MDM-1 FOX胴体型の製作(その2)
結論から言いますと、調合したゲルコートの1/3程度も吹き付けができませんでした。従って超薄膜ゲルコートになっていますがこのまま作業は進める事にしました。ゲルコート塗装後2日間ほど放置しまして(理由は無いです)ガラスクロスの積層を開始しました。先ずはフィラー(タルク)を混ぜたエポキシでコーナー部分へ充填して、その上にマイクログラス(20g/m^2)を帯状に切ったもので固定します。写真はフィラー充填前の状態です。
積層は綾織クロス1層そして厚手のガラスクロス2~3層積層しますのでその裁断を行います。
積層の為のエポキシ塗布は筆を使いました。
左右完了しました。
27~28℃くらいの室温にも関わらず、エポキシの著しいゲル化は起こらず、安心して作業が出来ました。本番では調合量が多くなるので、硬化が早まる危険性がありますが、そういった困った現象は起こりませんでした。また主翼フィレット部分が茶色になっていますが、ここはガラスクロスの積層が出来ませんでしたので、エポキシにフィラーを充填し、更にガラス繊維を裁断したもの(チョップドストランドですね)を添加したものを充填しました。
一通り作業が終了しましたので、安全を見て、2日間ほど硬化待ち時間を取りました。
続きます。
MDM-1 FOX胴体型の製作(その1)
ただ「型」という言葉だけだと製作工程を説明するのにあまり好ましくないので、いつも、雄型(原型)そして雌型(成型用型)と区別するように呼んでいます。
最初に雄型の離型処理を行います。先日の実験結果より、エポキシの流れ性が尋常ではないので雄型の背面にも離型処理を行っています。指に離型ワックスを付けて、雄型に塗り広げていって、乾燥後、ウェスでふき取ります。
なお、雄型背面は予めクリアラッカーを塗布してあります。
ウェスでふき取るのですが、なかなか綺麗にふき取れませんので、かなりの時間を要します。
今回はこの作業を2回繰り返しました。
次に底板に使う化粧ベニアを切り出してその背面に雄型を置いて鉛筆で外周線をケガいておきます。本来ベニア表面に雄型が載るのですが、これだとベニア表面がつるつるしていて鉛筆でケガくことができません。従ってこのケガキ線の入った化粧ベニアは反対側の雄型に用います。このケガキ線に従って、内側20mm位のところにビス穴を開けますが、当然左右ともに背中合わせで合わせた状態であなを開けます。次いで左右雄型をそれぞれビスにて固定します。
一番反りが発生しやすい胴体後部の隙間状態を確認します。
今回の雄型はソリがほとんど判らない位平坦でしたがこれはブルーフォームを使った残留歪(ひずみ)の少ない構造だったため狙い通りの仕上がりが得られたと思っています。それから実験結果から、いままでですと隙間に油粘度を押し入れていたのですが、雄型が平坦でしたので、それは一切使わずに済みましたので更に好都合でした。化粧ベニアとの接合が完了です。
反対側も完了しました。
実はこういった左右雄型に底板を取り付けるような構造は今回初めてで、いつもですと、片側は今回の通りで、これにゲルコート+ガラスクロス積層を行い、エポキシ硬化後、底板を外して、そこの部分に離型処理を施して、反対側の雄型を取り付け、ゲルコート+ガラスクロス積層という様に工程を進めていましたが、やはり雄型の平坦が出ているという事で、個別に工程を進めるようにした次第です。以前の製作工程の説明として参考になるのが、以下の記事になります。
その後のその後 | でこっぱちの飛行機物語 (ameblo.jp)
話しがそれますが、この頃使っていたゲルコートは非常に使いやすかったですね。もう手に入らない・・・?
さて、いよいよ大変なゲルコート塗装が待っています。
続きます。
MDM-1 FOX主翼の製作(その2)
上下メインスパーをシェアウェブを使ってボックス構造を作ります。定盤にアルミLアングルをネジ止めして直線を確保して、これを使って組み込んでいきます。
上もしくは下メインスパーに前後シェアウェブを接着してから下もしくは上のシェアウェブを接着してボックスとします。
次にカンザシの入る部分の受けを作ります。写真に示す通り恐ろしく手の込んだ構造になってしまっています。今回の機体はワンオフではなく数機作る予定ですから製作時間(コストも)も考慮して構造を再考する必要があります。
この構造体を固定するためのカーボンピンの切断風景です。これまた手間がかかります。
接着後、全体をサンディングします。軽め穴は後から追加しましたが、90gが80gと10gの軽量化が出来ていますので、後続の機体はこの構造を反映させます。
この受け部をメインスパーに組み込みこんでフィッティング確認です。
これから接着です。
リブが入るためのクリアランス確保するためにダミー板を差し込んでおきます。
接着風景です。クランプでしっかり圧力をかけ接着を間違いない様にすることと、余分なエポキシを排出させます。
完成です。カンザシ直径φ14mmに対してここの穴径はφ15mmとして、最終工程であるカンザシ接着時のいろいろな製造誤差を吸収するようにしています。
続きます。