田舎町の小さな酒屋で
商売の条件はいたってよくありません。
とにかく立地が悪い。
大通りから一本入った住宅街
そこからさらに曲がって曲がって
車がすれ違えない通りの一番奥
通り抜けもできない
街に慣れない人には迷路だし
運転に不慣れな人には恐怖のどんづまり
車でお客様が来ると
店の前で何回も切り返して
やっとのことでUターンして帰っていく
問屋さんのトラックなどは
50メートル程の道をバックで出ていく有様
よくぞ、こんな奥地に来てくださいました!
それだけで、もう感動です!
お客さんが来ると
自然とそんな気持ちになってました。
品揃えも全く大したことありません。
陳列するスペースも少なくて
倉庫も以前の子供部屋を潰した広さです
(その天井近くまでお酒とかビールとかが積みあがって、ジャングルジムで遊ぶかのようにこっちのビール箱からこっちの酒箱みたいに渡り歩いて上下の箱を入れ替えて下にある商品を出したりするのです。)
品切れは日常茶飯事
ご注文をもらってから大慌てで
問屋さんに駆け込んだりしてました
そもそも品揃えが悪いので
その弱点をカバーしようと
問屋さんと頻繁にやり取りして
品薄商品の動向をつかんだりして
みたいな感覚で商売をしていました。
(そういう会話で育ちました)
たぶんそれが、差別化になって
なんとか一家4人生活できていました。
酒屋の小僧(2)で書いたように
私は商品を運ぶ手伝いはしても
接客は全くしませんでした
(なぜ接客しなかったのかは疑問ですが)
しかし、子供時代の見聞というのは恐ろしくその後の人生に影響を与えるものだと思います。
最初に気が付いたのは大学卒業直後です。
ドイツ銀行に入行して一年半で全部署を経験させてもらった時
みんなは時間内に仕事を終わらせるために
仕事に優先順位をつけて
場合によってはお客様に待ってもらってでも
(そうでないビジネスは沢山あるし、それでなんら問題ない。お客様の悪口を言いながら仕事ができる同僚もたくさんいました)
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