大学生になり、
念願の着付け教室や生け花
も通い始めました。
憧れの着物姿の大人に、
ちょっとずつ近づいている。
そんな満足感もあり、楽しく学んでいました。
そしてたちはだかった就職活動の壁。
当時は就職氷河期で、
採用も厳しいものでした。
一般の会社を受けてみるものの、
全く受かりません。
むしろ、面接で
「茶華道に着物ですか。。。高尚な趣味ですね。」
と引かれる始末。
「それなら、
今まで学んだことが生かせるところに就職しよう。
和文化を仕事にして生きていこう。」
と方向転換すると、あっさり受かりました。
そこは京都の高級料亭。
超一流の物に囲まれ、勉強の毎日でした。
お客さまも、
世界中を旅行をされている
悠々自適な方や
名だたるお寺の住職さまだったり。
学生の時とはまるで異なる、
人々との出会いでした。
料亭での、ブライダルプランナーとしての
日々と通常の接客業務。
やりがいに満ちてはいましたが、
よく仕事の悪い夢を見て
心休まるときはなかったです。
夢の内容はだいたい同じで、
・ドアをあけても開けても、会場につかない
・時間になっても誰も来ない
・披露宴が始まっているのに、別の場所にいる
良い内容ではないんですよね。
明け方に飛び起きて、
「夢でよかった…」
とほっとしつつ、
夢見の悪さで朝から既に疲れている。
そしてプライベートの記憶がないほどの
長時間労働。
次第に、心がささくれだっていきました。
にこやかに笑っているけど、
本心ではない。
そんな接客をしている自分が嫌になりました。
そして何気なく見た転職雑誌。
書いてあったのは、憧れの着物会社。
学生の頃から憧れて、
履歴書と熱意をしたためた文を
送ったことのある会社でした。
新卒は採用しないルールなので、
とその時は断られました。
「あの会社だ!」
とすぐに履歴書を送って、面接に行きました。
最終面接のときに、
役員の方が
「この名前、どこかで見た覚えがあるな。」
と、学生の時にも応募した事を
覚えておられました。
君みたいな熱意のある人を求めている、
と即採用。
無理と分かっていても、
想いだけは伝えておく事。
一歩動いてみること。
学生の頃の行動力に、
2年後の私は助けられました。