こんにちは。
「きものclub夏彩(ナツイロ)」 です。
「着物文化エバンジェリスト(伝道師)※」
として活動していきます。
※エバンジェリスト(Evangelist)とは、
IT業界で専門的なことを中立的な立場で分かりやすく消費者に伝える職業です。
敷居が高そうな着物の世界をわかりやすくご紹介することで、
着物の先にある文化的魅力をお伝えします。
先週着付け教室の受講生様と神戸ファッション美術館へ着物でお出かけしました。
お目当ては「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」の鑑賞。
現在「アンティーク着物」と呼ばれているかわいい着物のコーディネートを観て、
「かわいい~♡」
と目をハートにしてキャッキャと盛り上がってきました!
【この日のコーデ】
大胆なマーブル柄の銘仙
近い時代の名古屋帯
ストライプの半襟(現代)
千鳥格子の帯揚げ(現代)
三分紐の帯締め(現代)
扇子の帯留め(頂き物)
銘仙とは?
銘仙とは、大正から昭和初期に大流行した絹織物で、女学生の通学着として広まりました。
ちょうど女学校の就学率が上がった時代です。
そして、社会に西洋のテイストが日本に入ってきて、着物にそのエッセンスを乗せた色鮮やかで大胆なデザインが特徴です。
もう入り口からかわいくて。
最近のデザインかと思う程のポップさ。
実は、各産地には「図案家」というお仕事があって「図案調整所」といういわゆるデザイン事務所があったそうです。
呉服屋さんもデザインコンペをしていたというので、それだけデザイナーが盛り上がっていたのかわかりますね。
どこで作っていたの?
主な生産地は養蚕が盛んだった群馬県伊勢崎市や足利市、埼玉県秩父市、私の実家・東京都八王子市。
今年は昭和100年なので、ちょうど100年前の着物といえるでしょう。
名産地によって特長もあって
・伊勢崎は最大の産地で、色彩豊かな併用絣
・足利は半併用絣で、宣伝広告が上手くポスターなどで人気上昇
・秩父は玉虫色にキラキラと輝く織り方
・八王子はカピタン織という地紋を大小に市松模様に織る方法
と解説されていました。
カピタン織拡大
ちなみに、私の実家は農家だったのですがやはりかやぶき屋根の屋根裏でおかいこさんを飼っていて絹糸を出荷していたので点が線でつながりうれしく感じました。
(余談ですが、銘仙の生産が終了した後は八王子ではネクタイなど商品を変えて織り続けられ、一時は全国のネクタイ生産ナンバー1だった時代もありました。)
展示テーマは?
今回は4つのテーマで
・日本の伝統柄を鮮やかな色合いで新解釈した古典プラス柄の「ネオクラシック」
・ロマンチックな西洋風の花や蝶や小鳥たちの「ガーリッシュ」
・新しいアートの潮流を組んだ幾何学模様の「ジオメトリック」
・時代やブームを柄に読み込んだ楽しい意匠「キッチュ」
に分けて展示されていました。
それぞれのコーデがなるほど!と思うカテゴリー分けがされていて楽しい展示でした。
着物だけでなく帯や傍に置いた鞄や
帯留と帯締めが一体化している物も当時のもの。
特に帯留の細かい彫り物は刀の鍔を彫っていた職人さんが携わっていたので、芸術性が高い!
伝統柄の説明がかわいいパネルに。
もし端切れがあればパネルにしても良いですね。
このアイディア真似したいな。
最後にそれぞれ好きな1枚の前で撮影会。
どれにしようか迷いました…
戦前の日本の社会がどんな色にあふれていたのか、実は着物の世界に入るまではまったく想像できませんでした。
なぜなら、今見ることのできる写真や動画は、すべて白黒だからでしょうか。
でも実際は、とてもカラフルで、元気があって、最先端のデザインを競うように取り入れてオシャレな時代だったのですね。
PRのためにポスターや販促のはがきも作って、今と同じだな、と思いました。
「今こんな柄の着物があったら、もっと若い子も着るんじゃない?」
というご意見はもっともだと思います。
後ろ姿も良い!
退場後は隣にある神戸ベイシェラトンホテル&タワーでお茶しながら興奮冷めやらず着物談義。
銘仙展を振り返ったり、それぞれの着物コーデの話、先月イタリアで着物を着た話に付け袖、和裁の話までノンストップトークで盛り上がりました!
おいしいケーキと飲み物で優雅に♡
飲み物はおかわりつきでお得
コレクションを公開してくださった銘仙コレクター・桐生正子さんと、それを華やかにコーディネートされた大野らふさんに感謝です。
きもの好きさんと行くと楽しさ倍増の特別展は、
2025年6月15日(日)まで神戸ファッション美術館にて開催中です。
着物の勉強にもなりますよ。
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