g (Ag 0.9), 37mm, KM694, Numista Rarity Index 22, AU55


1810A, 20 Francs, 6.45g (Au 0.9), 21mm, KM695, Numista Rarity Index 40, AU55


5フラン銀貨と20フラン金貨です。
当時の価値の比は額面通り5:20=1:4ですが、自分が落札した価格の比は3:5.5でした。
相対的に銀貨の価値が上昇しているようです。
デザインが美しく、存在感・重量感ともに優れる銀貨の人気が高いためでしょう。
大きさを比較してみると、こんな感じです。
 
さて、ナポレオン・ボナパルトです。
コルシカ島の貧しい貴族の出身でしたが軍人として頭角を現しました。
彼は砲術の天才であったと言われています。
つまり、当時の最新兵器であった大砲を使用した戦術に長けていたわけです。
その時代の最新兵器を駆使した戦術を巧みに操れば連戦連勝です・・・緒戦に関しては。
当然のことながら敵もバカではありません、必死で相手の戦術を研究し習得していきます。
敵も同様な戦術をとるようになると最後はお互いの体力勝負となり
その結果、体力がない方が負けます。
戦闘機を駆使した旧日本軍しかり、モビルスーツを実戦投入したジオン軍しかりです。
*後者はフィクション!
 
また、戦略面でも陸軍の強化に偏り海軍は英国に敗れ
強化した陸軍も無理なロシア遠征で大敗を喫します。
 
そして、政略面では自らが皇帝に即位するだけでなく
スペインの内紛に介入し自分の兄をスペイン王に即位させるという暴挙を犯し
当初は彼に共感していたヨーロッパの市民も反発していきます(ベートーベンもその1人)。
 
戦術が優れていても戦略に劣れば得るものは乏しくなります。
戦略が優れていても政略が劣れば最後に全てを失います。
ナポレオン・ボナパルトの銀貨・金貨を見るたびに思う教訓です。