MDM-1 FOXフルモールド化(その6)胴体カップリングと最終章
カップリング前に内装品の養生をしておきます。
先ずは、スタブ取り付け埋め込みナットにマスキングテープを貼ってマイクロバルーン入りエポキシの流入を防ぎます。
次いで、アクチュエーターにもマスキングテープを貼っておきます。
これがプロトタイプ製作時に胴体後部に衝突したままエポキシが硬化してひどい目にあったので必須です(^^♪。その他、エポキシが付着しそうなカ所にも防止策を施しておきます。
カップリングですが、胴体前部についてはガラステープを使った接合方法を採り、
必要な長さにカットします。
手の届かない胴体後部についてはマイクロバルーン入りエポキシでカップリングします。胴体については着陸のたびに衝撃が加わるので、マイクロバルーン入りエポキシだけでは衝撃に耐えられない場合が有りますので、このガラステープは必須の手法かと思います。
なお、プロトタイプ製作時にもご説明しましたが、このグラステープを貼る道具は、下の写真の様に、コロと引っ掛け棒(どういった名前をつけたら良いのか判りません)を使いますが、
今回は引っ掛け棒の構造を少し変えています。白い板が追加されていますが、これはエポキシを塗布したガラステープがこの白い板にくっ付くようにして、途中で脱落しないための処置になります。こういった細かな改善が最終的に作業性を向上させています。
以上が胴体カップリングについての説明でした。
次にキャノピーフレームについても剛性アップするための改善を加えています。
枠の形状そのものにも変更を加え、さらに、ガラスクロスをサンドウィッチさせてねじれ剛性をアップさせています。これはキャノピー(ウィンドシールド)をキャノピーフレームに接着する際に捻じれが発生する事を防ぐ目的になります。
こうやって、なんだかんだで、3機分の胴体が準備できました(^^♪。
これら3機はいずれもクラブ員の皆さんに送られ、そのうちの1機が先日ご紹介したように初飛行に成功されています。
今回のプロジェクトおご説明はこれで終了になりますが、未解決の案件があり、この対策をこれから実施して、次のプロジェクトに備えるつもりでおります。
次のプロジェクトですが、図面もほぼ完成して、すでに治工具類の製作に取り掛かっている最中になります。近日中にそのコンセプトについてご報告いたします。
以上MDM-1 FOX フルモールド化プロジェクトは終了です。長い間お付き合い頂きまして本当にありがとうございました。次回をこうご期待下さいませ(^_-)-☆
MDM-1 FOXフルモールド化(その6)胴体内装部品の構造
プロトタイプに対して大幅な変更を加えています。
これがプロトタイプの構造で至ってシンプルなのですが、
取り付け時にすでに定位置から1mm位でしょうか、右にズレてしまって、スタブの取り付け位置が左右非対称になってしまいました。更に胴体の厚みを考慮するのを忘れていたりでこれら対策で構造変更を加えています。どこで固定するかですが、尾輪の取り付け穴がモールドシェルについていますので、それを基準にしています。
さらにバーチカルフィン内の部品も同時に組み込みました。
ここでエレベーターリンケージについて今まで明確な説明が無かったと思いますので、下の写真を見てください。
念には念を入れてカーボンピンでエレベータ駆動するガイドを四角い形状のアクチュエーターに取り付けています。
胴枠には四角いスロットを開けてこのリンケージの回転止めをしています。また全てのリンケージはサーボモーターまで一直線で連結しています。
この構造のおかげで、取り外し式のスタブのリンケージ接続がスムースに行える様になっています。特にラダーヒンジが大きく後傾しているので、普通のリンケージ構造では組み立ては無理です。恐らくサーボモーターをスタブ内に格納してエレベータを駆動させるしかなかったかと思います。
続きます。
MDM-1 FOXフルモールド化(その6)胴体の真空成型反省文
昨日の説明はちょっと親切さに欠けるのではないか?と思いましたので改めて説明させて頂きます。
最初に昨日使った写真に説明書きを追加しました。フランジ部に黒いモノ(これがブチルテープです)がこの写真で2か所折り返されています。これがポールさんがやっていた「こうやったら」のつじつま合わせの折り返しです。当然プラスチックフィルムも右に倣えでそこから折り返しによる皺(と言って良いのか?)が走っています。
じゃあ、どれほど折り返せばいいのかと言うと、下の図の赤い線になります。
フランジ開口幅と胴体曲線に倣った沿面長さの差が上の折り返しの長さになればつじつまが合います。理屈は単純なのですが、困ったことに、今回の胴体モールドシェルのフランジは面一ではない(上の写真の様にキャビンの開口部が大きく凹んでいる)ですからそのあたりが非常にややこしくなってしまっています。付け過ぎても、足らなくてもプラスチックフィルムはあらぬところでピンと張って真空成型ができる状況にならなくなってしまいます。結局下の写真の様に、フランジ360度ぐるっと一周したら、「あれ?」となってしまいます。足りないのは上記の様にピンと張ってしまうので不可ですから多めになるように貼って行くのは良いですがその加減がさっぱりわかりませんので、油粘土で強制的に封止をしてしまうという事です。
見た目が悪いですが、真空引きができれば「手段は選ばず」てなところですかね(^^♪。
さて、離型です。
下の2枚が、プロトタイプの普通の成型(大気圧成型と言えばいいですかね?)結果です。ガラスクロスが浮き上がったため空洞が出来て、そこが凹んだりして最外装の塗装があちらこちらで剥がれています。
そして、下2枚が今回の真空成型結果です。
ただやはり完全ではなく、どうしても無理な箇所や危険と思われる個所についてはマイクロバルーンを入れてガラスクロスが浮き上がっても大丈夫なような処置をしています。
続きます。




















