ELTファン歴17年のノブナリくんが、全アルバムレビューを目標に頑張ります。
第二弾は2ndアルバム「Time to Destination」。
Time to Destination/Every Little Thing 98.4.15
前作「everlasting」以降、ELTは凄まじい飛躍をみせる。
4枚目のシングル「For the moment」で、シングルで初めてオリコン1位に。以降2ヶ月おきにシングルを出し続け、「出逢った頃のように」「Shapes Of Love」「Face the change」と、いずれも60万枚前後の大ヒットを連発。トップミュージシャンの仲間入りを果たした。
1997年年末の紅白歌合戦にも初出場し、以降8年間常連出場者でしたね。
アップテンポで元気なイメージが定着した中で、8枚目にして初めてのバラードシングルだった「Time goes by」では遂にミリオンセラーを達成。相当に鮮烈だったのか、年間カラオケチャート(JOYSOUND調べ)1位、紅白歌合戦で歌唱した際には、第一部での歴代最高視聴率を記録するなど、まさに時代を完全に掴んだ1曲となった。
そんな状況で発売された今作が売れない訳がなく、売上枚数は実に350万枚超え。数多のミリオンセラーが誕生した90年代において、オリジナルアルバムでは3本の指に入る爆発的なセールス。
ELTが一つのピークに登りつめたのが、このアルバムなのですね。
ー個人的な想い出としても、中学生の時に初めて聴いたELTのオリジナルがこれ。
後追いで(発売から6年ほど経ってた)手に入れて、とっても好印象で繰り返し聴いた覚えがある。当初は「Face the change」「Time goes by」目当てだった。
初めて友だちとカラオケに行くってなった時には聴き込みまくって、前述の2曲は絶対歌ったなあ。
ELT好きで話しが合った、同級生の女子に貸した事もあって。アルバムのどの曲が好きだとか、色々話したのも良い思い出。
他人と音楽の感動を共有できたCDって、そんなに数多くない。そういう意味では、自分の青春の一ページに刻まれております。ささやかだけど。
余りに売れまくったアルバムだけど、全体的な印象は''爽やかな感傷''って感じ。モノクロのジャケットの通りどこかノスタルジックで、想い出のアルバムをめくるような。
この当時、歌詞はほぼ五十嵐さんによるもの。持田香織のイメージに同化してて秀逸だけど、どうにも実態がない、相手の顔が見えない感じも。それは悪い意味じゃなく、こんだけ気持ちよく出来た音楽に、とんがったものを乗せても正直邪魔なので、絶妙なんです。
リアリティより潔癖な想像の世界ってノリも、愛おしい。
一方、曲の方は小室成分が後退して、逆に織田哲郎感(?)が強くなった感じ。テンポのある曲も多いのに、何処と無くソフトに感じる音遣い。
落ち着いてるけど、地味じゃない。抑制が程よく効いてるけど、華がある。
そんな五十嵐さんの作曲、編曲の良さが、1st以上に良く出てて素敵なアルバムです。
「For the moment」「出逢った頃のように」なんかは、「everlasting」のアルバム曲の進化系って感じだしね。
昨今は隙間のある音がクールだったりポップだったりでトレンドですが、90年代のヒットチャートミュージックは音に隙がなくて、端整なものが多い。このアルバムなんかはまさにその象徴みたいなものです。
90年代の音楽特有の美点や勢いを体感出来る、歴史の証人的アルバムって感じ。
個人的には、毎年春とか秋、自然や気温が淡くなる季節に聴きたくなる。
という事で好きな曲いくつかご紹介。
「For the moment」
ICE BOXのCMソングだった大ヒットナンバー。ELTの中でも特にメロディーが美しい曲で、美メロ好きな自分的にはELT上位曲。おセンチな平メロから、どキャッチー且つ無駄の一切ないサビへの展開が超クリア!
夏の夜のドラマってムードの歌詞なので、夏になると聴く回数が増えます。
曲のどこを取っても、90年代のヒット曲のプロトタイプみたいな感じなので、90年代LOVEな俺は萌えて萌えてしょうがありません(*´꒳`*)
「Face the change<Album Mix>」
アルバムミックスとある。シングルより、派手さが控えめに聴こえる感じ。シングルの方がダイナミックで、ロック色の強いこの曲っぽいかなと思うけど、そのままだとこのアルバムでは浮くので。
この曲は、もっと昔の歌謡曲っぽいイメージがあります。ちょっとレトロ?それも歌詞の印象かな。結構激しい曲なのに、日本語が綺麗な歌詞なのがグッとくる。
「モノクローム」
このアルバムのオリジナル曲で、一番好きなのはこれ。アルバムのカラーを一番端的に示してる曲かも。デジタルサウンドとギターの音色で演出された疾走感が、ノスタルジックな歌詞の世界を強調してる感じ。
「All Along」
キラキラしたイルミネーションの中をゆっくり歩くような、ロマンチック風味なバラード。その為歌詞意識しないとラブソングと錯覚しそうだが、サビなんかリスナーへの感謝を綴ってるようだし、五十嵐さんのパーソナルな部分が出た曲な気が。端々にちょっと繊細なフレーズもあり。グループを引っ張り、多忙だった故の心情吐露なのかなとか、思わず考えちゃう。
「Shapes Of Love」
代表曲の一つですね。俺が初めて行ったELTのライブで1曲目に歌ってくれて、めっちゃ嬉しかった覚えアリ。
ライブではサビで手を右左に振るのが恒例です。凄くポップなのに、音は結構ハード。前奏のサビをフィーチャーしながら、転調して歌に流れる部分からカッコいい。
「Time goes by<Orchestra Version>」
説明不要の代表曲ですが、タイトル通り、管弦楽をフィーチャーしたアレンジ。音質はまろやかな感じ。
これも良いっす。ここでしか聴けないし、個人的にはこのバージョンだけでも、このアルバムを聴く価値があるというもの。
後半のめくるめく間奏、荒狂うギターのフレーズ、そこから高く入るサビのボーカルの流れは何度聴いても飽きん。3人組の妙ですね。