タイの殺人道路での生と死 | KGGのブログ

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https://www.bbc.com/news/world-asia-38660283

タイの致命的な道路での生と死

ジョナサン・ヘッド

東南アジア特派員

2017年1月19日公開

 

 

 今年の2つの大きな連休の時期の前、新年の12月下旬、ソンクラン祭りの4月には、今ではタイ人に非常に馴染みのある儀式がある。

 

 政府は、タイの悪名高い危険な道路での死亡者を減らすための目標を設定し、タイ人にスピードを出したり、飲酒運転をしないように勧める。

 

 昨年、連休時期に労働者が積み上げていた膨大な備蓄を撮影するために記者を招待した棺桶職人のように、善良な市民が宣伝スタントを実行することがある。

 

 そして毎年、これらの努力は水泡に帰す。

 

 道路での死傷者の厳しい統計は、メディアで毎日集計されており、多くの場合、前年よりも悪い数字である。

 

 そして、それはこの前の新年であった。478人がたった7日間で道路上で命を落とした。

 

 1月2日のチョンブリでの衝突事故で一度に25人が死亡した。一部は、押しつぶされて混雑した乗用車の中で火あぶりになり、逃げることができなかった。

 

 タイの道路は現在、世界保健機関によって、リビアに次ぐ世界で2番目に酷い殺人道路にランクされている。

 

 タイは何十年にもわたり平和に繁栄しており、政府は医療やインフラなどの他の分野で目覚ましい進歩を遂げてきたという事実を考えると、この地位はさらに驚くべきものである。

 

 2011年、当時の政府は、タイの「交通安全に関する行動の10年」として次の10年を発表した。

 

 2012年はバイクで100%ヘルメットが使用される年であると宣言された。

 

 2015年、洪水や地滑りなどの問題に加えて交通安全を担当する防災局は、道路の死亡者を80%削減するという目標を大胆に発表した。

 

 すべて机上の空論であった。

 

 彼らが直面している課題は、理解するのが難しいことではない。タイの急速な発展は、この地域の462,133の道路の比類のないネットワークを遺し、ほぼすべてが舗装されており、多数の複数車線の高速道路がある。

 

 登録済みの車両は3,700万台、そのうち2,000万台はバイクで、さらに数百万台が未登録である。

 

 タイの高速道路を運転することは、超カフェイン入りのビデオゲームをプレイすることに似ている。交通事故のビデオをざっとウェブ検索すると、息を呑むような、時には自殺的な、無謀な例が表示される。飲酒運転も大きな問題である。

 

 2014年と2015年に、世界中をサイクリングしていて、旅の終わり近くであった3人の外国人、英国人のカップルとチリ人の男性が、タイを旅行中に殺された。

 

 床に落ちた帽子に手を伸ばそうとしたときにイギリス人のカップルにぶつかったピックアップトラックの運転手は、30ドル相当の罰金を科され、執行猶予付きの刑を言い渡された。

 

「タイには美しい道路がある。」米国に本拠を置くアジア傷害防止財団のカントリーディレクターであるラタナ・ウィンザーは説明する。「そして人々はスピード狂の傾向がある。したがって、一番の理由はスピードである。」

 

 警察少佐カンタチャッ・ヌアオンはそれを証明することができる。

 

 彼はバンコク郊外の高架高速道路に設置した『スピード測定器』で、80km / h(50 mph)の制限をはるかに超える速度で車が彼を追い越すのを見ていた。彼はわざわざそれらに切符を切らなかった。

 

「法律の規定に厳密に従い、制限速度を超えて運転する人に発券すると、全員に切符を切ることになる。」

 

 彼は129km / hで走行する1台の車を発券した。しかし、罰金は少額であり、発券されたものの半数以上は、フォローアップがほとんどなく、わざわざ支払う必要はない。

 

 近年、裕福な家庭の運転手が殺害され、並外れた寛大さで扱われるケースが数多くある。

 

 2012年、レッドブルのエナジードリンクで大金を稼いだ男の孫が、フェラーリで高速運転中に警官を殺害した。彼は起訴されたが、何度も法廷に出廷しなかった。

 

 別のケースは、影響力のある家族の16歳の少女が免許なしで運転し、乗用車にぶつかり、9人の乗員を殺害した事件だった。

 

 彼女は執行猶予付きの刑を言い渡され、コミュニティサービスを行うように命じられました。2年後、彼女はそれをしなかったことが判明した。

 

 

法執行の問題

「施行が鍵です」とラタナ・ウィンターは言う。「しかし、それは警察に法を執行するように告げるだけではない。警察は交通管理よりも交通警察を優先するように告げられるべきです。

 

「しかし、それは多分野にわたる課題である。罰は人々がそれを恐れるのに十分な規模である必要がある。そして安全キャンペーンはピークシーズンだけでなく継続的でなければならない。それから私たちは改善のような問題に移る必要がある。それは道路の構造である。」

 

 元運輸副大臣で安全運動家のニコーン・チャムノンはさらに進んでいる。

「私たちは立ち返り、国のDNAを変える必要がある。」彼は言う。「学校に戻っての教育は重要である」。

 

 彼は現在の軍が任命した国会にもっと多くのことをするように請願している。現在、後部シートベルトの使用を義務付けることを含め、運転法の10の変更を承認する段階にある。これは全体として40年間で最大の交通安全法の見直しである。

 

 しかし、これらの法律がどれほどうまく施行されるかは誰にもわからない。

 

 一般の人々は冷笑的である。「本当のタイ人は自分自身の規則に従うということわざがある。」車にぶつかって新年に負傷したバイクタクシーの運転手、ポンサック・プッタは言った。

 

「自分達に起こらない限り、人々は安全が問題であるとは思わない。」彼女が仕事に連れて行かなければならないバスの貧弱な運転について不平を言うポーンペン・ウォンバントーンは言った。

 

「施行がすべてである。」世界保健機関で交通安全に取り組んでいるリビウ・ヴェドラスコは言う。

 

 彼が協力している政府関係者は交通安全に真剣に取り組んでいると彼は信じているが、調整が本当の課題である。

 

 

専用のバイクレーン?

 交通安全指導センターはこの問題を主導する責任があるが、それ自体が内務省内にある防災および軽減部門に含まれている。道路は運輸省の責任である。

 

 ヴェドラスコは、道路での恐ろしい死者数を減らす最善の方法は、死者の80%を占める最も脆弱なグループであるバイクに焦点を当てることであると考えている。

「バイクの数を減らすことができない場合、次善の策はバイクを分離することである。専用車線を作る。タイの道路の100%ではないかもしれないが、交通量が分離された道路の割合を増やすことを目指す。これには間違いなく途方もない影響がある。」

 

 チョンブリでの衝撃的な衝突の後、政府は旅客用バンを段階的に廃止することを約束した。これは、長距離で最大15人を運ぶようには設計されていないと述べている。

 

 警察は、64歳の運転手が運転中に眠ったと考えている。彼は33時間で5回目の300km、3.5時間の旅に出た。

 

 26歳のハタイティップ・モッパイが犠牲者の1人であった。彼女は、両親宅を新年に訪れ、そのバンでバンコクへの帰路についた。彼女はバンコクで車を販売していた。彼女は一人っ子であった。

 

 彼女の葬式の後、彼女の母親、ウィモンは、娘の死の影響がどうなるかについて考えた。

 

「政府がもっとやることを望んでいる。」ウィモンは言った。「事故の後、人々はしばらく興奮したが、騒ぎが収まると、すべてが以前の状態に戻る。」

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仮訳終わり

 

 

 2017年1月の記事です。

 

 チャチェンサオのバスと列車との衝突事故の記事のなかに埋め込み記事としてあったので、ついでに見ました。

 

 

タイでバスが列車と衝突 18名死亡(2020年10月12日)

 

 

 タイでは、この程度の事故は日常茶飯です。この程度の事故というのは、いわゆるミニバン(ボンゴタイプのワンボックス車)での事故です。乗り合いのワンボックス車による長距離移動が2005年辺りから盛んになりました。事故率も高く、事故が起こると大事故になります。十人程度が当たり前のように死亡します。

 

 日中の運転もそうですが、深夜の移動もあります。日本でいうと、高速道路を使用する深夜高速バスという『括り』でしょうか。

 

 私も、深夜、バンコクからチェンマイまで走りましたが、けっこうトラックが走っていました。深夜高速バスもガソリンスタンドなどで見かけました。当時(約20年前)、深夜トラックの運転手は、過酷な労働のため、覚醒剤を打って運転する者がいるという『まことしやか』な噂がありました。

 

 日本では、第二次世界大戦後の混乱時代、ヒロポンを打って頑張ろうというような広告が新聞紙上にありました。いまでいうと「24時間戦えますか?」のコマーシャルと同様です。

 

 ヒロポンと深夜トラックはとりあえず置いておくとして、ミニバンの事故で交通ルールを守らせる、あるいは、営業するミニバンの数を少なくさせる、というのは、タイでは『不可能』と考えられます。

 

 タイでは、車はステータス。自分の地位を示すものです。ですから、格好の良い車を求めます。性能が良いともちろんスピードを出します。捕まるのは運のないものばかり。捕まっても、金持ちは賄賂で帳消しになります。

 

 またミニバンの数の規制は、営業許可を行う省と交通規制を行う省が異なるので難しいでしょう。どちらも内務省管轄と思いますが、局が異なればこれも利権が異なるので、調整をするのは困難でしょう。

 

 ただ、スクンビット通りの屋台の撤去などをやりましたので、今後は、努力して調整するかもしれません。

 あくまでも、利害が絡まない場合はという前提条件付きです。

 

 

 当該の事故の記事が残っていないか検索しました。CNNのものを示します。

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https://edition.cnn.com/2017/01/02/asia/thailand-highway-crash/index.html

タイでバンの事故 25人が死亡

コチャ・オラーン、CNN

2021 GMT(0421 HKT)更新2017年1月2日

 

タイ、バンコク(CNN)月曜日、タイでバンがピックアップトラックに衝突し、炎上した。少なくとも25人(2人の子供を含む)が死亡したと警察はCNNに語った。

 

 その事故は、バンコクの南東約114 km(71マイル)にあるチョンブリ県のバンブーン区で発生した。バンの運転手が制御を失い、高速道路を横切って対向車線に突っ込んだ。バンブーン区警察の副署長ウィロー・チェンチャラットは語った。

 

 バンでは、14人が死亡し、1人が生き残ったと彼は述べた。

 ピックアップトラックでは、大人9人と子供2人が死亡し、1人が生き残った。

 2人の生存者は地元の病院で治療を受けている。

 

 警察によると、事故の原因はまだ調査中である。

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仮訳終わり

 

 事故現場のバンブーン区をみると、チョンブリの東部ですね。最初、バンコク・チョンブリ・モーターウェイで事故が発生したのかと思いました。しかし、事故現場は山の中の道路です。というと九十九折れを想像しますが、タイでは山と言っても丘陵のようなもの。

 

 ちょうど、チョンブリからラヨンに行く3138号線か、チャンタブリに行く344号線かのどちらかではないでしょうか。ラヨンだったら7号線を使うかな。以前、ラヨンに遊びに行ったとき(カブトガニを食べに行ったとき)は7号線を使いました。大変快適な道路でした。

 

 チャンタブリ方向からバンコクに向かうミニバンにハタイティップ・モッパイさんは乗っていたのでしょう。対向車線にはみ出したのか?出たのか?運悪く、対向車線にはピックアップトラックがいた。しかも、荷台に人を乗せていた。

 それで犠牲者が増えたのでしょう。