お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑫ 第9日:鳥羽・磯部めぐり | 神様が呼ぶ方へ☆きくれいの神社紀行

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こんにちは、紀行作家の保志喜久鈴(ほしきくれい)です。居住地の京都を中心に日本全国の神社や神様を勉強しながら参拝記録を
書き綴っています。

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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑫
第9日:鳥羽・磯部めぐり



一週間前、天気予報を確認してから
お伊勢巡礼5回目の宿を手配しました。

ところが、前日に乗換案内を見ると
JR参宮線運転見合せの赤い文字。
お伊勢さん巡礼に欠かせない路線です。

元々、天候不順な時期とはいえ
予想外の大雨が降った模様です。


令和元年9月5日(木)。
三重県の予報は雨マークのまま。

幸い今日は全コース最短の計4.8㌔。
たとえ運休でも振替輸送を見込んで
晴れて暑い京都を出発します。

南下する程徐々に曇りはじめ
旧伊勢国への峠を越えると
雨混じりになります。

松阪辺りでついに本降りに。
ところが列車は構わず走り続け
伊勢市駅では小雨になりました。

強い雨の地域は抜けた様で
胸を撫でおろすのです。



前半は鳥羽駅から2.6㌔歩き
末社を一箇所訪ねます。

駅前には白くて大きな鳥居。
扁額には金刀比羅宮とあります。
観光地で有名な鳥羽ですが
昔からの港町でもあるのです。

午後一時過ぎ、小雨の中、
傘を差して商店街を辿ります。
赤福餅、真珠、伊勢うどん。
観光客向けの店が並んでいます。

南へ行くほど旧道らしくなる中
国崎行のバスが追い抜いていきます。
国崎(くざき)は古来神宮に“のし鰒”を
納めている御料鰒調製所がある所です。




バイパスとの合流点が近づくと
目指す杜が見えてきます。

外宮末社赤崎神社
御祭神は荒崎姫(あらさきひめ)命
外宮へ奉納する御贄採取の守り神。
海の幸調達の無事を願う処なのです。

杜の石段を登ると凄まじい湿気。
相当量の水を含んでいる様です。
杜と言えばこれ迄は暑さをしのぐ
オアシスだったのですが。

 



境内も暗くスマホのフラッシュが
勝手に反応して光る程です。

御社殿前の石段に平たい菓子缶が
置かれ賽銭箱と書いてあります。
フタを開け小銭を入れてから

柏手を打って手を合わせます。

左側の石垣に囲まれた空間は
御社殿が海を向いていた痕跡だとか。
杜の向かいは今では川に見えますが
かつて入り江の最奥部だったのです。

“賽銭缶”横に置かれたタッパーには
赤崎神社のしおりが入っています。
フタを開けると中身も湿気ていて
紙一枚を摘まみ出すのに苦労します。


近鉄赤崎駅から普通電車で20分、
上之郷駅で下車します。
低い峠を南へ越えた所為か
ようやく雨が止みました。

後半はここから2.2㌔歩いて
二箇所六社を巡ります。

 



数分で内宮別宮伊雑(いざわ)宮
前回の瀧原宮と同様に内宮の
“遥宮(とおのみや)”と呼ばれ
重んじられているお宮です。


御祭神は天照大御神御魂
(あまてらすおおみかみのみたま)
これも瀧原宮と同じです。

伊雑宮がある志摩地域は
倭姫命が定めた御贄地(みにえち)で
お供えの海の幸を採取してきた所。
地元の漁師や海女の信仰も篤いとか。

とはいえ、赤崎神社といい
国崎の御料鰒調製所といい
神様は殊のほかお魚好きの様です。





瀧原宮ほどではないけれど
摂社群とは比べ物にならない
大きな杜と広い宮域です。

鳥居をくぐり参道を行くと
ここでも外宮や瀧原宮での
ゾクゾク感を覚えます。

大木の陰から現われた萱葺きの
御社殿もひと際大きく見えます。

お賽銭をして手を合わせると
身中をザワッとしたモノが走ります。

アマテラスの御前では初めての事。
雨が禊ぎ祓いになったのでしょうか。


 

勾玉池や巾着楠など境内を見学し
南に隣接する御料田を見に行きます。

二箇所ある神田の内のひとつで
6月24日に行われる御田植式
大変な賑わいになるといいます。

海の幸ばかりではなく
伊雑宮は“水陸両用”だったのです。

神田を脊に木の皮そのままの
黒木の鳥居が映えています。
大切な神事が行われる場所に
立てられる特別な鳥居だとか。

稲穂の方はまだ青いけれど
順調な生育ぶりに見えます。
 


伊雑宮の杜を眺めながら
コース通りに農道を歩きます。

イナゴが次々に稲穂に飛び移ります。
ちゃぽんの音はカエルでしょう。
浮いた藁にはザリガニの姿すら。

収穫間際の色づいた稲穂が倒れ
水に浸かって波打っています。
神々の嘆きが聞こえる様です。

まだ青い稲は倒れずにいますが
排水が追い付かないのか穂の
近くまで水に浸かっています。
相当降ったのが窺えます。

風雨の順調を祈る
風日祈(かざひのみ)祭
梅雨前の五月だけでなく八月にも
行われる理由を思わされる光景です。




集落に入って歩くこと数分
県道沿いの小高い丘の上が本日最後の
伊雑宮所管社佐美長(さみなが)神社

御祭神は大歳神(おおとしがみ)
五穀豊穣の神様です。
所管社として“陸”の方を
補佐されているのでしょう。

 




丘の石段を登ると正面に
御社殿のミニチュアが見えてきます。
これが佐美長御前(みまえ)神社四社
御祭神は佐美長御前神

先月の神麻続機殿神社などと同様
小さくても各々がひとつのお社です。

 



佐美長神社から順にお詣りすると
スーッとした風が吹いてきます。
御前神社では手を合わせる度に
次第に風が強くなるのを感じます。

四柱の御前神様が次々に現われて
労って下さった様な心地がして
ご機嫌になったのですが、

『旅の者、聞いてくれぬか』

今思えば、風雨に倒れ
水に浸かった稲穂の惨状を嘆き
訴えかけておられたのかもしれません。

(つづく・残り43社)

 

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お伊勢さん巡礼☆神社紀行①第1日前編:外宮宮域
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行②第1日後編:外宮周辺
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行③第2日:大湊・神社めぐり
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行④第3日前編:小俣めぐり~宮川堤まで
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑤第3日後編:小俣めぐり・宮川堤~湯田神社
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑥第4日:田丸めぐり
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑦第5日:外城田めぐり
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑧第6日:宮川めぐり
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑨第7日:機殿・斎宮めぐり
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑩第8日:瀧原めぐり前編・多岐原神社~三瀬坂峠
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お伊勢さん巡礼☆神社紀行⑪第8日:瀧原めぐり後編・瀧原宮
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