丁度7~8年前でしょうか。
ガンダムの宇宙世紀シリーズの人間臭く、泥くさく、滅茶苦茶リアリティがあり、富野監督も相当力を入れたことが覗える作品に出合いました。
後日知ったことですが、それはカトキハジメが本気を出して作り上げた彼の最高傑作となります。
少しだけ、その冒頭の数分ほどを振り返ってみましょう。
ガンダムユニコーンを振り返った時も重かったのですが、この作品の内容・・嫌ですね。
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偶然の偶然が重なって乗っ取ってしまった試製のガンダムタイプ。
機体コントロールがままならず、上空行ったり来たり。
それでも何とか安定させ、無事に地上へ降り立つことが出来た。
そして、木陰にガンダムタイプをひざまずかせたその直後。
【試作機定番の黄色にリアリティを感じた人は多いだろう】
山の稜線の向こう側からコプターのローター音が聞こえてくる。
9機。9機の侵略者のコプターだ。
だが、その9機は気が付かなかったのかそのまま高地を下り、市街地方面へと飛んで行く。
どれくらい経っただろうか。
市街地上空の曇り空が、パッ、パッ、パパッ、と明るくなったかと思うと、ゴー、ゴゴーと遅れて音を届ける。
「街が爆撃されている!」
そして、身体が勝手に動き、乗っ取ったガンダムタイプのビームローターを起動し、街に向かって飛んでいく。
街は爆撃され、逃げ惑う人々で大混乱。
ガンダムタイプのコクピットからモニター越しとは言え、目の前で地獄絵図が繰り広げられるのを目の当たりに。
地上のどこからともなく、銃弾のようなものが機体にコンコンと当たっているのが判る。攻撃されているのだろう。だが、機関銃の弾で落ちるほどモビルスーツはヤワではない。ガンダムタイプは侵略者に間違われて撃たれていたのだ。
「帰れ!」「侵略者は帰れー!」と叫ぶ女性の市民兵。それにしても茶のパンストが…
そんな中、侵略者のコプター1機が近づいてきて、
「中尉、中尉、何をしていたんですか。兎に角ご無事で。」
そんな無線が入る。
(自分は何をしているんだ?何を!)
話しかけてきた侵略者のモビルスーツに照準を合わせるが、相手も気づいたのか、ロックオンからすぐ外れる。【武装のデザインも秀逸】
モビルスーツの武器を使って撃とうにも地上には大勢の市民が逃げまどっており、とてもではないが撃てない。
侵略者のコプターは変形し、ボトムターミナルとドッキングしてモビルスーツに変形する。
【見事な造形美】
逃げまどう市民の頭上では、ガンダムタイプと侵略者のモビルスーツが空中戦を始めることに。
それを息絶える前に見ている倒れていた初老の男性が、
「侵略者どもに死を・・」
そう唱えて何かのリモコンボタンを押す。
途端に地上で大きな爆発が起こり、空中で戦闘を行っていた2機を包み込む。
侵略者の機体は爆発光の外側の逃れ、ガンダムタイプも侵略者から一時的に逃れることができた。
侵略者の市民に対する攻撃は止まない。
【コンマ数秒の車のデザインにも手を抜かないカトキハジメ】
侵略者のモビルスーツが撃った機銃の弾は地上を逃げまどう若いお母さん(ミセス・ドゥカートゥス)と抱かれた赤ん坊を襲う。
銃弾が頭部を直撃し、若いお母さんは即死。
赤ん坊は泣き叫ぶ。
【悲しいかな、カルルマン・ドゥカートゥスの宇宙世紀シリーズ初登場シーン】
ガンダムタイプは、攻撃するコプターを止めようとビームローターをビームサーベルで貫く。
2機は落下し、地上に落ちる。
侵略者のモビルスーツのコクピットが開いてパイロットが地上に降り立ち、逃げようとする。
が、直ぐどこからともなく飛んできた銃弾によって斃れる。
ガンダムタイプの中でそれを見ていた者は、初めて人の死の瞬間を目の前で見ることになって恐怖に慄く。
「僕は、敵じゃない!」
ガンダムタイプのコクピットが開き、それを操縦していた者が叫ぶ。
「おぃ!子どもだぞ。子どもがモビルスーツに乗っているぞ。」
集まった武装した市民がガンダムタイプのモビルスーツのコクピットを見上げる。
【かなり複雑な試製ガンダムタイプのコクピット周りの形状】
もともとゲリラが森の中の秘密工場を隠すために、この都市「ウーイッグ」の地下にモビルスーツ量産工場がある、ということを流布したことで起こった悲劇。
そんな見方からすると、街の地下をまさか攻撃するとは思っていなかった、という見通しの甘さが招いたウーイッグの空襲。
この街の膨大な犠牲の上に、ゲリラはモビルスーツ量産工場を守ることができ、守護神となる量産型モビルスーツ、『ヴィクトリー』を前線に送り出すことが出来た。
出だしから最悪な展開。
一方でこの時、サナリィサイド2工廠によって開発された試作ガンダムタイプ『シャッコー』に登場した少年は、ガンダム全シリーズ屈指のエースパイロットになっていく。
(冨野翁は後日バンダイに妥協し、「もし」迷いが無ければシャアの方がウッソより上とした)
実は、ここまでが当初予定であった冒頭のイメージですが、1話から主役メカが登場しないのは、如何なものかとバンダイに指摘され、無理に1話から主役メカとなるものを搭乗させた裏話があります。
この時、怒った冨野翁はガンダムなんか糞喰らえ、精神で、主役メカをガンダムと呼ばせないことにしたとか
こうして、主役メカはあくまで『ヴィクトリー』であって、スコープドックの様に使い捨てモビルスーツになるのです。
面白いのが、公式ストーリーでは主人公側勢力が全滅して終わる唯一の作品となります
敵側であるザンスカールサイド2は、宇宙世紀0153年以降20年近くも存在し、その後発展的に解消する為、事実上の負け戦の作品となります。
そんなの最低ですね
冨野監督と同じ感想です。
この作品は、折角メッセージ性のある、冨野さんの思い描く世界を描きたかった大切な作品でしたが、あまりの横やりにうんざりしながら作った最悪の作品でもありました。
製作陣に好きなように作らせてあげたらどんな素晴らしい作品を描くのでしょうね
金儲け。
拝金主義。
だからどうしてもバンダイは好きになれないのです
私は製作陣の側の立場にいたい、そう思います。
そう言いながらバンダイの宣伝をするのもアレですが、試製ガンダムタイプのキットについてです。
試製シャッコーは1/100のみですが、キット化されています。
ザンスカールの国は、ベスパという軍を編成したため、ベスパのイメージである「ハチ」にイメージを寄せたそうです。
トリコロールだと玩具感がぬぐい切れないですね。
ちなみに当ブログで最初にご紹介したのは、旧キットのリグ・シャッコーでした。
もう4年前のことです…
私にとって、事実上初めてのキット改造の試みでした。
Gフレームですからグリグリ動きます。
この年の年末にキリコのドム作ったんだよなぁ…(遠目
初心者なりに成長したものです。
その次に作ったのが、121式のジム。
同スケール1/144ユニコーン・ガンダムの半分の大きさの、ミニサイズ。
年末のジム祭りの対象でもあります。だってジムですもの。
顔の改修して、
設定上、これ1機で16機のジェスタを撃破できます。小さいから尚更強そう。
当時別名だったFANの黒式さんに憧れて。どうにか顎引かせたかったけど
難しくて何度も付け根の仕組みを考えたものです。
顎引けたときは嬉しかったものです。
その後、色々とやってきました。
ドムは楽しかったです。
HGとかMGは見たことありません。
HGなら買いたいな、と思うこの頃
では。