経世済民のエコノミスト・菊池英博氏の著書、「新自由主義の自滅」より:
『「グローバリゼーション」と「グローバリズム」という言葉は、日本ではかなり混同されており、同じ内容のように使われているときが多いようです。しかし、この二つは似て非なる言葉です。グローバリゼーションの邦訳は「グローバル化」であって、「ヒト・モノ・カネの国際間の流れを自由にするために、障壁を取り払い、世界各国の政治や経済の流れを良くしよう」とすることです。しかし、グローバリズムは「新自由主義にもとづくアメリカニズム(新自由主義的資本主義」
)」をさすのであって、「グローバル化」が「グローバリズム」になるものではありません。
第二次大戦後の世界は閉鎖的になりましたが、西ヨーロッパでは欧州連合ができ上がり、さらに1990年代に入ってからはソ連邦の崩壊と東ヨーロッパの自由主義経済への参入によって、グローバリゼーション(グローバル化)が普及し始めます。一方、グローバリズムという言葉は、「新自由(ネオ・リベラリズム)」というイデオロギーを宣伝するため使われた言葉であり、決して普遍的な概念でも歴史的必然でもないのです。
しかし、ソ連邦が崩壊した1991年以降、米国が一国覇権主義国家になったことで、日本や発展途上国に対して新自由主義にもとづく政策を、いかにも普遍的なものであるかのように思いこませるために、盛んに用いられはじめます。とくに日本に対しては、米国は敢えて両者を意識的に混同させて、新自由主義型資本主義(グローバリズム)が世界の基準であるかのような誤った宣伝を強めました。日本では大マスコミ(全国紙、NHK,民放)が両者を混同して報道しており、多くの日本国民も「グローバル化が進むので、グローバリズムを受け入れるのは当然だ」と思いこんでいるようです。日本の翻訳書でも誤訳があります。ジョセフ・スティグリッツの原書「Globalizashon and Itu Discontents」の翻訳書の題目が『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』(鈴木主税訳、徳間書店)となっておりますが、「グローバリズム」ではなく、「グローバル化」が正確な日本語です。』
何事も、最初の第一歩の行先の間違いを気づかなければ、時が経てばたつほど、全然、意図しなかった間違いの迷路に嵌ってしまい、それが個人なら未だしも、国家挙げて気づかずに行ってしまっている、まさに、地獄行のバスに乗せられて乗客は思考停止に陥っているのが、日本の経済政策を間違い続けた「元凶」は、グローバル化ではなく、グローバリズムであったわけです。
「トリクルダウン」という、社会の富裕層が儲かれば儲かるほど、そのお零れが、下に滴り落ちて、全体が潤う、という考え方の正当性を安倍総理も何回か言っていましたが、現実は、上だけ儲かって、全然、滴り落ちるどころか、逆に、消費増税や正社員カットをなどをやりやすくなる「労働環境の流動性の強化」などで、富は下から上に上がる「トリクルアップ」という状態です。
安倍氏の約束の「トリクルダウン」は起こらずに、謝罪し、退陣するのが政治家としての筋でしょう!
TPPはその最たるもので、グローバル化の名の下に、その実はウォール街傘下の不公平な新自由主義に由る格差拡大路線上の日本をターゲットにした最終章の経済植民地化です。
この点を明確にされた菊池氏に感謝致します★
それでは、皆様、御機嫌よう★